「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

お母さんがたに読んでいただきたい長谷川先生渾身の一書

2021年10月19日 | お知らせ

 久しぶりの報告です。
 遺伝学(特にダウン症)の権威で、元静岡県立こども病院遺伝染色体科医長の長谷川知子先の著書が発刊されました。原稿を書いておられるのは存じていましたので、待ちに待ったという気持ちです。さっそく拝読させていただきました。
 実はこの本のカバー(裏面)に、本の内容をきわめてわかりやすく要約してありますので、ここに引用させていただきます。

 「ダウン症の子を育てるのは大変」「ダウン症の子は体が弱い」「ダウン症の人は不器用」「ダウン症の人は老化が非常に早い」「ダウン症の人は退行することが多い」......そんなふうに言われることがあります。
 でも,ほんとうはそんなことはありません。それは科学的な根拠のない思いこみ(=ダウン症神話)にすぎないのです。
 この本は、ダウン症神話を信じて子育ての自信をなくしたり、悩んだりしている親ごさんや、彼らを支えたい人たちに向けて書かれています。ダウン症についての正しい知識を知り、「障がい」や「違い」よりも私たちと「同じ」ところに目を向ければ、もっと自信をもって子育てを楽しむことができるでしょう。
 そして、こうした思いこみや偏見をなくすことは、私たちの誰もが差別も排除もされずありのままに暮らせるインクルージョン社会を実現する第一歩ともなるのです。
 約50年にわたり1万人近いダウン症のある人たちと向きあってきた臨床遺伝専門医が伝えたい、ほんとうのダウン症のすがた。

 このカバーの解説を読みハッとしました。私が、今まで漠然と持っていた指圧治療中の疑問や悩みや想いなどが短い文章の中で凝縮されていていると思えたからです。私自身、患者さんとのやり取りで時々頭に浮かぶ疑問が払拭され、再度新しい気持ちで患者さんに向かえると、目の前が急に明るくなった気がします

 私は約15年前に、縁あって二分脊椎症の障害を持つ少年(T君12歳)とそのお母さんと知り合いました。それまで二分脊椎症の存在自体を知らなかったので、彼のフィジカルな面の改善を指圧で出来ないか、と必死になっていた日々でした。忙しい仕事の合間を縫って時間を作り、週5日のボランティア活動でした。
 指圧治療を通して日々変わっていく彼の状況は、たいへん勉強になり貴重な経験でした。その縁が現在、私の二分脊椎症の指圧治療に生き、13〜14人が自力で排泄ができるようになっただけでなく2名の女性か結婚出産までできました。今は「経験」という大きな宝物を得たと感謝しています。

 話が前後しますが、これがきっかけで、障害児を持つ母子を圧す機会が多くなりました。お母さんが子供を圧す勉強をするボランティアの「チャレンジ指圧教室」を作り、一緒に学ぶ機会も増えました。隔週土曜日の夜2時間、とても楽しい時間でした。勉強するの中で、実際に親子の日常の大変さも間近に見ることができたのは大きな収穫でした。
 今では私も、「障害」とは、心身が持っている病気であり特別な事でなく、同じ人間の状態で社会生活が不便か否かの問題だけだと思えるようになりました。今では、いちばん大事なことは、「自立」だと確信しています。
 この本が、障害者を持つお母さんらにとって、暗闇を照らす灯になってもらえるのではないかと期待しています。私の身近にいる方々は、障害・健常に関わらず読んでよかったとの感想を寄せてくださっていました。ぜひお読みいただきたいと思います。


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子供の心をつかむコツ、「上手な話かけ方 接し方」を再版

2021年02月26日 | お知らせ

 日頃からお世話になっている小児科・臨床遺伝専門医である長谷川知子先生が、日頃の診療や治療にあたる時によく耳にする、お母さん方の質問や困っていることをまとめて「上手な話かけ方 接し方」と題し小冊子にされたものをいただいたことがあります。
 長谷川先生らしい、とても細やかな部分まで丁寧に書かれていて素晴らしいご本で、治療院の片隅に置き興味のある方にお譲りしたところ、たいへん好評で喜んでいただきました。この本を読んだだけでもずいぶん子育て上手になれるのではないかと思った私は、来院される親御さんに勧めていました。この本には本当にわずかなことで、子供の気持ちを掴むことができるコツが書かれています。

 来院される患者さんで、この本を覚えておられて「まだありますか?」と聞かれることがあります。今は残念ながら手元に在庫がありません。欲しい方があってもお譲りできないのです。しかし今回、製作元の青森市の印刷所を見つけることができました。問い合わせたところ、原本がまだ残っているそうで、さっそく刷ってくれることになりました。

 当時、わずかな金額でかえって面倒だったのですが、貴重な小冊子です。チャンと料金の250円をいただいていました。今回は値上げされて400円になっています。
 とりあえずご紹介させていただきました。興味のある方は、お問い合わせください。
         電話 049-223-6088 村岡曜子治療院まで


 再版された「上手な話かけ方 接し方」


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療育図書「はげみ」に掲載された藤原一枝先生の論文を紹介(1)

2020年08月30日 | お知らせ

 脳神経外科医・藤原一枝先生が、社会福祉法人日本肢体不自由児協会発行の療育図書「はげみ」(令和2年度6/7)に、便秘に対する指圧の有効性について詳述しておられます。
 私は長年の体験に基づいて二分脊椎症児の排泄障害に取り組んできましたが、今回、藤原先生が医師の立場で便秘に指圧が有効であることを述べておられることはエポックメーキングなことといえます。先生のご許可を得て、その全文を3回程度に分けて弊ブログに掲載させていただきます。

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便秘改善のための体操、指圧(腹部マッサージ)について

                         東京都立墨東病院 脳神経外科
                         心身障害児総合医療療育センター
                                                        藤 原 一 枝

 はじめに

 脳神経外科で、生後まもなく手術する二分脊椎という病気があります。腰部の脊髄神経の一部に機能障害があって、足の変形を伴い、歩き出しても不安定歩行は避けられず、「膀胱直腸障害」とまとめて呼ばれる、尿失禁・尿閉・便失禁・頑固な便秘などを伴いがちです。
 この中の一つの症状である便秘は苦しく、生活していくうえでつらいことも少なくありません。原因はもともとの病気のせいではなく、足が不自由なために生じる運動不足や腸への刺激が少ないために腸の動きが悪くなることなどからです。この便秘はこじらせやすく、薬や浣腸、洗腸に頼ることになります。
 二分脊椎の方以外にも運動不足になりやすい方や便秘でお困りの方はたくさんいらっしゃいます。
 ここで「腸を刺激すること」と「運動をすること」を意識した実技と、目標設定を紹介します。

1 発端になった患者さん

 平成21年春、心身障害児総合医療療育センターの外来で初めて会った、二分脊椎による歩行障害のある男子中学生A君から話は始まります。不思議な依頼でした。
 「よく転んでいたので、ヘルメットをかぶらされていたけれど、転ばなくなった。もう要らないので、学校に出す診断書にそう書いてください」と言うのです。
 事情を聞けば、体を大きく左右に振りながら危なっかしく通学する彼を見かけた指圧師さんが、無償でナンバ式体操を導入した指圧治療を申し出てくれたそうです。その提案された「歩き方の安定」は、ほどなく効果が出てきましたが、指圧師さんは同時に「洗腸に頼るほどの便秘が何年も続いていることに気が付きます。

 指圧師さんにとって、便通のための指圧は得意分野です。専門家としての観察・試行・情熱に加え、A君とその家族のやる気にもかき立てられ、並々ならぬ熱意でおよそ9ヵ月、試行錯誤を繰り返しました。
 洗腸から脱出した経過は図表1(ここでは省略)に示しましたが、さらに10年以上たった現在も排便は「便意もあり、自立している」状態だというのです。
 このケースは病気だから便秘になるのではなく、「良い習慣を身につければ、便秘は予防できる」という見本なのです。
 驚いた私は、患者さんの許可のもと、埼玉県川越市で治療院を開業するその指圧師・村岡曜子先生と連絡を取り、成果と根拠を共同で、平成21年の日本二分脊椎研究会で発表しました。

 「薬や浣腸や洗腸や手術以外に、手軽な便秘解消の方法がある」という発表は注目され、反響がありました。その後、指圧だけを試みる患者さんも増え、村岡先生は成果と理論付けをして、平成24年の日本二分脊椎研究会に発表しました。また、平成25年には、心身障害児総合医療療育センターのスタッフのために、日本指圧専門学校の実技行使を長く務めた鈴木林三先生と村岡先生がおいでになって、指導くださいました。
 そして、村岡先生の主催するNPO法人基本指圧研究会は、平成26年には公益財団法人日本二分脊椎症・水頭症研究振興財団から助成金を授与され、“公認された便秘の治療法”になったのです。(次回につづく)


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治療院の休業を最大5月31日まで延長します

2020年05月07日 | お知らせ

 政府が緊急事態宣言を5月末まで延長したことを受けて、当治療院もそれに従うことを決定しました。もし途中で緊急事態宣言が解除になった場合は、直ちに治療院の業務再開を行う予定です。
 大変ご迷惑をおかけしますが、弊治療院の関係から感染者を断じて出してはいけないと決意していますので、ご了承くださいますようにお願いいたします。

  令和2年5月7日      村岡曜子治療院


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5月の練習会は中止、総会は追って連絡を

2020年04月28日 | お知らせ

 5月10日の午後、特定非営利活動法人基本指圧研究会の月例練習会と、そのあと年次総会を開催する予定でした。しかし昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、成増アクトホールが予約していた部屋の使用中止を決定しましたので、5月の月例練習会は開催いたしません。
 したがってこの日は総会も行われません。ただ、NPO法人は最低年1回の総会開催が義務付けられていますので、開催の日時、会場は追って会員にお知らせいたします。


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脳外科医の藤原先生、子供の生活リズム改善の体操・指圧を指導

2020年04月14日 | お知らせ

 日本中が、新型コロナウイルス騒動で混乱をきわめています。私の治療院も緊急事態宣言が発令された4月8日からとりあえず2週間、営業を自粛しています。
 治療院の患者さん達には、慢性病などを持っておられる方や、障害のある方などがいらっしゃいます。3月ごろから、指圧のコロナウイルス対策をどうしたものか困惑していました。マゴマゴしているうちに、決定が遅くなってしまいました。

 ところで少し前になりますが、東京新聞(3月27日付)にたいへんお世話なっている小児脳神経外科医の藤原一枝先生の記事が出ました。先生は10余年前、私が取り組んでいる二分脊椎症患者の排泄改善に対して学会発表を勧めてくださり、いろいろお世話くださった方です。
 10年前に私が脳出血で倒れたとき都立墨東病院の脳神経外科医長をしておられましたが、救急搬送された川越の病院まで来てくださり、優秀な医師が揃っている東京警察病院へ転院手続きをしてくださったのです。

 東京新聞の記事は、入園・入学で子供の生活リズムや環境が大きく変わるこの時期、子供の便秘予防と解消のために心がけることが紹介されています。ことに便秘に有効な体操や指圧を紹介しておられました。先生が著された絵本、「ちょうかいちょうのキョウコちゃん」にも紹介されている内容です。
 また、板橋区小茂根にある日本肢体不自由児協会の月刊誌にも、体操や指圧を紹介してくださいとの依頼があったそうです。6月か7月に出版予定だとお聞きしました。先生の八面六臂のご活躍には脱帽します。
 東京新聞の「すくすく」には、体操と指圧の紹介とに併せ、私の指圧の師匠である鈴木林三先生の動画も紹介されているので、ぜひご覧ください。懐かしく拝見しました。


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5月6日まで村岡曜子治療院は休業します

2020年04月08日 | お知らせ

 4月7日、新型コロナウイルス感染に対して政府が緊急事態宣言を発しました。これを受けて、村岡曜子治療院はスタッフと相談した結果、1日遅れの4月8日から5月6日まで休業することを決定しました。
 考えてみると指圧治療は言い訳のきかない「密接仕事」です。すでに予約が入っていた患者さんには、事情を説明してキャンセルさせていただき、スタッフにはこの期間に新しい予約を受け付けないように指示しました。
 弊治療院をご利用下さる皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、新型コロナウイルス問題が解決したら直ちに治療を再開いたします。それまでどうかご猶予くださいますようにお願いいたします。

 令和2年4月8日   村岡曜子治療院


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浪越指圧の原点・基本指圧をできる限りやさしく解説

2019年08月24日 | お知らせ

 今回発刊したDVD「指圧の教科書 -基本指圧-」は、浪越指圧の原点である基本指圧を、できる限り分かりやすく解説して映像化したつもりです。浪越徳治郎先生の指圧を継承された鈴木林三先生から学んだ身として、何とかこの技術を、指圧を志す方がたにお伝えしたいと考えていました。
 大まかな構想は十数年前から練っていたのですが、3年前、私が指圧をやっているうちに完成させたいと強く思うようになりました。具体的になったのはそれから半年後、2年半前の山梨大学医学部キャンパス大講堂で開催された「第4回山梨ダウン症フォーラム」の講演に招かれたときです。「子供のお腹を圧す」ことを映像化し、当日、参加した皆さんに見せることになりました。

 これを撮ってもらったのが常田高志監督でした。常田さんはドキュメンタリー映画の製作・監督をされている方で、長谷川知子先生に紹介していただきました。先生はダウン症の権威で、元静岡県立こども病院遺伝染色体科医長を務められた方です。
 もちろん鈴木先生にもお願いしました。先生は圧し手としての私の技術を見守り、指導してくださいました。そのほか私の治療院のスタッフをはじめいろんな方の協力を得て、やっと発刊にこぎつけた次第です。
 鈴木先生はこの動画の撮影を1回残して急逝されましたが、大事な個所はほとんど撮影が終了していました。先生亡き後はDVDを立派に仕上げることこそが供養になると自分に言い聞かせて、指圧の仕事をしながら進めてきましたが、予定を大きく遅れてしまいました。

 当初、今年の初めには出来上がるはずでしたが、ナレーション作りが思っていたより難しかったのです。スタジオを借りての収録が5月に終わり、その後編集や諸々細かい作業が続いていました。なんとか6月には出来上がる予定が7月にずれこみ、その後印刷の不手際などで、やっと鈴木先生の三回忌直前、89日に手元に届きました。三回忌は今年の813日でした。
 出来上がったDVDを先生のご子息に送ることができ、3回忌にギリギリでしたが、無事812日にDVDを千葉・四街道の先生のお墓に手向けることができました。1人でもこのDVDを勉強の糧にして、基本指圧を身につけていただけたら嬉しい限りです。

  基本指圧研究会会員の方たちに感想を聞いてみましたが、このDVDが出来上がるのを待ち望んでくれていたのがよくわかります。さすが、「無駄な力が抜けた状態で圧す」ことを目指している基本指圧研究会会員のメンバーです。感想も的を射たものでした。
 浪越指圧の原点である基本指圧を分かりやすく解説して映像化できたDVDです。指圧の技量が上がる都度、見える部分が変わってきます。細部までこだわって作ったつもりですので、そこまで見てほしいものです。見ている方に解説しながら説明すると「なるほど」と、納得してもらえるのですが、そのような機会はあまりないと思います。残念ですが、何回も見ていただくことで、技術アップを目指してください。

  内容は浪越指圧の肝心要である、「前頸部」「腹部」指圧を詳しく解説しています。

〇映像は、横臥位(20分)
     伏臥位(25分)背部・下肢
     仰臥位(45分)上肢・下肢
     頭部・胸部・顔面部・腹部

特典映像 基本指圧研究会の講習会
      横臥位指圧法、前頸部を圧す
      仰臥位指圧法、腹部を圧す    指導:鈴木林三

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 また、日本指圧専門学校の石塚寛校長先生から推薦文をいただいています。

 DVD「指圧の教科書 -基本指圧-」発刊に寄せて

 (前略)特に注目すべき点は、受け手の姿勢を整えることで圧が入り易く、無駄な力が抜けた指圧が奥深く達しているのが見て取れるところです。「指圧は痛いほど良く効く」と言われるのは大きな誤りで、つぼを得た快圧で副交感神経優位の状態に導くことが重要です。このDVDは、多くの指圧師の正に「指圧の教科書」となると思います。

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 石塚先生は、医学博士で(国立)徳島大学名誉教授でもあります。文章は少し長いので一部分を掲載させていただきましたが、全文は「村岡曜子治療院」で検索していただくと、ホームページに掲載されています。

 DVDをお申し込みの方も、ホームページに方法が掲載してあります。分かりにくいようでしたら、次に連絡をお願いします。
 080-8012-1881(ケイタイ)留守電対応になる予定です。
 049-223-6088(ファクス)18時から翌朝8時の間に送信してください。


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DVD「指圧の教科書 -基本指圧-」が完成、届けたい私の畢生の作

2019年08月16日 | お知らせ

   本当に久しぶりの投稿です。
   実は今回、私の40余年の指圧人生を凝縮した思いで取り組んでいたDVD、「指圧の教科書基本指圧」がやっと完成しました。この制作はおよそ3年前から企画していたものです。直接撮影を始めたのは、ドキュメンタリー映画を撮っている常田高志監督にお会いしたのが始まりです。

 2017年2月18日、山梨大学医学部キャンパス大講堂で開催された「第4回山梨ダウン症フォーラム」の講演に招かれて、「子供のお腹を圧す」ことを映像化し、当日、参加した皆さんに見せることになりました。
 これを撮ってくださったのが常田高志監督でした。それが縁で今回のDVD作成という流れになったのです。 

 鈴木先生は浪越徳治郎先生の技術をみごとに継承された方で、指圧における私の師匠です。先生の賛同も得て、基本指圧の全てを映像化するために、私の治療院2階で常田監督にお願いして撮影しました。撮影は、皆さんの都合のいい日と決め、3月から8月まで5回行いました。
 鈴木先生は、熱心に出演・指導をしてくださいました。 

 ところが2年前の813日、すでに先生の最後の撮影から9日経っていましたが、先生が急逝されてしまったのです。お会いするごとに痩せ方が異常に進む先生に、私をはじめ周囲の人が病院へ行くことを強く勧めたのですが、いっこうに聞き入れてくれません。
 この朝、やっと私が付き添って病院へ行くことになっていたのです。先生のお弟子さんのSさんも同行することになって、3人で病院の最寄り駅で待ち合わせました。 

 だが案じた通り、待てども先生は現れません。電話もつながらない。やむなくSさんを駅に残し、先生がおられるはずの江戸川橋指圧センターに向かいました。
 指圧センターはこの日お休みです。中へ入っても先生の姿がありません。控室を覗いた私は、心臓が止まるほど驚きました。先生はおられるのですが、すでに息がないのです。さっそく119番とSさんに電話しました。 

 私が第一発見者です。電話で救急車が到着するまで心臓マッサージをするように言われ、震える手で必死に行ったことを憶えています。その時は、今思っても経験したことがないほど動転していたのですが、気持ちと裏腹に「こんな時はしっかりしなければ」と、冷静な自分を不思議に感じながら対処しました。
 この日は、経験のないほど長い長い一日になりました。

 ブログも一周忌が終われば再開しようと思っていたのですが、喪失感が強く、書く気になれませんでした。
 年号も令和になり「指圧の教科書基本指圧」のDVDもでき上がったので、これをきっかけに、またブログを書きたいと思います。よろしくお願いします。 

 先生が亡くなられてまた暑い夏、三周忌が巡ってきました。思えば早かったのか、遅いのか、時間の経過がわからない日々です。これから少しずつブログも投稿していきたいと思っています。よろしくお願いします。


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5月20日午後3時半から総会、前もって2時から月例練習会を

2018年04月27日 | お知らせ

  520日、午後2時から月例練習会、そのあと330分から平成30年度通常総会を、いずれも成増アクトホール和室で開催します。浪越指圧「奥の近道ブログ」(基本指圧研究会)に掲載した行事予定では、練習会は午後130分からと発表、総会には触れていませんでした。

 しかし総会は会員によって構成される会議で、法人の最高の意思決定機関です。またとない意志表明のチャンスでもあります。会員はこの機会を逸することがないよう、ぜひ参加したいものです。

  520日  午後2時から    月例練習会
        午後330分から  平成30年度総会
       会場は成増アクトホール和室です。


ある月の練習会風景(成増アクトホール)


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