タイトルだけで勝手に恋愛小説なのかと判断してゲンナリ感はあったが、実際に読むと「恋愛小説」の一言で片付けられる作品ではない。
主人公である未亡人メアリーの恋愛をベースとしつつもサスペンス要素もあり、モーム特有の人間模様だけでなく物語展開も楽しめるのが特徴だ。
他の人はどう思うかは知らんが、私はこの作品と『お菓子とビール』を是非とも比較したい。
『お菓子とビール』には自由奔放で快活なヒロイン、ロウジーが登場する。一方今作にも性別こそ違うが、似たようなタイプのロウリーが登場する。名前もキャラも似ているのは偶然だろうか。モームとしては『お菓子とビール』の意識が頭にあったのではないだろうか。
そして特筆すべきは両作にヒロインが男性を「完璧な紳士」と評するセリフが登場すること。ただし、その使われ方はまるで違う。
メアリーは婚約者であるエドガーを「完璧な紳士」とロウリーに言う。エドガーは頼れる男性で社会的地位も高く、その評価は間違ってはいないだろう。
一方ロウジーは粗野で周りからの評判も良くないが心奪われた男のことを「完璧な紳士」と評す。同じ言葉であっても読み手としては重みに違いを感じてしまう。うまく説明できていないかもだが、作品を超えてモームの凄さを実感した。
今作はモームの代表作からは外れるかもだが、ぜひ『お菓子とビール』とセットで読んでほしいものだ。
主人公である未亡人メアリーの恋愛をベースとしつつもサスペンス要素もあり、モーム特有の人間模様だけでなく物語展開も楽しめるのが特徴だ。
他の人はどう思うかは知らんが、私はこの作品と『お菓子とビール』を是非とも比較したい。
『お菓子とビール』には自由奔放で快活なヒロイン、ロウジーが登場する。一方今作にも性別こそ違うが、似たようなタイプのロウリーが登場する。名前もキャラも似ているのは偶然だろうか。モームとしては『お菓子とビール』の意識が頭にあったのではないだろうか。
そして特筆すべきは両作にヒロインが男性を「完璧な紳士」と評するセリフが登場すること。ただし、その使われ方はまるで違う。
メアリーは婚約者であるエドガーを「完璧な紳士」とロウリーに言う。エドガーは頼れる男性で社会的地位も高く、その評価は間違ってはいないだろう。
一方ロウジーは粗野で周りからの評判も良くないが心奪われた男のことを「完璧な紳士」と評す。同じ言葉であっても読み手としては重みに違いを感じてしまう。うまく説明できていないかもだが、作品を超えてモームの凄さを実感した。
今作はモームの代表作からは外れるかもだが、ぜひ『お菓子とビール』とセットで読んでほしいものだ。