基本指圧研究会メンバーの学生(3年生)さんに、具体的にどんな授業が行われているのか聞いてみたところ、こう語ってくれました。
「どうしたら(指圧治療所の)経営がうまくいくか、というのがほとんどです」
私への今回の依頼は、学校サイドから具体的なリクエストがありました。
「本年7月に開催された、順天堂大学医学部主催の学会で報告されたような画期的な指圧治療例や、学生が卒業後すぐに直面する肩凝りや腰痛に対する治療についての2点で…」
せっかく与えられた勉強の機会です。この要望をふまえた上で、かねてから頭の中にあった構想を具体的にまとめてみることにしました。
人体にある大切な3つの大きな入れ物「頭骸・胸郭・骨盤」、そしてそこから伸びる手足。無駄な力が抜けた状態で圧す基本指圧で対応すれば、これらは人体に具わる自らの力で自然に良い形に動いて、身体状況は改善に向かうのです。このことを誰が見ても分かるように、視覚的にまとめてみることにチャレンジしてみることにしました。
頭骸の歪みは基本指圧による幼児の歯列矯正、歯並びの変化と顔面の形の変化の比較で、視覚的に分かるようにしました。胸郭の歪みは、一目瞭然のレントゲン写真(治癒例)が手元にあります。
問題は骨盤です。骨盤の歪みもレントゲン写真なら一目瞭然なのですが、今回モデルにお願いした方は、脊椎側湾症による骨盤の歪みがある方です。これを基本指圧で改善し目で見て分かるようにしようと考えました。
脊椎の側湾があるので非常に身体が弱く、体調がとてもとてもデリケートなのです。ですからその彼女に対し、無駄に放射線(X線)を浴びさせることにどうしても抵抗がありました。喉から手が出そうなほど欲しいデータではあり、お願いすれば可能なことは分かっていたのですが、今回、レントゲン写真は断念しました。
外見上からの写真で、どれくらいの変化を見ることができるか? やってみなければ分かりません。慎重を期すため、カメラマンを専門の方にお願いすることにしました。皆の時間の都合がつくのが、10月13日と14日しかありません。中1日あけて写真を撮ったほうがもっと効果的なのですが、仕方なく連日撮影での実行となりました。
13日夕方5時に術前の写真撮影。基本の全身指圧を施術し、この日は入浴を控えてもらいました。翌14日午後2時に、再度簡単に全身をチェックする程度の基本指圧を施術、前日と同じ夕方5時に写真撮影をしました。
「どうか、術前術後の差が見えますように!」
祈るような気持でプリントアウトしたのですが、実に満足のいく出来栄えです。あまりにみごとに撮れているので、後ろ姿などはまるで違うモデルに同じシャツを着せて撮ったようにすら見えます。
誤解があってはいけないので、授業当日は、正面の顔が写っている写真も公表することで、本人の了解を得ました。
このブログ上では、個人情報保護のため後ろ姿のみとさせていただきます。基本指圧での驚きの効果をぜひご覧下さい。
約2回の施術による1日での変化です。