ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『ミンボーの女』

2017-10-29 20:14:51 | 邦画
『マルサの女』が面白かったから続けてみたけど、これまた面白かった。マルサ同様にしっかりとストーリーでありながら、キャラクターを活かしつつコミカルに描いている。2時間という限りある時間の中で、キャラクターの成長もハッキリと感じる。最初はものすごく情けなかったのに。
ただ、ヤクザがいかにもなわかりやすいヤクザでなんだか終始うるさかったな。まあ、わざとそういうステレオタイプなヤクザにしているのだろうけ

やっぱりこういう痛快な勧善懲悪は面白いね。安心して観ていられる。それでいながら「なるほど」というところもある。

『マルサの女』

2017-10-28 22:11:12 | 邦画
伊丹映画は過去に2本観たことがあった。面白いことは面白いのだけど、なんだか妙に嫌らしいセクシャルな描写が好きではなかった。故に彼のことも変態監督と勝手にイメージしていた。

この度この名作をやっと観たけど、面白いね。初っ端から女性の裸がでてきて「うわっ」と思ったが、そんなの途中から忘れてしまったよ。
この人の映画の何がいいって、起承転結が非常にはっきりしていること。よくわからないうちに始まって、よくわからないまま終わってしまう映画も少なくない中、こういう当り前のことができるって大事だよ。また、ストーリーも「マルサ」という馴染みもなく、小難しそうな題材をわかりやすく、かつ軽妙に描けるのは大したもんだ。勧善懲悪的なところもあって、なんだか『半沢直樹』にも通ずるところがある気がする。

津川雅彦はイヤらしいおじさんって感じであまり好きではない俳優であったが、この映画では真面目な感じで好印象だったな。昔の映画観ていると、あの俳優は若い頃こんなだったのかと知ることができて面白いね。

『3-4X10月』

2017-10-28 22:09:22 | 邦画
約5年前の早稲田松竹の武映画3本立ての1作目で人生初の武体験をした映画だ。

武なんて芸人として大物だから監督としてもちやほやされているだけだろ。恥ずかしながらそんなイメージを北野武監督に抱いていたが、この映画を観てそんな馬鹿な考えは吹き飛んだ。乾いた雰囲気が全編に漂っていながらところどころに入るナチュラルギャグ、日常と非日常、現実と幻想が入り混じったようなストーリーと映像。こんな映画を芸人が撮れるのかと衝撃だった。今にして思えば芸人だから、ビートたけしだからこそ撮れた映画なのだろう。

観た直後は上記のような感想を抱いて、今になって再見したが、これはヤクザ映画と見せかけて北野武が撮った長尺コントなのだなと思った。もう観ている人を笑わせようとしているとしか思えない。
途中、ダンカンのカラオケをバックにたけしがチンピラの頭をビール瓶で殴るシーンがあるけど、あのシーンは自分の中では好きね映画シーンベスト3に入るシーン。動画サイトにその部分だけあるから今でも時々観てしまう。おもむろに立ち上がり無言で殴る、キレるチンピラ、殴って収める渡嘉敷の流れが短いシーンながら起承転結が4コマ漫画のように展開している。また、それを2度繰り返すところと、たけしのやるせない表情に心ときめいた。他にも好きなシーンはたくさんあるけど、ここは非常に印象深かった。

今回観て残念だなと思ってしまったのは上原というキャラクター。ヤクザなはずなのにところどころにビートたけしが垣間見えてしまったのは残念だったな。上原というキャラクターがよくわからない。

『その男、凶暴につき』

2017-10-28 22:08:00 | 邦画
アウトレイジを観たら過去の武の作品も観たくなってしまったので原点に帰るつもりで一作目にチャレンジ。

この映画を初めて見たときはものすごくショッキングだったな。こんなバイオレンス映画が邦画にあるのかと。たけしが若いとか役柄がどうこうということ以前に、凄みというか迫力がものすごいね。ライバルの白竜もおっかないのだけれど。

あらためて観るとその後の作品の様な洗練さはないのだけれど、全編に漂う緊張感は半端ない。魅入ってしまって息するのも忘れてしまいそうになる。その後の武映画を含めてもこの映画は非常に異質だ。ラストのショッキングさもそうだが、暴力の「恐怖」と「不快」を「面白さ」に昇華したその手腕は大したものだ。

この映画がヒットしたのは観た誰もが映画の中のたけしに憧れたからなのかもしれない。そんなこともちょっと思った。

『アウトレイジ 最終章』

2017-10-28 22:07:33 | 邦画
これで最終章かと思うと寂しいな。名残惜しくはあるけれど、シリーズで一番の作品だった。

単純なバイオレンスシーンだけで言えば過去の作品よりはボリュームは減っているかもしれない。が、それを補って余りあるほどのドラマが面白い。また、この作品主要な登場人物が多く、それぞれに目的があって行動しているにもかかわらず、ストーリーがわからないというところがないのが非常に優秀。
キャストに関しては今回『凶悪』でしびれる演技を魅せてくれたピエールが出演しているのが非常に楽しみであった。予告を見る限りでも期待できそうな感じであったし。実際に観るとガッツリの悪というよりは小物臭さのあふれるキャラクターであった。銃突きつけられた時のリアクションも好きだし、花火のシーンも面白かったね。そんな瀧も魅力はあったし、その瀧を飼いならす西田敏行の大物感がより大きく見えてたな。あ、西田と塩見は前作に比べると随分と痩せてしまったが、その迫力は健在。もう、西田とたけしが対峙するシーンは興奮したね。屋上のシーンでただ、最終的に西田が生き残ってしまったのは面白くないな。ぜひとも彼の死に様は観たかった。あと、たけしにはぜひとも瀧に「200万円払えこの野郎」と言ってほしかったな。

近頃たけしの滑舌が悪いと言われてしまっているが、今回はいつもよりもひどかったように思える。一番?大事なキャンプするシーンも劇場では「ジャンプ」に聴こえてなんのこっちゃと思っていた。
しかしながら今回のたけしの遊撃手の様な立ち回りは凄い好きだな。花菱に山王会の面々殺し渡るシーンは快感の連続。大森南朋も好きな俳優ではないけれど、今作の役どころは好きだな。

海で釣りするシーン、パーティー会場で乱射するシーン、そして最後の自殺があって武映画の集大成のようにも感じたな。観た直後にも関わらずもう一度観たいと思えるような作品であった。