『スノーシャーク / 悪魔のフカヒレ』

いや〜やらかしてしまった。U-NEXTで知っているサメ映画あるやんと再生したところ別の作品であった。観たかったのは『アイス・ジョーズ』だったのにタイトルが微妙に似ているこの作品と間違えてしまった。まあ、別に全然いいのだけど。

サメ映画に関してはおおらかなつもりではあるが、これはいただけない。映像の質も役者の演技も低レベルのはもちろんだが、サメの描写も誤魔化し誤魔化しだし、酒飲んでるシーンで10分くらい費やすしで全然魅せる気がないのを感じる。愛せる要素が何もないのはポイントが低い。せめて雪の中を這うという設定を活かす何かがあればまた違うのだが。

サメ映画を網羅したいというマニア以外にはお勧めできない。

『シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄』

別に期待していたわけじゃないが、お色気シーンは皆無の映画。これはみんな騙されるでしょ。入浴シーンもあるが、しっかり水着着用。伝説のポルノ女優トレイシー・ローズまで出演していたというのに。

映画は地を這うサメが囚人と看守に襲いかかるというもの。恐ろしいことに地を這うサメなんてのは割とある設定で、目新しさは感じなくなっている。どことなく『トレマーズ』臭も感じられる。
しかし、意外と観られる映画（少数派かもだが）。わざわざ観るほどのものではないが、深夜にやっていたらなんとなく観てしまうレベル。グロもエロも求めていたレベルには全然達していないが。

サメを倒すこともなく、結局正体が一切不明というのは珍しいパターンかも。

『ゼイリブ』

ファンの方には怒られるかもだが、リメイクしたら面白いんじゃないかなと観ながら思っていた。もちろんカーペンターの怪しい雰囲気も好きなのだけど、ちょいと地味で、もっと面白くなるポテンシャルはあるのではないかな。

宇宙人の造形が私がイメージする宇宙人にはほど遠く、「ガイコツやん」って突っ込みたくなるが、これはこれでクセになる。

中盤の喧嘩シーンは無駄に長いなと観ながら感じていたが、そう思うのは私だけでないようで安心した。

『音楽』

公開当時に結構話題になったので気にはなっていた。
てっきり手作り感あふれるインディーズアニメ映画かと思いきや、竹中直人や駒井蓮ちゃんとキャストが豪華だったりロトスコープを用いたりしていて侮れなかったりする。

ヤンキー学生がひょんなことからバンドを始めるというゆるい日常アニメかと思いきや、ものすごいエネルギーに満ちている。70分と実際に上映時間は短いながら、引き込まれて一気に観てしまった。

ベースとギターの違いもわからないヤンキーにあんな凄い演奏ができるなんて…と感動したいところだが、普通に演奏上手くて笑える。出してる音自体は単純だが、初心者は音を出すのだって難しいはず。しかも最後はやたらテクニカルなリコーダーでセッションまでしているからとんでもない。
まあ、そういうツッコミを抜きにしても普通に面白いから全然あり。内容から察するに製作者は結構な音楽好きと観た。その辺りがいい意味で隠しきれていない。

全編に無駄が一切ない脱力感はクセになる人には来るものがある。単純さの奥にある深さを味わうことができる。

『ジャズ大名』

物語は幕末の日本に流れ着いた黒人が大名とジャムセッションする映画。なんというか今まで観た映画とは一味違う。筒井康隆の原作ではあるが、ストーリーなんてあってないようなもの。でも、そこには計算された魅力があるようだから不思議だ。

ラストに大名屋敷総出でセッションしている様はわちゃわちゃしてまとまりがないようでありながら、不思議と一体感を感じる。今まで色んな映画を観てきてはいるが、これだけライブ感を感じる作品も珍しい。和と洋ジャンル、国を超えた音楽の原始を感じることができる。