<6月10日>
この日は自由行動です。前もって目的を決めて行動する人、故宮博物院へもう一度足を運び堪能するまで鑑賞する人、などさまざまでした。
私は夫と台北101に行きました。高さ508メートル、世界第2位の高さのビルです。89階の展望台までエレベーターで38秒、世界最速だということでした。382メートルの高度から360度のパノラマを眺めた後、フランス資本の巨大スーパーマーケット「カルフール」へ。
実はこのカルフール、どうしても行ってみたかったのですが、どこにあるか場所がわかりません。夫にホテルのレセプションでも聞いてもらったのですが、「カルフールというスーパーはないが、家楽福という大きいのがある」と教えてもらったそうです。
台北101のあと、ガイドブックに載っていた頂好というスーパーへ行ったのですが、まったく期待外れ。雨も降ってきたので車に乗ったところ、夫がホテルで聞いていた家楽福という名前と住所を、運転手に示して、行くように指示したのです。
私はあんまり気乗りがしなくて、途中、「この車、道を間違っているよ」「さっき台北駅が見えたから、ぜんぜん違うところへ連れて来られているよ」と散々文句を言っていました。運転手も少しは日本語がわかるようで、途中すごく不機嫌になったのがわかります。
やっと目的地に到着。エスカレーターに乗ったとたん夫が、「ここがカルフールだ」というのです。指さす方を見ると、「家楽福」と書いた下に、小さく「Carrefour」と書いてあるではありませんか。家楽福はCarrefourの中国訳だったのですね!!
「運転手さんごめんなさい」
「お父さんごめんなさい」
やっと目的のスーパーマーケットにつきました。さすが、家庭生活用品、食料品の品ぞろえには驚きました。もっと見たかったけど、なにせ時間がない。
そのあと電車で淡水へ。淡水には午後5時に、飯野さん、大澤さん、山岸さん、沈ちゃん、阿部さんが合流することになっています。
この日はあいにくの雨催(もよい)、「東洋のベニス」と謳われた夕景も期待できませんでした。
定刻5時、7人が揃いました。雨は降ったりやんだり、傘を差しての海岸散策です。
ある人が向う岸に渡りたいと言いました。渡し船がしょっちゅう往復しています。渡し船というと、櫓や櫂で動く小さい船を想像しがちでしょうが、小さい遊覧船のようなそこそこの船でエンジンがついています。
さて、対岸へ渡ったものの、ことに行く予定もないのですぐに戻ってしまいました。どこかで夕食を食べようということになったのですが、どこで食べたらいいかわかりません。
あっちこっち探し歩いた結果、「○○大飯店」という電飾看板が見えて、そこへ入ろうということになりました。大飯店は台湾・中国ではホテルのことですから、当然レストランがあるでしょう。
「さあ、入ろう」と思ったとき、何軒か先に鍋料理の看板が見え、全員の意見が一致してそちらに変更しました。
席に着いたら、ここで夫が奥の手を出しました。
実は沈ちゃんはベジタリアンです。また野菜の中でもタマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクを食べることができません。もちろん肉・魚介はNG、そのダシもだめなのです。そこで出したのが台湾で使っていると思われる北京語で(大陸で使っている簡体字の北京語とは違います)、あらかじめ書いてきたカードを店員に示しました。これは夫が知り合いの婦人に翻訳してもらったのだそうです。
「這位太太不敢喫肉類,魚類和貝類,也不敢喝鷄湯等肉類湯和魚湯。還有,不敢喫洋葱,大葱,大蒜,韮菜。有没有用其他的蔬菜做的菜?或者,有没有隻用鷄蛋做的菜?」
(この婦人は肉と魚介類が食べられません。肉・魚のダシもダメです。野菜もタマネギ、ネギ、ニンニク、ニラは食べられません。それ以外の野菜や卵で作った食べ物がありますか。あるいは、何か作ってもらえますか)
この文章は、好き嫌いで食べたことがない、食べる勇気がないので食べられない場合の表現だそうで、アレルギーで食べられない場合は「不敢喫」を「不能喫」というのだそうです。
店員がすぐに沈ちゃんを材料のあるところへ誘い、自分で好みのものを選ぶように話してくれて一件落着。心配していたのでホッとしました。
食事のあと、電車で淡水から最寄りの民權西路駅へ行き、ホテルまで徒歩です。
帰ってからは「反省会」。といっても難しいことではありません。皆さんとゆっくり話せるのも「今宵限り」、そこで御苦労さま、という意思表示をしたかったのです。
本当に楽しかった、言葉では言いませんが、実は企画・進行してくれた夫には内心感謝しています。(以下、次回に続く)
写真(左)は台北101の全景。その前で記念撮影
展望台から台北市街をのぞむ
これから電車で淡水へ
鍋を囲んで盛り上がる