「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

西表島から高校合格の報告に、指圧で体調管理をした年月が胸に浮かぶ

2015年03月30日 | 素晴らしい指圧効果

 3月25日、西表島(沖縄)のタケル君が突然来院しました。考えてもいなかったので、本当にびっくりしました。前日の夕方、彼から電話が掛かってきたのです。
 
「突然なので忙しいと思いますから、先生の顔を見たらすぐ帰ります。ひとこと挨拶したいので行ってもいいですか?」
 ビックリしました。タケル君は15歳、今春、石垣島の高校に進学が決まったということでした。川越のお祖父ちゃんの家へ来たので、ぜひ合格の報告をしたいと来てくれたのです。聞くと、昨年の踵の痛みは治っていました。

 
彼は西表島に両親と住んでいます。生まれた時からお正月や夏休みにはお祖父ちゃん・お祖母ちゃんの家に来ていたので、「指圧が大好き」なお祖母ちゃんの影響で、必ず指圧治療を受けていました。
 
幼いころ斜頸になったこともありましたが、医師のお祖父ちゃんから「西洋医学ではこれがいいという治療法もないので」と言われ、指圧で治したこともありました。そのうち私も西表へ、エコツーリズムという団体の誘いによるボランティアで、5回ほど指圧治療に行ったこともあります。そんなことから、今までタケルくんたちの体調管理を指圧で行ってきました。
 
嬉しいこともありました。たけるくんは小学校の卒業アルバムに、「将来の夢は指圧師」と書いてくれたのです。また今回、進学する高校も決まり、特進クラスに入れました。高校を卒業したら、大学と指圧学校を並行して勉強したいと言っています。将来の選択肢も広くなったと、喜んで報告してくれました。

会った翌日は、石垣島の高校でオリエンテーションの予定があるということで、タケル君は1日いただけで直行便でただひとり帰ってしまいました。心からエールを送ります、ガンバレー。タケル君の弟ハル君は日曜日まで川越にいるので、ぜひ指圧を受けたいとこの日来院しました。彼は日曜日に帰りました。末っ子のアサヒ君は、お母さんが寂しくなるので西表で一緒にお留守番だそうです。

釣りが上手なハル君は、埼玉に来ても川へ釣りに行きたいと言っていました。楽しみだったことでしょう。島に帰ったら、束の間の春休みを存分に楽しんで下さい。また夏休みに会えるでしょうから、楽しみに待っています。




タケルくんが西表島から高校進学の報告に来院



次男のハルくんも指圧大好き! 今春中学生です。島の中学校
では同級生は4人、部活はバトミントン部です


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大きく開けた3人の前途、助成金による基本指圧の治療がすべて終了

2015年03月23日 | 指圧の活動

(前回のつづき)
 
3月8日、あっという間に最終日を迎えました。
 「おはようございます」
 
朝から元気なWちゃん。プロの目から見ると頸部が長くなり、圧しやすくなったのがわかります。また私の顔を見るとニコニコして、自分の首を長くしてみせおどけます。お母さんの顔のアザは色が無くなりました、本当に良かった。

 
朝9時、最後の治療が始まりました。お母さんはビデオカメラを回しながら、熱心に私の説明を聞いています。
 
気になる前頸部は3点目までしっかり圧すことができました。3点目まで弛めたことでこの後、4点目まである程度弛んでくれると期待しています。これがキッカケでいい方向へ成長して行ってほしい。基本指圧で最低限のことはできたと自負しています。
 
Wちゃん、前夜はずいぶん良く寝られたようです。お腹の状態もとてもいいようです。チェックアウトまでの時間、しっかり圧すことができました。あとは、お母さんに預けます。次に会う時までしっかりお願いします。Wちゃんの状態をファクスして下さい。このやり取りはとても大事です、どうかよろしくお願いします。

 
公益財団法人二分脊椎・水頭症研究振興財団から受けた助成金で、3名の基本指圧による治療を終えました。青年の男性、中学生の男子、小学生の女児です。個人差はありますが、それぞれの年代で、治療成果としては特徴的なものがあり、大変勉強になりました。今後の指圧治療に活かせたらと思っています。
 
今回は出会いも多く、時間がもっとあればと思いました。助成金授与に賛同してくださった財団の皆様、諸先生方のおかげで、3人の道が大きく開かれたと確信しています。お礼を申し上げます、ありがとうございました。患者さんやご家族は、財団と先生方に心から感謝しておられました。

 
去年3月8日、神戸のホテルにて助成金授与式が行われ、新潟大学名誉教授・生田房弘先生からいただいたお言葉が、今でも耳に残って忘れられません。
 
「一人でも良くなってもらえれば」。
 
この言葉を肝に銘じ、また頑張ってまいります。(おわり)


 Wちゃんのお母さんは真剣そのもの、前頸部の
 圧し方をビデオ撮影しています


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前頸部に改善の手応え、お母さんに圧す「コツと工夫」を伝える

2015年03月22日 | 指圧の活動

 (前回のつづき)
 3月7日、福岡に来て2日目です。
 午前中に2人の指圧治療をしました。朝9時、Wちゃん(小2)から治療を始めました。朝からホテルに来てもらったのは、時間を置いて夕方もう1回治療をしたいからです。お母さんの顔のアザがずいぶん綺麗な色になっており、本人も化粧ののりがいいと喜んでいました。
 去年5月に青森市で、公益財団法人の助成金で行った基本指圧が大成功だったので、今回も何としても成功させようと緊張感を持って挑みました。青森の時の治療と同じ日程でやることにしたのです。

 実は、昨日会った時から気になっていたのが、Wちゃんの首が短く見えたのです。一目で「頸部を圧していない」と分かりました。実は大事な前頸部を圧すときは左右4点ずつで圧すのですが、これがちゃんと圧せなければなかなか効果が出てきません。聞いてみるとお母さんも「首は怖いので、圧していないの」ということでした。
 今回の課題は、頸部と決定しました。頸には全ての神経が通っているのです。そこが詰まっていては、身体の機能は良くはならないと考えます。ただ、彼女の足はビックリするほど良くなっていて、もう二分脊椎症とは分からないほどです。以前と違い、転ばなくなったと聞いて本当に嬉しかった。そのぶん身体の機能は必ず良くなっているわけです。それに頸部の弛みをプラスできると、必ずいい結果になる。楽しくなってきました。

 思った通り、1日目はWちゃんの前頸部が1点も圧せない状態でした。3、4点目が圧せない人は結構いますが、1点も圧せなかったので少々驚きました。お母さんは素人ですから、子供の小さい頸部を圧すのは難しいのが当たり前、効果が出るよう「コツ」と「工夫」を教えました。お母さんは前向きな方ですから、圧している映像を撮影していました。
 この朝、前日と違って前頸部に変化がありました。わずかですが手ごたえを感じ、夕方と最終日の2回の治療に賭けることにしました。お母さんの治療も午前に終え、ケガする以前の体調に戻りホッとしました。以前の腹部らしいお腹になったお母さん、「私も腹部を自己指圧した方がいいのですね」と、さすが我が子を圧しているお母さんは話が早いのです。

午後2時。鹿児島から車で駆け付けたNさんとお父さんが到着。Nさんは二分脊椎症と水頭症があり、車いすの生活です。挨拶もそこそこで、さっそくホテルの部屋で治療になりました。
 Nさん親子は基本指圧研究会のメンバーの紹介で、2年半前に川越の治療院を訪ねて来られ、たいへん喜んでもらいました。去年、再度来院したおり指圧のやり方を勉強して、Nさん相手に実践してきたようです。不思議な絆を感じるのがやはり親子だということです。素人でも圧すとこれだけの変化が出てくるというのは感動ものです。以前のNさんは、言葉をほとんど話さなかったのですが、今は会話ができるのです! ビックリしました。身体の調子も相当改善していました。これから足はもっと良くなって行くと思います。頑張りに期待しています。
 彼女の排便は、10日から2週間に1回であったのに、3~4日に1回に改善していました。お父さんの愛情の深さは感服ものです。夏にはまた川越に来て下さい、待っています。
 午後4時。福岡在住の二分脊椎症の赤ちゃんとお母さん、また4歳の二分脊椎症の男児がいる両親と会いました。途中、Wちゃん親子も来てくれました。弟とはしゃぐWちゃん、二分脊椎症とは思えない足の状態には一同ビックリしていました。今後、この出会いが実り多いものになれば幸いです。

 5時過ぎ、Wちゃんの夕方の治療をしました。なんとなく首が長く見えてきました。Wちゃんも気になるのか、私がそっちを向くとにっこりして、く~っと首を長くしてみせます。可愛い子です。長い1日でしたが、残すのは翌朝の治療のみ。成果がボンヤリと見えてきたようです。最終日にすべてを賭けて早めに休みました。(つづく)


宿泊した和室で指圧を行った


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小2女児の治療で福岡へ、お母さんの家庭指圧がみごとな効果を

2015年03月21日 | 指圧の活動

 3月6日から2泊3日で福岡市のWちゃん(二分脊椎症の女児・小2)の指圧治療に行ってきました。公益財団法人二分脊椎・水頭症 研究振興財団 から受けた助成金の最後の仕事です。去年5月に青森市へ行っての治療が大成功だったので、同じく3日間で福岡でやってみようということです。 

 
6日午後0時15分のJAL便で羽田を発ち、午後2時10分福岡空港に到着しました。さっそくホテルのある天神駅へ向かいました。今回は、Wちゃんのお父さんの紹介で和室の宿を探していただきました。ふだん畳の上で仕事をしているのですが、ベッドだと指圧の「圧」の入り方が微妙に違ってしまうのです。ご家族も一緒に来て話を聞きたいでしょうし、広めな畳がある部屋をお願いしていました。
 
夕方学校がひけたら、その足でお母さんと一緒に来てもらい、2人とも治療する段取りになっています。幼児・児童などを治療するときは、できるだけお母さんにも指圧を受けてもらうようにしています。表に出てくる病状は違っても、指圧をしてみると、身体の問題点は酷似しているのです。子どもだけを圧すより、お母さんも圧した方がみごとに効果が上がるのです。

 
Wちゃん達と初めて会ったのが、ちょうど2年前です。熱心な両親に心うたれ、少しでもお役に立てたら、という気持ちになりました。川越にも2回来られました。その後電話とファクスの遣り取りで対応しながら、Wちゃんの症状改善を目指して、一生懸命お母さんが圧していました。3人兄弟のまん中の活発な女の子です。送ってくれるファクスの文面から、改善していく様子が手に取るように見えていたので、会う時間が刻々と近づくのを心から待っていました。
 
ホテルで待機、午後4時半過ぎに母子と再会。大きくなっていてしっかりとご挨拶してくれました。可愛いさも倍増です! 1ヵ月前に、お母さんが荷物を持ったまま顔を強打する大怪我をしたと聞いていましたので、それも気になっていました。

 
初めにお母さんから圧しました。まだ打ち身の跡がいたいたしくて、転び方の激しさが目に見えるようです。そのせいか身体のあちこちが変です、お腹も!? 今回、お母さんの治療は2回を予定して、お顔のあざもキット治ると思っていました。
 
Wちゃんの番です。
 
「お願いします!」
 
元気で挨拶してくれます。足がずいぶん良くなっていてビックリしました。元気で走り回っているのです。聞くと、学校の運動会でも走ったそうです。「ビリにはならなかったよ」。Wちゃんは嬉しそうに話してくれました。私がたまに圧すぐらいでは、ここまではよくならないと思うほどの改善ぶりです。これは「お母さんの一念」、本当に嬉しく思いました。

 
ただ気になった部分もありました。今回4回の治療でどこまで変えられるか? 頑張らなければ、という気持ちが強くなったのが事実です。(つづく)


 足がとてもいい状態なのに驚きました。転ぶこともなくな
 りました


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