Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

最後に勝つのはFlash?

2011-01-17 22:29:28 | Thinkings

GoogleがWebMを推進するために、ChromeからH.264のサポートを外すと宣言してから三日たちました。ご存じの通り、たぶんGoogleの予想に反し、大きな反響が未だに続いているほどの波紋を投げかけることになってしまいました。

問題がここまで大きくなった要因としては、

・HTML 5のビデオコーデックの標準化を目指すと言うが、H.264の方が、WebMよりもずっと普及していること
・H.264にはライセンス料がかかるというが、オープンソースであるWebMの著作権問題がフリーだとは限らないこと
・オープンなイノベーションを勧めると言うが、Flashについては黙認しているダブルスタンダードを取っていること

と、大まかに言えばこの三点について、WebMをあえて選択する明確な理由が、「その方がGoogleにとって都合が良いから」以外に見当たらないことが言えるのではないでしょうか。

Googleは、さらにこの計画を進めるため、IE及びSafari向けにWebMのプラグインをリリースする事を発表しました。

ただ、チョット待って下さい。Chromeが排除するのはHTMLのタグでの対応のみです。

前述の通り、HTML 5での標準ビデオコーデック・・・要するに「タグでHTMLに直接埋め込んだビデオのフォーマットを何にするか」は、各ブラウザパブリッシャーの思惑が複雑に交差した結果、まだ決まっていません。その有力候補として、H.264とWebMがあるという状況なのです。
このような状況下において、それらのブラウザでサービスを提供する側としては、それぞれのブラウザを判別してH.264とWebMの両方のフォーマットを用意するなど、余計なコストをかけるよりも、どうせプラグインを要求するならば、安定して普及しているFlashやSilverlightを使った方が良いと考えるのは自然です。

変な話、今後Chromeの普及率が上がってくることで、H.264側(MS・・・は分からないけれどAppleはWebMを採用ないと以前表明済み)との対立の構図はより鮮明となり、Webサービスのベンダーはますますを敬遠する可能性もあると思ってます。となると、Flashがそのままディファクトスタンダードの地位を守る事になる可能性も十分にあると言うこと。H.264の「高額」と言われているライセンス料もAdobeだけが負担すればいいわけですしね。

最後はYouTubeのシェアを盾に、GoogleがWebMをごり押ししてくる可能性も捨てきれませんが、しばらくは「の停滞」という状況が進むんじゃないでしょうか。最終的にどこが勝つか(どっちが折れるか)は分からないですけどね。