ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

「ベルギー 奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」 Bunkamura ザ・ミュージアム

2017-08-27 22:08:58 | ○○展
ずっと行ってみたい美術館だったけど、機会がなくて行けなかったが。今回ようやく興味のある美術展で行くことができたが、やはり場所柄オサレな雰囲気が周辺に漂っている。

マグリット目当てで行ったわけだが、他の展示もすごく良かった。目玉のボスは初めて知る名前だけど、面白かったね。マグリットはシュルレアリスムなんてい言われているけど、ボスは不条理な童話の様な世界を描いていた。全体的に奇妙ではあるけど、面白い世界を描いていて特徴的な展示であった。
マグリットの9月16日があって「おっ」と思ったが、思いの外小さすぎて笑ってしまった。

「深海2017~最深研究でせまる”生命”と”地球”~」 国立科学博物館

2017-08-27 22:07:02 | ○○展
数年前も観に行ったが、あの時同様混んでいた。空いていると淡い期待もあったが、やはり平日とはいえ夏休みだけあって混み混みであった。

あんまり覚えていないけど、前回の深海展とそんなに大差はなかったと思う。何よりも混んでいてかなり足早に会場を廻ってしまった。珍しい生き物の標本展示もあって楽しそうだったけど、もっとゆっくり見たかったな。





『ブコウスキーの酔いどれ紀行』 チャールズ・ブコウスキー

2017-08-27 22:03:59 | 
チナスキーではなくブコウスキー自身のヨーロッパ旅行のエッセイのような作品。チナスキーでもブコウスキーでも変わらないといえば変わらないのだが、やはり本人だと一味違う。そして何より旅行中の写真が作者のリアルを見せてくれるし、身近なものにしてくれる。

別に特に書くことはなくタイトル通りブコウスキーが旅先でも酔いどれているだけ。毎回言うけど、それがいいんだよな。それでもテレビ番組の出演時や朗読会で狙ったかのように波乱を起こすのはさすがである。

邦題は内容とブコウスキーのキャラクターのわかりやすさをあらわしているが、どうもいただけない。原題は『Shakespeare Never Did this』というユーモアを感じさせる素晴らしいタイトルだ。

『冷血』 トルーマン・カポーティ

2017-08-27 22:03:02 | 
もう10年も経ってしまったが、『カポーティ』の映画でカポーティのこともこの本のことも知った。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技には感動したが、映画自体へ別にという感じであった。それでも小説を手に取ってみたが、退屈で投げ出してしまった。

その後数年経ってホフマンやこの小説の偉大さを知って読みたいとは思っていたが、一度投げ出したのとページ数が多いのとでなかなか手を出せなかったが、読み終えての衝撃はものすごい。自分の中の読史に間違いなく入る作品であった。

何が凄いってこの小説がノンフィクションであること。にもかかわらずまるで作者が現場にいたかのような、もしくは創作であるかのように克明に描かれているのである。作者は取材に取材を重ねて書き上げたようだが、それにしても描写が細かすぎる。もはやカポーティも事件の当事者といっても差し支えないであろう。

本の方はやはり序盤は町や被害者家族の説明の導入的な感じで面白くない。ただ、この退屈な時を過ぎて事件が始まると、ページをめくる手が止まらなくなる。単に事件が起きました、警察が動きます、犯人が捕まりますなんて単純な話ではなく登場人物の「心」にまで入り込んでいる。
加害者が凶悪な犯罪を起こしたことは間違いないし、同情できるものではないが、こうして本で読むと感情を超越したものを感じることができる。

カポーティはこの本の制作を機に作家として、人間として人生を変えてしまったようだ。そう考えるとタイトルの「冷血」により一層深い意味を感じてしまう。