ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『LONELY MEN』 島田荘司

2013-05-10 21:05:03 | 邦楽

日本のミステリー界の大御所島田荘司先生の作家デビュー前に出した音楽アルバム。コレクション的な感じで購入したため中身にはあまり期待していなかったのだが、今では大好きな1枚となっている。セカンドアルバムが出ていないのが実に惜しい。
作詞・作曲、アレンジ、ジャケット、ギター、、メロトロンを自ら手掛ける多才っぷり。後に作家としてデビューするだけあって歌詞はやはり一味違うかなという印象。小説の中でも音楽に関する描写はちょくちょく出てくる(ジャズやビートルズなど)し、ギター片手にインタビューを受けていたりと音楽も結構好きなよう。

全体的な印象はフォークっぽく泥臭くもあり、都会的で大人なっぽさ、また文学作品のような描写と色々な面をうかがうことがえきる。でも言葉のチョイスはすごくシンプルで気取ったようなところは全然ない。先生の率直な気持ちが前面に出ているのだが、独りよがりにはなっておらず誰でも共感することができる、そんなような詞ではないかと思う。曲も王道的なロックサウンドで私の好み。ギターも上手だな。クレジットを見るとゲストでブレッド&バターがコーラスで参加しているではないか。

「君は最高」
どうでもいいみたいな毎日さ
けれど一つだけは気に入ってる
君が僕のモノでいるってこと
こいつは最高さ 君を抱くと
君は最高 君は最高
すわりごごちのいい イスみたいに落ち着く

この「すわりごごちのいい イスみたいに落ち着く」という部分がとても気に入ってしまった。こういう表現する人は他になかなかいないのではないか。

もう一曲
「地下鉄のカベに」
いつかは旅立とうと
決めたことも忘れたよ
あこがれの東京は
地下鉄のカベに読めるばかり

アルバムのラストを締めるにふさわしいナンバー。とてもいい余韻を残してくれる。

一度サイン会に参加して先生と個室で一対一でお話ししたことがあったが、ものすごく緊張した。一人一人に時間はかかっても丁寧に応対してくれてうれしかった。20分近く話していたけど大御所でそんなサイン会開く人なんてほとんどいないぞ。


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