人間が処理する情報のうち、実に90%が目から入ってくる映像によってまかなわれているらしいです。視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚の5感と言っても、実際には視覚が9割で残りの一割を残りで分け合っているわけで、まず”見た目”を重視するというのは仕方ないところです。
そんなわけで、リビングに置くAVシステムは、どうしてもテレビ(もしくはプロジェクタ)が中心になって構成されがち。つまり、音響は二番目です。テレビとレコーダーをそろえたけれど、スピーカーはテレビのものをそのまま使うなんてことは、むしろスタンダードな使い方と言えるでしょう。
しかし、普通のバラエティやニュース番組では特に恩恵を感じない音響設備も、映画やドラマ、ドキュメンタリーと言った映像作品やゲームになると話は別。サラウンド効果を発揮できる音響システムを組んだ場合、その臨場感はテレビスピーカーとは歴然とした開きがあります。つまり、映画やゲームと言ったテレビ以外の用途にも活用していきたい場合、音響システムは「あったほうがいい」と言えます。
ただ、実際に導入を使用としたときに、大きな障害となるのが配線と設置スペース。特に5.1chや7.1chとなると、リアまでスピーカーを配線しなくてはなりませんので、後付けで導入しようとするとなかなか大変です。フロントの左右2chを追加するだけでも、アンプと接続するケーブル、そしてスピーカーを設置する場所の確保が要りますので、ただテレビを置くだけよりはずいぶんと場所を取ることになります。
そこで便利なのがシアターラック。テレビボードにスピーカーがついている代物です。今週、シャープからAQUOSブランドの新しいシアターラックが登場しました。
「AQUOSオーディオ」<AN-AR510><AN-AR410>を発売 SHARPプレスリリース
両機は、大口径サブウーハーを搭載、サブウーハーとして業界最大の230Wの出力を実現し、シアターサウンドの迫力感を決める重低音を強化したシアターラックシステムです。
また、広いリスニングエリアを実現した新開発の高音質10cmスピーカーや、映画などのセリフが聞き取りやすい3.1chシステムにより、デジタル放送やBDビデオソフトなどの高音質コンテンツを、大迫力サウンドでお楽しみいただけます。
シアターラックの利点は、TVボードの置き換えとなるので、置き場所を確保しなくても良いこと。そして、スピーカーとアンプが埋め込みとなっているので追加投資が無く、配線の面倒も無いことが挙げられます。それでいて、テレビ付属のスピーカーとは径やクオリティが全く違うため、映画などでは導入効果をしっかりと感じることができるでしょう。
また、PS3やXBOX360など、ジュークボックスとしても使えるコンシューマーハードが増えてきたことから、ミニコンポのリプレース品として考えてみるもの面白いと思います。
問題は、スピーカーやアンプが入っている分、収納スペースが犠牲になっている点。レコーダーの他にゲーム機やプレイヤーを置きたい場合は注意が必要です。
今回はAQUOSでしたが、ソニーやパナソニックも同様の製品を出しており、それぞれ同じ会社の製品を組み合わせることで、最大の効果を発揮できるようになっている様です。フルHDのテレビを買ったなら、お手軽に導入できるこれらの製品を併せて検討してみても良いんじゃないでしょうか。
・・・もっとも、個人的なおすすめは、やはりアンプとスピーカーを別に用意すること。今回のネタ元のAQUOSオーディオも10万くらいしますので、スペースさえ許すならそっちの方が良いかな、って思います。好みにあったスピーカーを選べますし、セッティングの自由度も高くなりますからね。CDプレイヤーを別に用意すれば、システムコンポとしてそのまま通用しますし。・・・そういう事をやりたくない人の製品だと言うことは重々承知の上ですが、一応、参考までに。