ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『完盗オンサイト』 玖村まゆみ

2015-11-22 21:02:57 | 
タイトルの「オンサイト」というのは一切の情報なしにクライミングすることらしい。今作はクライミングをミステリーに組み込んだ一風変わった第57回江戸川乱歩を受賞した今作。だが、変わった作品だからと言って別に面白いという作品とも限らない。

江戸川乱歩賞の受賞傾向とかはよく知らないけど、読んでいて随分と軽い作品であった。本格ミステリーというものではなく、なんかジャンプの読み切り作品当たりでありそう。人が全く死なないわけではないけど、謎を楽しむというのではなくストーリー展開を楽しむという作品で人によっては期待外れだったり、子供っぽいと切り捨てるかも。最後の最後できっとすごいどんでん返しとかがあるんだろうと期待していたけどそんなものは無くてがっかり。
ページ数もハードカバーで300ページほどだが、それに合わせるかのように後半駆け足で進む。ただでさえ中身のないのに余計ご都合主義が加速していくようだ。

ミステリー、推理小説という意気込みで読むとがっかりだが、エンターテインメント小説だと割り切って読めば、まあダメージは少ないはずだ。それより最後の選評で内田康夫が今作に最低点をつけていて笑える。
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『容疑者Xの献身』 東野圭吾

2015-11-18 19:49:41 | 
映像化もされてライトファンからも人気の作家だけあって今までちょっと手を出していなかった。といっても以前に一冊だけノンシリーズを読んだことはあったんだけどあんまり面白いとは思わなかった。でも、さすがに代表作くらいは読んどこうと思って今作に手を出した。

好きな作品が実写化されてがっかりすることはあるけど、今回は逆で読んでいる最中福山の顔がちらついて仕方がない。ドラマは父親がリビングで観ていたのを一緒になんとなく観ていた程度だったんだけどなぁ。あと、ドラマの方が湯川というキャラクターが強調されているように感じた。

完全な犯人視点ではないので倒叙式と言っていいのかわからないけど、久々のこのパターンなので新鮮だった。
ラスト近くまでは面白いけど別段どうってことないかなと思ったけど、あの結末にはちょっぴり驚くと同時に切なくもなった。数学者って不器用っていうイメージがあるけどまさにそんな感じだった。ただ、人をしっかり殺しているのに献身と言っていいのかな。一応石神という人物については述べられてはいるけど、そういうもんかね。しかし、いくら数学の天才だからって別に犯罪に関しても天才ってわけでもないだろうよ。そしてアンチヒーローみたいに扱うのはちょっと違う気がするな。面白いといえば面白いんだけどね。

作中でも述べているように石神の容姿は冴えない感じだったから、実写では誰が演じているのかと思ったら堤真一だった。ちょっと盛りすぎではないかな。
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『闇に香る嘘』 下村敦史

2015-11-17 21:05:11 | 
「週刊文春2014ミステリーベスト10」で第2位、第60回江戸川乱歩賞受賞という触れ込みで手に取ったわけではないけど、その名誉に恥じない力作であった。

ミステリーのネタなんて古今東西数ある作品が世に出ており、もう尽きかけているのかと思ったけど、こんなのもあるんだと思える一冊であった。
カッコいい探偵が主人公という設定が好きな自分にとって主人公が盲目の老人というのはちょっと受け入れずらかったが、面白くてそんなことどうでもよくなった。盲目という設定も実にうまく使っているし、伏線の張り方も上手い。読んでいる最中から続きが気になって仕方ないのはいい本の証だけど、今作もそう。読み進めるほどに謎が深まっていくが、それが徐々に明かされていくのは実に心地よい。

ミステリーとしても面白いのはもちろんだけど残留孤児や盲目の人の生活など普段は関心なんて持たないようなところも興味深く読める。かといって社会派ということはなくエンターテインメント色は強い方だと思う。読みながら映像化しても受けるんじゃないかなと思ったけど、読み進めるとトリック的に難しいかなと感じた。
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『プレデターズ』

2015-11-15 22:12:01 | 洋画
5年も前にプレデターシリーズの3作目が公開していたなんて全然知らなかった。いや、ひょっとしたらすっかり記憶から抜けていただけなのかもしれないが、別にどっちでもいい思える内容であった。というかあまりに適当に観すぎたせいで軽く観返してしまった。

主演はエイドリアン・ブロディだけど『戦場のピアニスト』のイメージが強すぎてこの手の作品に出ているのがものすごい違和感であった。

新たな設定を追加させたりと新鮮味を加えさせたいのだろうけど大筋は変わらないからな。それよりプレデター同士の戦いよりもやっぱり人とプレデターが戦う方が面白いと思うんだけどな。
一応続きがありそうな終わり方だけど別に気にはならないな。しかし、今思うと『エイリアンVSプレデター』ってかなり突き抜けてたな。当時はキワモノ程度にしか思わなかったけど。でも一番好きなのは2作目なんだよね。
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『64』 横山秀夫

2015-11-12 22:45:16 | 
図書館の本棚で目があって、数年前凄く話題になったのを思い出した。どんな内容かは全く知らないけどとりあえず読んでみることに。そういえばちょっと前に映像化もされていたね。

まずタイトルの「64」だけどゲーム機ではなく昭和64年に起こった誘拐事件のことを指す。主人公は警察官ではあるけど刑事ではなく広報課というのが珍しい設定。広報課と言われてもどんな仕事かピンとこないけど、作中ではマスコミとの対応に追われている。また、そのマスコミとのやり取り…いうか駆け引きが妙に生々しく作者は警察出身の人なのかと疑った。読み終わってから調べたら元記者だったうえに『クライマーズ・ハイ』や『半落ち』も書いていたのね。

感想の方だけど、前評判が高かっただけに結構な期待外れ。まずハードカバーで約650ページというのが無駄に長い。記者とのやり取りをあそこまで執拗に書かなくてもいいと思うけど、あれはあれで必要なのかな。また、主人公が記者への対応をしたり、家庭のごたごたがあったり、64を追ったり、新たな誘拐事件を追ったりと忙しく物語の核が不明瞭なまま読み進めるのが辛い。その新たに起こる誘拐事件が出てくるのも物語の後半部分。どうせならもう少し早くに誘拐事件も発生してくれれば良いのにと思う。

決してつまらないということはないけど絶賛するほどではないことは間違いないと思うんだけどな。それに娘や幸田、日吉がどうなったとかって書かれないまま終わったよね?なんかモヤモヤするな。
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