「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

浪越指圧の原点・基本指圧をできる限りやさしく解説

2019年08月24日 | お知らせ

 今回発刊したDVD「指圧の教科書 -基本指圧-」は、浪越指圧の原点である基本指圧を、できる限り分かりやすく解説して映像化したつもりです。浪越徳治郎先生の指圧を継承された鈴木林三先生から学んだ身として、何とかこの技術を、指圧を志す方がたにお伝えしたいと考えていました。
 大まかな構想は十数年前から練っていたのですが、3年前、私が指圧をやっているうちに完成させたいと強く思うようになりました。具体的になったのはそれから半年後、2年半前の山梨大学医学部キャンパス大講堂で開催された「第4回山梨ダウン症フォーラム」の講演に招かれたときです。「子供のお腹を圧す」ことを映像化し、当日、参加した皆さんに見せることになりました。

 これを撮ってもらったのが常田高志監督でした。常田さんはドキュメンタリー映画の製作・監督をされている方で、長谷川知子先生に紹介していただきました。先生はダウン症の権威で、元静岡県立こども病院遺伝染色体科医長を務められた方です。
 もちろん鈴木先生にもお願いしました。先生は圧し手としての私の技術を見守り、指導してくださいました。そのほか私の治療院のスタッフをはじめいろんな方の協力を得て、やっと発刊にこぎつけた次第です。
 鈴木先生はこの動画の撮影を1回残して急逝されましたが、大事な個所はほとんど撮影が終了していました。先生亡き後はDVDを立派に仕上げることこそが供養になると自分に言い聞かせて、指圧の仕事をしながら進めてきましたが、予定を大きく遅れてしまいました。

 当初、今年の初めには出来上がるはずでしたが、ナレーション作りが思っていたより難しかったのです。スタジオを借りての収録が5月に終わり、その後編集や諸々細かい作業が続いていました。なんとか6月には出来上がる予定が7月にずれこみ、その後印刷の不手際などで、やっと鈴木先生の三回忌直前、89日に手元に届きました。三回忌は今年の813日でした。
 出来上がったDVDを先生のご子息に送ることができ、3回忌にギリギリでしたが、無事812日にDVDを千葉・四街道の先生のお墓に手向けることができました。1人でもこのDVDを勉強の糧にして、基本指圧を身につけていただけたら嬉しい限りです。

  基本指圧研究会会員の方たちに感想を聞いてみましたが、このDVDが出来上がるのを待ち望んでくれていたのがよくわかります。さすが、「無駄な力が抜けた状態で圧す」ことを目指している基本指圧研究会会員のメンバーです。感想も的を射たものでした。
 浪越指圧の原点である基本指圧を分かりやすく解説して映像化できたDVDです。指圧の技量が上がる都度、見える部分が変わってきます。細部までこだわって作ったつもりですので、そこまで見てほしいものです。見ている方に解説しながら説明すると「なるほど」と、納得してもらえるのですが、そのような機会はあまりないと思います。残念ですが、何回も見ていただくことで、技術アップを目指してください。

  内容は浪越指圧の肝心要である、「前頸部」「腹部」指圧を詳しく解説しています。

〇映像は、横臥位(20分)
     伏臥位(25分)背部・下肢
     仰臥位(45分)上肢・下肢
     頭部・胸部・顔面部・腹部

特典映像 基本指圧研究会の講習会
      横臥位指圧法、前頸部を圧す
      仰臥位指圧法、腹部を圧す    指導:鈴木林三

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 また、日本指圧専門学校の石塚寛校長先生から推薦文をいただいています。

 DVD「指圧の教科書 -基本指圧-」発刊に寄せて

 (前略)特に注目すべき点は、受け手の姿勢を整えることで圧が入り易く、無駄な力が抜けた指圧が奥深く達しているのが見て取れるところです。「指圧は痛いほど良く効く」と言われるのは大きな誤りで、つぼを得た快圧で副交感神経優位の状態に導くことが重要です。このDVDは、多くの指圧師の正に「指圧の教科書」となると思います。

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 石塚先生は、医学博士で(国立)徳島大学名誉教授でもあります。文章は少し長いので一部分を掲載させていただきましたが、全文は「村岡曜子治療院」で検索していただくと、ホームページに掲載されています。

 DVDをお申し込みの方も、ホームページに方法が掲載してあります。分かりにくいようでしたら、次に連絡をお願いします。
 080-8012-1881(ケイタイ)留守電対応になる予定です。
 049-223-6088(ファクス)18時から翌朝8時の間に送信してください。


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練習生Mさんのお父さんで、炎症を鎮める指圧の実習を体験

2019年08月21日 | 素晴らしい指圧効果

 練習生Mさんは東京指圧専門学校卒業後、「治療ができる指圧師」を目指して、私のもとで練習生として日夜頑張っています。当初は、基本練習として練習台や指作り、スクワット(基本練習三本セット)を続け、無駄な力が抜けた状態で圧すための基礎作りをしてきました。
 彼は免許取得後約2年半経過しています。今年は人の身体を借りての練習を開始しています。この日は、彼のお父さんをモデルにお願いしての3回目です。

 お父さん前夜、膝蓋骨が外れたとのことで膝の痛みが強いようです。見れば左膝は腫れて発熱していました。まず、炎症を鎮めなければ楽にはなりません。さっそく身体の炎症を治すための指圧実習になりました。彼の初めての治療です。
 私の指示どおりには動けないのが当たり前です。全身を圧すのに2時間20分もかかりましたが、施術後お父さんが一言「治った」「痛くない」。写真は歩いてもらった時のものです。2人とも嬉しそうでした。

 たまたま翌日、先輩であるKさんの患者さんが、足首をひねって捻挫状態で来院。今度はKさんが炎症を治すことになりました。施術後、患者さんから「楽になりました」との感想。なによりも嬉しい言葉です。
 ちなみにKさんは私の治療院のスタッフです。もちろん自分1人で治療にあたりました。新旧二人の炎症への対処の報告です。


練習生Mさん、お父さんの膝の炎症を鎮める実習体験


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DVD「指圧の教科書 -基本指圧-」が完成、届けたい私の畢生の作

2019年08月16日 | お知らせ

   本当に久しぶりの投稿です。
   実は今回、私の40余年の指圧人生を凝縮した思いで取り組んでいたDVD、「指圧の教科書基本指圧」がやっと完成しました。この制作はおよそ3年前から企画していたものです。直接撮影を始めたのは、ドキュメンタリー映画を撮っている常田高志監督にお会いしたのが始まりです。

 2017年2月18日、山梨大学医学部キャンパス大講堂で開催された「第4回山梨ダウン症フォーラム」の講演に招かれて、「子供のお腹を圧す」ことを映像化し、当日、参加した皆さんに見せることになりました。
 これを撮ってくださったのが常田高志監督でした。それが縁で今回のDVD作成という流れになったのです。 

 鈴木先生は浪越徳治郎先生の技術をみごとに継承された方で、指圧における私の師匠です。先生の賛同も得て、基本指圧の全てを映像化するために、私の治療院2階で常田監督にお願いして撮影しました。撮影は、皆さんの都合のいい日と決め、3月から8月まで5回行いました。
 鈴木先生は、熱心に出演・指導をしてくださいました。 

 ところが2年前の813日、すでに先生の最後の撮影から9日経っていましたが、先生が急逝されてしまったのです。お会いするごとに痩せ方が異常に進む先生に、私をはじめ周囲の人が病院へ行くことを強く勧めたのですが、いっこうに聞き入れてくれません。
 この朝、やっと私が付き添って病院へ行くことになっていたのです。先生のお弟子さんのSさんも同行することになって、3人で病院の最寄り駅で待ち合わせました。 

 だが案じた通り、待てども先生は現れません。電話もつながらない。やむなくSさんを駅に残し、先生がおられるはずの江戸川橋指圧センターに向かいました。
 指圧センターはこの日お休みです。中へ入っても先生の姿がありません。控室を覗いた私は、心臓が止まるほど驚きました。先生はおられるのですが、すでに息がないのです。さっそく119番とSさんに電話しました。 

 私が第一発見者です。電話で救急車が到着するまで心臓マッサージをするように言われ、震える手で必死に行ったことを憶えています。その時は、今思っても経験したことがないほど動転していたのですが、気持ちと裏腹に「こんな時はしっかりしなければ」と、冷静な自分を不思議に感じながら対処しました。
 この日は、経験のないほど長い長い一日になりました。

 ブログも一周忌が終われば再開しようと思っていたのですが、喪失感が強く、書く気になれませんでした。
 年号も令和になり「指圧の教科書基本指圧」のDVDもでき上がったので、これをきっかけに、またブログを書きたいと思います。よろしくお願いします。 

 先生が亡くなられてまた暑い夏、三周忌が巡ってきました。思えば早かったのか、遅いのか、時間の経過がわからない日々です。これから少しずつブログも投稿していきたいと思っています。よろしくお願いします。


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