ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『リバー・ランズ・スルー・イット』

2020-12-27 21:32:27 | 洋画
15年ぶりくらいに観た映画。久々に観たわけだが、自分の思い出の中で美化しすぎたかなというところはある。

もちろんいい映画であることは間違いない。自然の風景の中で舞う釣り糸が美しい。ただ、ドラマ的に面白いかと言われると微妙。描かれる自然が美しいだけに、人間同士のやり取りが見苦しく感じてしまう。

もうちょい中身がない作品でいいなと思うのは私の感性が鈍ってしまったからかな。悔しい。

『デッド・プール』

2020-12-27 21:32:05 | 洋画
一風変わったヒーローでそこらのアメコミ作品とは違うというイメージを持っていたので、アメコミ嫌いの私でもそこそこ期待しながら鑑賞してみた。

ところがあんまり面白くないというのが素直な感想。確かにコミカルなシーンは多く、デッドプールのキャラも立っているのだが、ギャグの寒いこと寒いこと。また私が一番嫌いなメタなセリフが多いのも大いにマイナス。このふざけっぷりは好き嫌い分かれそう。

途中主人公が殴り掛かって「カナダかよ」と言うセリフがあるが、意味不明である。ググると解説してくれている人がいるが、もうちょいこの字幕なんとかならないかね。確かに難しいとは思うけどさ。

『AWAKE』

2020-12-26 23:04:16 | 邦画
今に始まったことではないけど、映画館で映画を観ることではなく、映画館に行くこと自体が目的になっている。動画配信サービスが充実してきている今日ではあるが、映画館で映画を観る文化はきっとなくならないだろうな。

そんなわけで街へ行ったら自然と映画館に足を運んでしまった。丁度やっているのがこの映画だけであった。全然知らない映画だが、タイトルからしてスカした雰囲気があったからあんまり観たくなかった。観たけどね。

いざ観たら、前言撤回、スカしたなんてとんでもない。熱量たっぷりの素晴らしい映画でした。
棋士になれなかった青年が将棋ソフトの開発をするという映画だが、将棋とプログラミングなんてインドアの極みみたいなものだが、こんなに熱いものだとは知らなかったね。熱量たっぷりとは言ったが、役者がわめいているだけのうるさい映画という意味では決してない。むしろ、役者の演技のトーンはかなり抑えられている。しかしながら、登場人物の情熱はこれでもかというくらいに伝わってくる。
ちなみに私はプログラミングの知識0、将棋は駒の動かし方は知っているというレベルである。

まず、映画のストーリーの構図がいい。棋士になれなかった青年と棋士になった青年の二人の物語だが、棋士をあきらめた時点で本来ならば二人は交わることはない。しかし、将棋のソフト開発をしたことでライバルとして棋士の前に再び現れるという展開は胸熱すぎる。また、二人が歩む道の対比の描写が見事である。
将棋とプログラミングというなじみのないテーマではあるが、展開的には王道を行っていると思う。

この映画の何がいいって、余計な恋愛描写が一切ないということ。これを頭の悪い奴が作ると、棋士の姉を恋人に置き換えたり、主人公が先輩の妹と恋仲になったりするんだろうが、そんなことせず二人の青年のストイックさをきっちり描いている。

今年最後の劇場鑑賞映画ではないだろうが、年の瀬にこんなに素晴らしい映画を観られてうれしい。それも必然ではなく隙間時間に映画館に行っただけの偶然の出会いというのもうれしい。

観ている最中、これが実話とか凄いなと感動しっぱなしだったが、いざ調べたら将棋電王戦から着想を得たというだけで、物語自体はフィクションとのこと。だからと言って映画の価値が損なわれることは全くないけどね。

地味にロケ地となった大学はどこなのかなと気になっていたが、群馬大学が舞台らしい。






劇場には実際に吉沢君が着用した衣装が展示してある。確かにダサいなとは思ったが、こんなにはっきり言わんでもと思ってしまう。

『人類遺産』

2020-12-20 23:03:56 | 洋画
こんな映画まで配信しているとはU-NEXT恐れ入る。

私はドキュメンタリー映画は面白い映画である必要はないと考えているが、まさにそんな映画。決して面白い面白くないで語れる映画ではない。ニコラウス・ゲイハルターお得意のBGM、ナレーションを一切排除するスタイルで、ひたすら廃墟を映している。そこには何の説明もないので、その廃墟がどこのどんな場所かすらも一切わからない。が、逆にそれが観る側の想像力を掻き立て、各々の物語を描くことだろう。

映画の初っ端に日本のありふれた駐輪場が映される。雨が降っていて枝木が散乱しているが、廃墟とは思えない。しかし、場所が変わるとそこが福島の浪江町だというのがわかる。現在は状況が変わっているだろうが、日本のありふれた町が廃墟として描かれるのは何とも言えない気分になる。
また、ほかに日本からは軍艦島が取り上げられている。

廃墟なんて人工の遺物に過ぎないのにやたら自然風景に溶け込んでいるのが不思議。廃墟を通り抜ける風の音、反響する鳥のさえずりや羽音がやけに馴染んで美しく思える。
廃墟マニアという人たちがいるそうだが、ちょっとその魅力がわかってしまった。

『ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者』

2020-12-20 22:56:30 | 洋画
予告を観てそのまま「ホラー版『ホーム・アローン』」という触れ込みを信じてしまったが、なんじゃこりゃ。映画を鑑賞した後に再度予告を観てみたが、やっぱり予告と違う…と思ったら「とびきり、いかれた”奴”がやってくる!」と最後にあるではないか。はは~ん、これはうまいことやったもんだ!?

キッズがクリスマスにやってきた悪い奴はバイオレンス描写たっぷりに撃退するのかと思いきや、予想外の展開。「ホーム・インベージョンムービー」という映画ジャンルがあるらしいが、これは「逆ホーム・インベージョンムービー」だ。
ただ、『ホーム・アローン』の名前を出すくらいなら、もう少し機械仕掛けがあってほしかったな。バイオレンス描写自体も比較的マイルド。

冷静に考えると主人公は何がしたいのかよくわからなくなってしまうが、理屈抜きに観ればそれなりに楽しめる。
ぬるいクリスマスにげんなりしているときには、おすすめ。