ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『フォーン・ブース』

2014-06-29 19:26:33 | 洋画
アイディア勝負の低予算映画!と見せかけて案外キャストは豪華だったりする。こういう映画観ると映画ってやっぱり脚本が全てだなと思ってしまう。 

舞台は大都会の電話ボックスの中で主人公は犯人から狙撃されて動くことが出来ない。これだけ聞くと面白そうに思える。実際面白いのだけど結局犯人は何がしたいのかよくわからないというか、目的がチープすぎる。かなり手の込んだことをやっている割に、やっていることは微妙に小物臭い。
序盤のピッツァの配達人がかなり臭かったがやはり物語に絡んできたか。ただ、あの配達人と犯人がどう関わっているのかが消化不良だ。80分というスピーディーさは素晴らしいのだが投やりともいえるエンドは勘弁してほしいな。
最初は調子のっていたコリン・ファレルもだんだん弱気になっていくところが面白い。ハリウッド映画の主人公は必ずしもスーパーマンじゃないんだぞ。

『イリュージョン』 リチャード・バック

2014-06-28 10:10:50 | 
小山卓治が好きというので手を出してみたこの本。読んでいるときに『かもめのジョナサン』の最終章のニュースが発表されてびっくりした。こっちの方もいずれ読んでみたいな。

いい本だというのは分かるけど面白いとは思わない。それが非常に悔しい。一つ一つのセリフなんかはカッコいいし好きなんだけど、ストーリーとして読むと別にって感じになる。『星の王子様』を読んだときにも同じような気持ちになったな。この二つの作品は飛行機乗りが出てくるというところもそうだが、なんか共通する部分があるような気がする。
とりあえず5年後にもう一度チャレンジしたい。


小山卓治に「ILLUSION」という曲があるが、こちらは大好きな曲。
僕らは光に集まり都会を作った
そしてビルの影でチャンスをうかがいながら
幻のような半端な夢を見続ける

『夏のレプリカ』 森博嗣

2014-06-22 21:01:57 | 
前作『幻惑の死と使途』の裏側で起こった話。別にそっちを読んでなくても問題はないが読んでおいた方がいいかなとは思う。前作が奇数ごとの章だったのに対し今作は偶数章で構成されている。

評価の高い作品であるようだが、自分にはさっぱりだ。というか犀川先生が全然登場しないという時点で評価に値しないかなって感じ。基本的に西之園君とその友達目線で話が進んでいく。特に手の込んだトリックが出てくるわけでもなく割と淡々と進んでいくストーリーに正直げんなりしてしまう。ただラストはちょっと切なくなる。

最近は森博嗣が続いていたが、ようやく一段落かな。次は何を読もうかな。

「トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展」 米子市美術館

2014-06-17 20:46:36 | ○○展
今日は米子市立美術館で「トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展」を見てきた。もとより今日行くつもりであったが、朝に美術館のホームページを覗いたら開館日で無料となっていてラッキーと思った。ただ、開催して間もないし混むかなと心配したが、思ったほどで不快感を感じるほどでは全然なかった。

ムーミンって知っているようでよく知らないっていう人がほとんどだと思う。今回開催されることを知って自分は小学生のころ青い鳥文庫で読んで好きだったなってことを思い出した。ただ、内容は全く記憶になく、キャラクターの名前をいくつか知っている程度。それでも行ったらすごく懐かしい気持ちになった。それはただ昔に読んだからというだけでなくそういう風に感じさせてくれる絵だっていうのも大きい。
基本的にはラフな感じの絵が大半だったけど、それでも感激だな。内容は分からなくてもワンシーンから色々と想像をめぐらせたくなる、そんな絵だった。絵を見てこんなにいい心持になったのは初めてかもしれない。割と真剣にもう一度ムーミン読みたくなったな。

グッズコーナーは結構充実していてどれも欲しくなってしまったが我慢した。でも自分が普段使っているマグカップはムーミン柄でお世話になった人に貰った大切なものなんだ。






『Closing Time』 Tom Waits

2014-06-10 23:08:44 | 洋楽

トム・ウェイツの音楽は夜へ誘ってくれるようだ。昼に聴くのと夜に聴くのとでこうも印象が変わる人も珍しい。夜中にウイスキー片手にトムの音楽を聴くのは最高の癒しである。まるでトムの音楽が酒とタバコを勧めてくれるようだ(私はタバコはお断りしているが)。

トム・ウェイツを知ったのはジム・ジャームッシュの映画がきっかけだが、その後で曲を聴いてみて衝撃を受けた。ハスキーボイスなんて通り越したようなしゃがれた声。その時はまるで悪魔のような声だと思った。しかし、曲を聴きこむうちにトムほど切なく、優しく歌う人はいないんじゃないかと思った。そのことに気付いたとき少し大人になったような気がした。

ファーストアルバムのこの作品ではハスキーさはそれ程出ていない。それでもファーストが一番好きだという人は結構多い。1曲目の「Ol'55」はイーグルスのカバーでも有名だ。イーグルスも大好きなバンドだが、やはりトムの「味」でうたってもらわなければ物足りなさを感じてしまう。
「酔いどれ詩人」と言われるように詩の評価も高いが、私は輸入盤で購入しているので意味は分からない。それでも素晴らしいリリックだというのが伝わってくる。
このアルバムで一番好きな曲は「Grapefruit Moon」という曲だ。「グレープフルーツみたいなお月さま」とでも訳そうか。曲がどんなことを言っているのか知らないが、すごく素敵な表現だと思う。

今もウイスキー片手にこのアルバムを聴いているが、トリスの水割りというのがいまいちカッコよくないな。やっぱりバーボンをストレートかロックで聴きたい。