ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『用心棒』

2021-08-28 16:48:50 | 邦画
巨匠黒澤明の最も有名な作品の一つ。今更ながら鑑賞しましたよ。

非常に評価の高い作品で、実際に面白いのだが、私はどうしてもこの作品は次作『椿三十郎』の習作的な作品という目線で観てしまう。実際ストーリーや細かいところも似通っている部分も多い。が、私は『椿三十郎』の方が圧倒的に好きだ。

理由を考えてみると椿の方がストーリー的にわかりやすいというのはあるかな。別に『用心棒』が複雑ということはないのだが、椿の方がシンプルかつパワフル。
そして仲代演じる悪役も似ているようで違う。どちらも主人公のライバルキャラを演じているが、『用心棒』の方はどこか小物っぽさを感じさせる。銃に頼っているというのもあるかな。椿はラストシーンの対決が象徴するように見事な一騎打ちをするほどの素晴らしいライバル関係であった。

色々言ってはいるけど、面白いことは間違いないのよ。ただ、私は『椿三十郎』の方が好きというお話。

『孤狼の血 LEVEL2』

2021-08-21 23:09:23 | 邦画
『フリー・ガイ』直後に立て続けに観たがハッピーな気持ちだったのが一気に吹き飛んだ。
控えめに言ってもとんでもない作品で2021年のベスト1に早くも決まってしまった。

記事は書き忘れてようだが、前作はもちろん観ている。でも正直そんなにという感じ。アウトレイジみたいなのを期待していたのに、意外とドラマ的。でも、今作には前作は微妙だったという人にこそ観てほしい。

とにかくバイオレンスシーンが凄い。量も質もえげつないくらいにバイオレンス。そしてそれを作り出しているのが鈴木亮平という役者。役者が演じているんだと頭では分かっていても、とてもそうとは思えないくらいに凶悪すぎる演技。これに関してはもうやばいとしか言いようがない。
もちろん主役の松坂くんもヤクザな刑事が板についていてかっこいい。ラストの一騎打ちは見応え、迫力抜群のシーンである。

前作は原作に沿ったストーリーだが、今作は映画オリジナルの展開らしい。なるほど、それでテイストが随分と変わったのね。
これで完結のような感じもする終わり方ではあったが、願わくばぜひ続編を作ってほしいものである。

『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1986)

2021-08-21 23:09:23 | 洋画
この作品にリメイクがある後は知らなかった。オリジナルのつもりで観たが、映像が随分と近代的なので調べてみてリメイクと発覚。
で、さらに知らなかったのがオリジナルはミュージカルでないんだね。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』といえば当然のようにミュージカルだと思い込んでいたから衝撃。

ストーリーの方ははっきり言って凡庸。謎の植物が成長し、言葉を話し、人を襲うというもの。しかしながら音楽と美術は素晴らしい。オールディーズを思わせる音楽は聴いていて普通に楽しいし、植物も顔がないのにやたらと表情豊のような動きをする。
登場人物も個性的でクセがある。サディストな歯医者を演じているのがスティーブ・マーティンでこれまたびっくり。

オリジナルは未見だが、よくこれをミュージカルとしてリメイクしようと思ったな(映画より舞台が先のようだが)。そのアイディアに脱帽してしまう。

『怠惰の美徳』 梅崎春生

2021-08-21 23:09:23 | 
梅崎春生を読んでみようと思ったところ、タイトルが気になったので買ってみた。いいタイトルだよ、怠惰の美徳だよ。今日も一日引きこもって出前ピザで食事を済ませた私にはぴったりではないか。

本は前半がエッセイ集で後半が短編集の構成。エッセイは短ければ2ページほどで非常に読みやすい。おまけに文章が非常に軽妙で実に読ませるし、笑える。雑巾に生まれたかったとか、滝に生まれたかったなんて言葉は常人には出てこない。この言葉のチョイスはホンマモンの怠惰だなと思った。

私のお気に入りは「聴診器」という話の梅崎と子供のやりとり。手塚治虫に会いに行ってきて手塚治虫に憧れると言うが、父と息子で話が食い違う。ちょっとしたやりとりではあるが、逆にこんなことを文章にできるなんてプロはすごいなと思った。


『娼年』

2021-08-21 23:09:23 | 邦画
自分の中でプチ松坂君フィーバーが生じたので鑑賞してみた。

濡れ場が過激で話題にはなったが、いざ観てしまえばそれだけのこと。特に何かメッセージがあるわけでも、観た後に何か残るわけでもない。正直くだらない映画だなと思った。

原作は未読だが、作者は石田衣良。関係ないけど初めて宮崎吐夢の石田衣良の歌を聴いた時はめちゃくちゃ笑った。