Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

「ちょっとくらい収入減ってもいい」・・・とauは言った

2011-03-02 19:31:31 | Thinkings

 今のご時世、こんな事を臆面も無く言えるのは、大富豪かNPOか・・・とてもじゃないですが、常に設備投資に管理運営を必要とするインフラサプライヤー、具体的には「携帯キャリア」の言うこととは思えませんが・・・

「ちょっとくらい収入減ってもいい」──テザリング解禁に込めるauの「ワクワク感」 ITmedia

「auのユーザーにワクワク感を伝えたいので、ちょっとくらい収入が減ってもいい」

 これはWiMAXの導入とテザリング解禁に伴って行われた会見で、これによって3Gが中心だったデータ利用スタイルにも変化が生じ、結果的にユーザー一人当たりの収入が減ってしまう可能性がある事を受けた発言になります。

 「ユーザーにワクワク感」つまり、「auならデータ通信の自由度が広がる」という新しい選択肢を提供する・・・という表向きの理由だけでなく、これにはソフトバンクも苦慮している「3Gのデータトラフィックをどう制御するか」という点に行き着くのではないかと思います。

 ソフトバンクの場合、Wi-Fiルータをプレゼントするというキャンペーンや、フェムトセルのアクセスポイント設置を進めることで、iPhoneを初めとするスマートフォンの莫大なトラフィックを「固定ブロードバンドへ逃がす」という施策を積極的にとってきました。今回のauの方針としては、固定ブロードバンドではなく「WiMAXへ逃がす」と言うこと何ではないでしょうか。

 3Gのデータトラフィックについては、帯域に比較的余裕のある固定回線に比べ、常々その帯域の細さが問題になっています。かつての「音声とメールのみ」に比べてスマートフォンの扱うパケット通信量はきわめて膨大です。各通信キャリアにとって、音声通話を高品質に維持しながら、跳ね上がるデータトラフィックに対応できるようインフラ整備を進めていくというのは実に頭と財布に痛い問題なのです。

 WiMAXが3G回線の負担を減らしてくれるなら、「ちょっとくらい収入が減ってもいい」と言う事なんでしょうね。
 ちょっと怖い未来として、それらの代替措置が十分に整った時、3Gのデータ通信費が高くなる、なんてことも考えられないか?とも思ったりしましたが。果たして、残る巨人であるDOCOMOは、どういう施策を見せてくれるのでしょうか?

 ・・・まさかLTEだけって事はないですからね。