ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『ノマドランド』

2021-04-29 16:46:42 | 洋画
もとより観るつもりではいたが、オスカー作品賞獲ってしまったね。しかし、今年のオスカーの顔ぶれは地味な作品ばかり。こういうご時世だから仕方ないのかもしれないが、ちょいと寂しい。それが関係しているのかどうか知らないが、授賞式の中継の視聴率はだいぶ低かったみたいだね。

タイトルにある「ノマド」という単語はちょっと前に「ノマドワーカー」なんて言葉が流行ったが、知っているようで知らない言葉。あらためて意味を調べてみると「遊牧民」、「放浪者」という意味らしい。

主人公はバンに乗ってアメリカ中を移動し、各地で非正規で働き生きている女性。純粋にこの映画を評価している人に聞きたいが、いったいこの映画の何が面白いのかと。そりゃあ、面白い、面白くないで論ずるタイプの映画ではないかもしれないが、あまりに地味すぎて退屈。そりゃあ風景がどうだとか、ノマド同士のドラマがどうとかいいところだってるけど、普通の感覚からしたら眠くなってしまう内容。どうやら私はいい観客ではないようだ。
ただ、言っておきたいこともある。やむなくノマドになった者も少なくないだろうが、出てくるノマドに悲壮感を感じさせなかったのは良かった。寒い、経済的困窮、安全の確保等命に関わる問題はいくらでもあるだろうが、誰もが力強く前向きに生きて、ノマドとしての矜持を持っているところは魅力だ。

エンドクレジットを眺めていると、役名とキャスト名がほとんどで一致している。後で調べたら、ノマド役の人は実際のノマドなんだってね。その辺に関しては違和感は一切なかったから素直に凄いなと思った。

『シーバース』

2021-04-26 21:21:36 | 洋画
のっけからズバリ言ってしまうが、面白くない作品である。
一応面白くなりそうな下地はあるのだが、いかんせん中途半端なグロとエロに走ってしまって映画としての魅力は発揮できていない。ゾンビとボディスナッチャーを合わせて希釈しまくったような映画だと思っていたら、まんま同じようなことを思っている人がいて安心した。

まあ、監督はクローネンバーグだからそういう意味では観てもいいかなというところ。

『足立美術館展 横山大観、竹内栖鳳、華やかなる名品たち』 宮城県美術館

2021-04-25 13:14:47 | ○○展



足立美術館って絶対庭園の話題が先行するよね。私も以前に行ったが、あんまり展示作品については記憶がない。そんなわけでせっかくの機会を利用して、足立美術館を脳裏に焼き付けてこよう。

あまり興味がないジャンルではあったが、日本がもじっくり観てみると味わいがあっていいもんだね。
そんで、前にも述べているが、日本画のイメージを超えて写実的な作品がある。

動物を描いた作品も多かったな。動物画だと竹内栖鳳が有名なのは知っていたが、色々あるもんだ。特に興味を引いたのは洋犬を描いた「唐犬図」という作品。今気づいたけど、上の写真の絵だ。和と洋のいい感じの融合であった。

世界の庭園ランキングで足立美術館が長年1位なのは知っていたが、3位にも松江の皆美館が入っていると今回初めて知った。知らんところではあったが、島根侮れんな。

グッズに関しては情報が全くなかったが、しっかり売られていて安心した。ラインナップは定番のポストカード、クリアファイル、ハンカチ等々。私はマグネットを買ったが1枚で800円くらいして高いなと思った。

美術館併設のレストランに行ってお腹を満たしたかったが、パスタ一皿に1,700円は出したくないな。美味しそうではあったが。
いつか美術館のレストランで値段を気にせず食事できる身分になりたいものだ。

『のぞき』(1983)

2021-04-25 02:17:59 | 邦画
一応一通り映画ジャンルは通ったつもりではあるが、唯一?通っていないのが、成人映画。特に観たいわけでもないが、U-NEXTで日活ロマンポルノが無料で観られるわけだし観ておいた。
予備知識は全然ないからタイトルセレクトは直感。

正直もうちょい映画として観られるものかと思ったら、こんなものかとガッカリ。というかストーリー的にはかなりの大味。無理矢理に理由つけて主人公の実家に若い男女が集まってきて次々に一戦おっ始めていくだけの映画。「ピンク映画だけど実はドラマ的にも観られます」というのが、日活ロマンポルノだと勝手に思っていた節はあったが、そんなことはなかった。

しかし濡場の挟み方はうまいことやっている。映画が始まって、官能シーンまではしばらくあるのだろうなと思ったが、割と序盤に始まって驚いた。そんでもってそろそろ欲しいなと思ったところで場面がやってきてくれる。そのタイミングは職人技とも言える。
ただ、モザイクは随分とでかいね。

主人公は百恵ちゃんに似ていると言われるが、実際主演の井上麻衣は百恵ちゃんに似ていることを売りにしていたんだってね。

『JUNK HEAD』

2021-04-24 15:54:58 | 邦画
いや〜、久々にすごい映画を観させていただいた。予告を観た時から楽しみにはしていたが、予想を遥か上にいくクオリティであった。

ストップモーションアニメで制作に7年かけたというのが宣伝文句だが、実際に映画を観るとよく7年で作れたなと感心する。さらにすごいのはこの映画を一人で作ったということ。音楽、声優も含めエンドクレジットでは「堀貴秀」のラッシュであった。

しかし、世界観の作り込みがすごい。なんてことない通路もかなり拘って作っている感じがする。物語とかなくてあの地下世界をぶらつくだけの映像でも普通に観られるレベル。
しかしすごいのは、そういった世界観に頼り切る事なくちゃんとキャラクターも作り上げている事だ。地下世界の住人は一見すると不気味でバイオハザードに出てきてもおかしくない造形だが、物語に入り込むととても愛らしく思えてくる。ヒロイン的なキャラだってそもそも性別の概念だってないのに、ちゃんと恋する女の子していて愛おしく思えてくる。
そんでもって外せないのが、地獄の三鬼神。完全なコメディリリーフ、マスコットキャラかと思いきや、その活躍、死に様は『北斗の拳』の強敵(とも)と比べても遜色のない男気を見せてくれる。

それ以外にも音楽もいい出来だし、カメラワークもかなり凝っていて、とにかく褒めるところしかない。
パンフレットも売り切れるくらい人気のようだが、それも納得だわ。私は買いはしなかったが、今思えば買ってもよかったかなと思える。