春の日のベンチにすわるわがめぐり首のちからで鳩は歩くを
てのひらに貰いしお釣り冬の手にうつくしき菊咲きていたりき
お魚のように降るはな 一生の春夏秋を遊びつかれて
諍いのさなか機械音のごとく鳴る猫の声あり夜窓のむこう
なきがらの虫は地面に落ちていてひとつひとつが夭折なりき
なんという日々の小ささ抱擁をあるいは生の限界として
つややかに人体模型立ちており手触るる日々を秋の冷たさ
五島くんのシャツの袖口に飛び込みし鮭のかけらの行方しられず
夜の窓に百花みだれてこまやかなる地獄絵図降るゆめのさなかに
鳥瞰は胸にひろがる酸味とも町並みにこわれものの雪ふる
第一歌集。
繊細な描写と感覚に基づく世界観のうつくしさが光る歌が素敵です。
<14/2/26,27>
てのひらに貰いしお釣り冬の手にうつくしき菊咲きていたりき
お魚のように降るはな 一生の春夏秋を遊びつかれて
諍いのさなか機械音のごとく鳴る猫の声あり夜窓のむこう
なきがらの虫は地面に落ちていてひとつひとつが夭折なりき
なんという日々の小ささ抱擁をあるいは生の限界として
つややかに人体模型立ちており手触るる日々を秋の冷たさ
五島くんのシャツの袖口に飛び込みし鮭のかけらの行方しられず
夜の窓に百花みだれてこまやかなる地獄絵図降るゆめのさなかに
鳥瞰は胸にひろがる酸味とも町並みにこわれものの雪ふる
第一歌集。
繊細な描写と感覚に基づく世界観のうつくしさが光る歌が素敵です。
<14/2/26,27>