液晶。腕時計や電卓、ディスプレイまで「表示する」用途にモリモリ使われている工業材料ですが、そのような用途以外にも使い道がある事をご存じですか?例えば、スイッチを入れると一瞬で曇りガラスになる窓ガラスとか、シャッター式3Dメガネのレンズ部分であるとか・・・光を遮断する用途にも使われています。
液晶は、電圧をかけることによって分子の並び方が変わり、光学的性質が変わる・・・透明だった物が不透明になったり、屈折率が変わったり・・・という性質を持っています。液晶ディスプレイも、電圧をかけることで光を通す・遮断するという性質を一画素ずつ制御して、動画や静止画を表示しているのです。
その性質を使って、身近にある物をもっと便利にしたらどうなったか?と言う事で、焦点距離を自動で切り替える「遠近両用メガネ」がCESで発表されました。
【CES】21世紀の遠近両用めがねに感動! ポイントは液晶レンズ GIZMODO
遠近両用レンズも累進多焦点レンズも違和感があって慣れるまでに時間がかかりますよね?
でも、そんな悩みをPixelOpicsが解消してくれたんです。古いテクノロジーじゃなく21世紀っぽいアプローチで。
彼らが開発したのは液晶レンズ。遠くを見る時、近くを見る時、いずれの場合でも必要に応じて、ほんの一瞬で焦点を合わせてくれちゃうんです。
私は幸いにもメガネやコンタクトレンズのお世話にならずに過ごせていますが、来る老眼の時のことを考えると、このメガネは実に有用だと思いました。そうでなくても、普段は近視用の普通メガネで、本を読むときだけは一瞬で遠視モードに切り替えられるというのは本当にすごいです。たまに、自分の目のオートフォーカスの調子が悪いときがあるので、タッチセンサーを触るくらいの手間は余裕で許せる気がします。
ところで、かつて見たメガネの記事の中で、こんなアナログな製品がありました。
自分で度数を調整できる“液体レンズ”のメガネが登場! ROCKET NEWS24
レンズが液体で作られており、その量によって度数を調整できる。同教授によると、発展途上国にはメガネを必要としているにも関わらず、持てない人が10億人もいるそうで、「このメガネを使えば約8割の人が視力を矯正できる」という。
使い方は、ガラスではなく透明樹脂の枠の間に液体が入っており、フレームに付けられた注射器で液体の圧力を調節、レンズの膨らみ具合を変えて度を調節できるという、デジタルのかけらも無いものです。
・・・ですが、安価で調整もしやすいこのメガネこそ、今すぐに世界に普及して欲しいメガネだと思うんです。あれから続報が聞こえてこないけど、プロジェクトはどうなっているんでしょうね?