ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

「この新しい朝に」 浜田省吾

2021-03-13 11:00:47 | 邦楽
この新曲の情報が入ったのが3日前の3月10日のこと。先日届いた会報にも一切情報はなく寝耳に水であった。おまけに配信のみということでアナログ派が多い(であろう)浜田省吾ファンには戸惑いしかなかった。
私自身も音楽を配信で購入するのは初めてのこと。明け方にポチッと買えるのは便利だが、やはり形に残らないのは物足りない。もし、CDでも発売されたら買い直すつもり。

久しぶりの新曲ということでワクワクする気持ちで再生したが、う〜んという感じ。悪い曲ではないのだけどハマショー感が足りない。メロディーラインは浜田省吾なんだけど随分と爽やかなサウンド。ミュージックステーションで誰かが歌っていても違和感はない。
ただ、逆に言えば誰でも聴ける曲でもあるという。歌詞から察するに、このコロナ禍で生きる人への応援ソングという風に受け取ることができる。だからあえてハマショーテイストが薄いのかもしれない。

この長い坂道の向こうに広がる未来はまだ まだ見えないけど
この長い坂道の向こうに広がる世界はまだ見えてはこないけど
長い坂道の上に広がる空は高く青く深く強く凛と輝いてる



全然関係ないけどクノールの豆スープのCMが「Money」を意識しているとしか思えない。

『MANIJU』 佐野元春

2017-08-05 21:09:20 | 邦楽


先行で「純恋」が配信されていたけど、佐野君髪をバッサリ切っていたね。ポール・ウェラーみたいでカッコいいけど、曲の方は?だった。
それでも聴きこめば良さがわかるだろうと、発売してからずっと聴いていたが、今作は佐野元春で一番の駄作と決定した。

まず、一番に言いたいのは「詞」について。曲のタイトルだけ見ても佐野元春っぽさは皆無。自分は佐野元春はサウンドが好きで詞はに対しては思い入れはそんなにない。それでもときたま心にささるフレーズはある。今作は「詞」というよりは「詩」である。ただ、それっぽい単語を並べているけど、頭に、心に染み入ってこない。
また、サウンドもパッとしない。コヨーテバンドの演奏を否定したくはないけど、佐野元春にとって彼らのギターサウンドは若すぎる。キャッチ―さも口ずさみたくなる曲もないうえにサウンドが詞を、詞がサウンドを限定しているような感じ。もっと自由に肩の力を抜いてくださいって言いたくなる。

好きなミュージシャンだからなんとかいいとこ見つけようと頑張ってはみたけど、今作はホントにダメ。思わず口直しに過去の音源や映像を振り返ってしまったよ。『COYOTE』や『ZOOEY』で新たな境地に入って期待していたのだけど、次作を買うのも怖くなる。

ところでタイトルの「マニジュ」ってどういう意味でしょうか。

「パーキング・メーターに気をつけろ!」 浜田省吾

2016-01-27 19:30:30 | 邦楽
1982年に発表された『PROMISED LAND~約束の地』に収録された曲。タイアップなんてされていなければシングルカットもされない、ベストアルバムにも入っていない、ライブでも演奏されないマイナー曲。でも好きな曲だしファンにとってはある意味おなじみの曲かもしれない。この曲を知っているかどうかでファン度を問えると勝手に考えている。

なんで突然この曲を話題に挙げたかというとタイトルの意味について考えたかったから。歌詞の内容から考えると非常に意味深にとれることができる。歌詞はハードかつへヴィーな片想いのことを歌っており、タイムリミット的なことを意味しているのかなと考えられる。個人的には映画好きな浜田省吾のことだからパーキング・メーターを壊して収監されるポール・ニューマン主演の映画『暴力脱獄』からヒントを得たのかなと思った。
ところが今日なんとなくディランの「Subterranean Homesick Blues」の歌詞を眺めていたらWatch the parkin' metersというフレーズがあった。浜田省吾がディラン好きなことを考えるとどう考えてもこれしかないじゃん。あれこれ考えていたのがバカみたい。でもきっと、歌詞を作って、あれこれ考えてからこのタイトルをつけたのではないのかなと思う。

ちなみにこの曲は未発表曲の「流れ者」が下敷きになっているとか姉妹作品だとかいう意見もあるようだ。確かにあれもハードな曲でなんとなく通ずるところがある。


どうかあの娘を助けて
俺のナイフがあの娘の背に
わからないわからない
愛していたそれだけさ

『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』 浜田省吾

2015-05-17 21:54:41 | 邦楽

前作『My First Love』から10年ぶりの新譜である。2005年の作品を最新作と言われ続けた浜田省吾ファンは悶々とした日々を送っていただろうが、私もその一人である。まあ、私がファンになったのは2008年あたりだったけど。

10年待たせただけあって収録曲は全17曲というボリューム。当初は2枚組の予定だったらしいが、そうしなかったのは正解だろう。
1曲目の「光の糸」は先行発表された曲だが、PVも含め2000年代以降の浜田省吾を象徴するかのようなロックナンバーでアルバムへの期待が高まる。
2曲目のタイトルトラックでもある「旅するソングライター」は恐らく今後のライブでも定番になるのではないかと予想させるようなナンバーだ。アンコールで演奏される姿が目に浮かぶ。若いころは自分探し、老いた今は自分忘れの旅と述べているが、若いでもはどちらかというと後者な気がするな。
「ハッピー・バースデイソング」と「恋する気分」は以前に発表された曲だが、そのときとはアレンジが異なっている。イマイチ耳にしっくりこないアレンジでがっかりだったが、ボーナスディスクに収録されている方は以前発表されたものに近いアレンジで気に入っている。
このアルバムの核ともいえる曲がラストの4曲である。組曲となっている「アジアの風 青空 祈り」は当初はアルバムから外す予定だったそうだが周りの勧めで収録することになったらしい。それまでは『青空の扉』のような作風で明るいポップなナンバーが続いていたのにこのラストはメッセージ性の強い思い曲である。いい曲、重要な曲ではあるけれでは正直言って浮いている。無理に入れないで13曲目の「永遠のワルツで」終わらせて次回作に回してもよかったのではとも思わないこともない。

秋から始まるツアーでは今作の曲は全て演奏するそうだが、かなり楽しみである。還暦過ぎてもまだまだ我々ファンを素敵な旅に誘ってくれるとは嬉しいものだ。でもまだ終着点にはたどり着きたくないな。

「植物ホルモンのうた」

2015-01-30 23:30:41 | 邦楽
青いリンゴに 唇を
寄せりゃ まっかに ほほ染める
あんた ほんまに エッチやなぁ
エッチ エチレン 火がもえる
もえて色づく ふじつがる
エッチ エチレン 今が旬
熟れて 熟れて食べごろ メロンにバナナ

夜はしんしん 雪しんしん
アブシシン酸 サンドマン
ねむりをさそう 夢の精
みんなおやすみ 目をとじて
気孔もとじてしまいましょう
アブシシン酸 夢の精
種も 種もしばらく しずかにねむれ

いつまで寝とっと 起きんしゃい
寝る子は育つと いうけれど
朝寝も過ぎれば 背も伸びん
オーキシンとて 同じこと
細胞壁をゆるませて
大きく伸長 させるけど
濃度 濃度こすぎりゃ 伸びさえ止まる

サイトカイニン 細胞を
盛んに分裂 させるから
茎は太るし 葉も繁る
青々として 繁った葉
気孔をみんな 開いてる
青々として 繁った葉
若さ 若さあふれて 老いなどみえぬ

ばかに大きく なる稲に
カビが生えてた ジベレラ
それからとられた ジベレリン
種なしブドウを 食べるたび
黒沢 薮田 住木らの
努力のあとが しのばれる
日本科学の成果 豊かなみのり


1番から植物ホルモンのエチレン、アブシシン酸、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリンのことを歌っている。今日の授業でこの歌を聴いてなんじゃこれはと軽く衝撃を受けた。歌で覚えるというのはよくある勉強法だけど何とも言えぬ歌詞とメロディー、ボーカルにビックリ。ただ他の学生を見ても比較的真顔で喜んでいるのは自分だけであったよう。

一体この歌を作って歌っているのは何者だと調べたら本川達雄という東工大の教授で「歌う生物学者」と言われているそうで。
出だしの部分はきっと「リンゴの唄」から取ってるんだろうな。2番の「サンドマン」と言うのはどういう意味なのだろうか。気になる。