ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『竜とそばかすの姫』

2021-07-31 20:50:53 | 邦画
前作が底値で、あれ以下のもんは出てくることはないだろうと、たかを括っていたが、びっくりするほどの駄作であった。

ストーリーは『美女と野獣』を下敷きに、『サマーウォーズ』を含めてどっかで観たことあるような要素が色々詰め込んである。ズバリ言うと雰囲気だけで中身も何もない、ご都合主義展開で物語が進んでいく。
キャラクターの掘り下げも深みがない。急に主人公がスターになるのも現実味がないし、竜が強いヒールになるのも適当だなと思える。そもそも何で主人公が竜に関心を持つようになるのかが、納得できるほど描かれていない。
そんで竜の正体も面白みがなく、スケールの小さい物語展開に走ってしまっている。

また、登場人物の一挙一動が過剰なくらいにマンガ的。走る度に転ばせようとしすぎなのよ。

自分としてはかなりガッカリな作品だったが、ネットの評判を見ると高評価の声が多い。ひょっとして自分の感性がついていけていないだけなのかな。

映画を観た後、鰹のたたきが食べたいなと思いつつ、居酒屋に入った。初めて訪れる店だが、そこで刺し盛り頼んだら、カツオのたたきが入っていて驚いた。普通差し盛りにたたきは入らんでしょ。すごい偶然。

『悪の誘惑』 ジェイムズ・ホッグ

2021-07-25 20:53:22 | 
ハードカバーなので図書館で借りようと思ったが、市内の図書館には置いていないので購入した。私の本棚唯一のハードカバー小説となった。
帯には「ゴシック小説の傑作」とあるが、普通に生きていれば触れることのない作品だ。私もスケザネ氏の本棚動画観なければ絶対知らない作品だろう。

いきなり言ってしまうが、めちゃ面白い作品であった。面白すぎて一気に読んで読み終えたの午前3時過ぎであった。
というのも、とにかく物語の行く末が予想できない。物語は3部仕立てで、1部は普通に面白いサスペンス。2部でオカルト的になり、物語の全容が明らかになってくる。そして最終章で…。

ストーリー以外にもこの本の作品のいいところは、ちゃんと人間を描いているところ。オカルト設定に頼りらず、人間関係や、心の隙、弱さのようなものを描いている。タイトルも原題は『The Private Memoirs and Confessions of a Justified Sinner』というピンとこないものだが、邦題はシンプルながら的を射たタイトルだと思っている

色々述べたが、とにかく読んでくれ、買ってくれとしか言いようがない作品。後悔は絶対にしない。

「石ノ森章太郎マンガとアニメ展 アニメージュで見る石ノ森ワールド」 石ノ森萬画館

2021-07-25 20:52:24 | ウルトラマン(特撮)


約5年ぶりに訪れたが、やっぱり楽しいね。萬画勘までは電車で行ったが、駅降りた瞬間から石ノ森ワールドだからファンにはたまらない。もっというと電車が石ノ森ラッピングだから電車に乗った時点で気分が上がる。

私も別に石ノ森作品に明るいわけではないが、同世代よりは全然知っている。それでも展示を観ると知らない作品が多すぎる。ホント手塚と合わせたら一生の趣味にできるレベルだと思う。
企画展は009が多めだったが、私この作品に全然触れていないのよね。そこはホントに恥ずかしいなと思っていて、観なきゃとは常に感じている。

23日に開館20周年を迎え館内にはちょっとお祝いムードがある。期間限定でスタッフが石ノ森キャラクターのコスチュームを着て接客しているが、とても素敵。これだけでも一見の価値あり?

久々の来訪だが、また訪れたくなるワクワクがある。しかし、同時に円谷にもこの手のミュージアムがあったらいいのにと悲しくもなる。











『キャナリー・ロウ』 ジョン・スタインベック

2021-07-24 08:36:51 | 
スタインベックというと『エデンの東』、『二十日鼠と人間』、『怒りの葡萄』という労働者を描いた社会派作家のイメージがある(どれも映画でしか知らないけど)。

この作品はカリフォルニアのモントレーにある缶詰横丁(缶詰工場のある町)を舞台にしている。前述した社会派というには程遠い、ハートフルな作品である。
ストーリーは特に核になるものがあるわけでないが、海洋生物学者を中心に色々なエピソードが繰り広げられる。

物語に登場する人物はまともではないんだけど、暖かい目で見守りたくなる。ドヤ御殿という小屋に住む浮浪者のような男たちは生物学者の先生のことをリスペクトして何とか喜ばそうとするんだけど、どこかずれている。色々ヘマもやらかすのだが、憎めない存在。
そんなもどかしさや、田舎町のほのぼのした雰囲気をじんわりと味わえるのが今作の魅力。

映像化しても面白そうだなと思ったが、映像化しているみたいだね。ただ、実際に観るのは難しそう。

絶版になってしまっているので図書館で借りたのだが、これは手元に置いておきたい作品。復刊希望。