『ダイバージェント』

あらすじだけ読んでもよくわからないが、実際に映画を観てもイマイチ世界観がつかめない。原作はもちろん未読だが、多分これ原作ファンからあまり評判のよくないタイプの映画だと思う。

一応、近未来の感じ、管理された社会なんだなというのはわかるんだが、結局それがどういう意味を成しているのかがわからない。それぞれの共同体は一体何をやっているのか。

一番いけないのは登場人物に魅力を全く感じないこと。あんなにとろそうな主人公がいきなり逞しくなって主人公面されても説得力も何もない。
3部作のようだけど、続編を観ることはまずないだろうな。

『霊幻道士』

昔のキッズたちはきっとこの映画がテレビ放送された翌日にはこぞってキョンシーのマネしたんだろうな。そんな光景が容易に想像できる。

キョンシーが登場するものの、アクションやコミカルさはいつもの香港映画。でも、ジャッキーほど動きが豊かではないなとは思う。
また、こういう映画にしては珍しく濃いラブシーンが盛り込まれている。相手は幽霊だけど。というか、キョンシー映画にあの幽霊云々の件は必要なのかね。

面白いと言えば面白いのだが、どうもカルト臭さが否めない。なんでこんなに誰もが知る映画になったのか。

『ＯＮＣＥ ダブリンの街角で』

『セッション』に引き続いてこれまた評判の音楽映画を観てしまった。これも前から観たかったんだよね。

『セッション』と比べるのも意味ないことだが、いろんな形の音楽があるもんだな。随分とハートフル…というか女々しいな。
評判はいいみたいだけど、自分には合わなかった。映画を見せるっていうよりも、音楽を聞かせたいんじゃないのかなっていう。なんだかMVを見せられているような気がするんだ。
ただ、掃除機持って街歩く姿はなんだか愛らしくて好き。

一番ダメなのは映像。インディーズ感丸出し、手振れありの一番嫌いなパターンだ。後主役の男のひげ面も気に食わん。

『セッション』

『ラ・ラ・ランド』は大したことなかったが、この映画は期待していた。色々な賞獲って、評判もいいからずっと観たかった。観る前からかなりハードルが高くなってはいたが、この映画は易々とそのハードルを越えていった。

音楽の映画であって、決して凶悪なテロストも殺人鬼も人食いエイリアンも出てくるわけではない。それなのにどんなアクション映画やホラー映画よりも緊張感がありスリリングだ。人と人とのぶつかり合いをここまで真正面に力強く描けるなんて凄すぎるよ。
先生の方もスパルタを超えた指導で強烈なキャラだが、この主人公もかなりきている。最初はなよなよした一介の生徒に過ぎなかったのが、練習を重ねて自信に満ち溢れていくのがよくわかる。血を流して演奏をする姿はストイックという言葉を超えている。

この強烈なキャラの二人だからこそ、あのような物凄いドラマが生まれたのだから素晴らしい脚本だ。
ラストの演奏が素晴らしいのだけど、すべてはこのシーンのためにあると言っても過言でなかろう。自分を退職に追い込んだ仕返しにステージで恥をかかそうと思ったのが、見事に主人公のペースに持ってかれた。そして最後は一つになって音楽を作り上げるわけだが、結局は音楽に対する情熱は似た者同士だったってことだな。
あのステージの後に二人にどんなやり取りがあるか、想像する余地は十分にあるのだが、あそこでスパッと物語を終わらせたのは大正解で余韻もたっぷりであった。
重ね重ね言うが、ホントに素晴らしい映画で今人に薦めたい映画ナンバーワンである。

タイトルの「セッション」はそれっぽいがなんとなくしっくりこないと思ったら、原題は「WHIPLASH」という。馴染みのない単語だが、「WHIPLASH」という曲は劇中で何度も演奏されているし、この単語の意味は「刺激」とか「鞭撻」という意味でビンゴだなと思った。

あらためて劇中の楽曲聞き直したけど、「Caravan」ってひょっとしてベンチャーズも演奏しているキャラバン？ジャズのスタンダードナンバーだったんだ、知らなかった。

『ＰＡＮ ～ネバーランド、夢のはじまり～』

最近の映画なのにテレビでやるまで全く知らなかった映画だ。おじさんになるともう新しい映画が追いきれなくなって辛いよ。いい映画はじゃんじゃん作られているだけに。

という風に嘆いてみたものの、こんなの話題にならなくて当然だ。だってよくある映画なんだもの。題材が題材だけにキッズは楽しめるかもだけど、おじさんにはキツイな。なんとかいいところ探そうと思ったけど、観た直後から印象が抜けて行ってしまう。
そもそもピーターパンもちゃんと観たことないから、ここからピーターパンにどうつながっていくのかよくわからな。