Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

たいして新しくもない「新しい音楽フォーマット」Playbutton

2011-01-03 23:59:59 | Digital Devices

音楽というのは、文章や絵画のように紙で保存することは(再現性等が)難しく、何らかの事件や現象、教えなどのように口伝で伝えるのにも限界があります。そんなわけで、ここ100年くらいは様々なメディアに格納する形で市場流通してきました。

ここ数年くらいでフラッシュメモリの価格がこなれてきまして、シリコンオーディオが大学のセンター試験でも使われるくらいまで普及しましたが、その当たりから幾度となく出てきているアイデアが、「フラッシュメモリでの楽曲提供」です。今回紹介するのも正にそれですが、提供元が「新しい音楽フォーマット」と言っているものですから・・・

身につける音楽アルバム Playbutton engadget

PlayButtonは再生と曲送り、ボリューム操作しかできない音楽プレーヤーです。ディスプレイもなければ、シャッフル操作も不可。おまけに曲の入れ替えもできません。iPod shuffleと対抗できそうな製品には見えませんが、PlayButton社の創業者であるNick Dangerfield氏に言わせれば、これは「CDが嫌になった」が、デジタルミュージックには「十分は満足できない」という人々のために作られた、新しい音楽フォーマットだとのこと。

簡単に言えば、再利用不可のインスタントミュージックプレイヤーです。

たとえば愛するバンドのライブに行って、アルバムがこの形状で限定販売されていたら、思わず買ってしまう方は多いのではないでしょうか。

というような、「買ってすぐ聞きたい」という需要に応える、再利用不可の「アルバム」とのこと。

つまり、音楽にもとうとう「使い捨て」という概念が持ち込んだ、ということでしょうか。シャッフルも出来ないし、アルバム一枚分しか一度に持ち歩けないシンプルな使用なので、それこそファンアイテム以外には使い道が思いつきません。

ライブ会場から帰るときの余韻を楽しむとか、旅先でどうしても聞きたくなったという需要はもちろんあるでしょうが、CD等と違って利用シーンが限られるにもかかわらず、30ドルという価格はちょっときついかと思います。というのも、洋楽のアルバムは15ドルから20ドル程度がバリューラインですから、CDに比べても価格がずいぶんと高くなってしまうのです。

このような系統の商品は、これまでにも幾度となく市場に現れるか、発表だけされて消えてきましたが、今回もそうなりそうな予感がぷんぷんしますが・・・ライブ会場でのファンアイテムという需要に絞ってマーケティングをかけるなら、あるいは成功するかも知れませんね。