風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第三週目

2019-10-14 21:06:49 | 全国巡回公演

10月7日 鹿島高校・鹿島実業高校(佐賀県)

   8日 甲南高校(鹿児島県)

   9日 小林高校(宮崎県)

   10日 筑豊高校(福岡県)

   11日 長崎青雲中学・高校(長崎県)

鹿島高校・鹿島実業高校
過去に何度も呼んで頂いている佐賀県鹿島市の二校ですが例年と違い今年は会館の改修工事のため鹿島高校の体育館での上演です。
なんと校舎自体が鹿島城跡地に建てられており、トップ画像の赤門といい地域の伝統を感じる学校でした。

↑案内板にも鹿島の歴史が記されていました。

↑公演後に「是非、役者の方に会いたい」と舞台裏を訪ねてくれた女子生徒たち、最後は涙が止まらなかったそうです。


終演後はバレー部や卓球部などの皆さんが撤去作業を手伝ってくれました。本当に有り難うございました。




甲南高校
鹿児島市の甲南高校は2010年の『ハムレット』以来三度目の上演でした。
開演前の舞台袖では司会進行の生徒が出番前に練習していました。彼女の進行とともに客席から大きな拍手を頂き開演を迎えました。



最後までぐっと集中して観てくれた客席の感想を代弁するようにカーテンコールで生徒会長さんが「最後のトリートの気持ちが自分と重なるところがあり感動しました」と挨拶してくれました。

きっとそれぞれの子供たちの中にも同じように自分や、家族・友人との関係といった何かを重ねて観てくれたのだと思います。


小林高校
3年前にも『ジャンヌ・ダルク』を上演した小林高校、公演も盛り上がり、そのまま急遽舞台裏見学や座談会も行われました。



ハロルド役の柳瀬を囲んだ座談会には登山部や文芸部の子など様々な生徒さんが十数人集まり演劇のことだけでなく部活のことなど様々な話が行き交っていました。


筑豊高校
木曜日は先週の鞍手竜徳高校の際にも使用したユメニティのおがたに再び戻り、筑豊高校の生徒たちに向けての上演でした。

終演後にご担当の先生が「登場人物たちと重なる子も多くそれぞれの中に響いたと思う。タッチをやって良かったです。」とおっしゃて頂きました。その言葉どおり劇団ホームページの掲示板には「感想を宿題として出されましたがあの欄では抑えられない」という書き込みも届いています。

舞台と客席がまさに呼応していくような公演でした。

 

長崎青雲中学・高校

週の最後は長崎県の長崎青雲中学・高校。この学校では創立以来初めての演劇鑑賞会として上演させていただきました。

開場から子供たちの興奮が伝わってくるようでしたが、開演前の生徒会の生徒や先生方の挨拶での「目で見て、耳で聞いて、心で感じて下さい」というメッセージはとても素敵な言葉だと舞台裏にスタンバイしながら思っていました。

終演後はご担当の先生が担任している中学三年生の子たちが舞台裏見学、そして片づけと劇団員との交流を存分に楽しみながら過ごす時間があり、このような機会が是非この学校に長く残ってくれたらと切に願っています。

 

 

この週は佐賀→鹿児島→宮崎→福岡→長崎と九州内を駆け巡りました。その土地土地の出会いからエールをもらい年末まで駆け抜けていきたいと思います。

 

トリート役 佐野 準


2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本・九州ツアー【第2週目】

2019-10-14 21:05:35 | 全国巡回公演

9月24日 (火) (愛知)愛知みずほ大学瑞穂高校・名古屋市公会堂

9月25日 (水) (富山)高岡龍谷高校・同校講堂

9月26日(木) (愛知)大同大学大同高校・日本特殊陶業市民会館

9月27日(金) (岐阜)吉城高校・同校体育館

 

愛知みずほ大学瑞穂高校

こちらの学校は1991年の『星の王子さま』、94年『Touch 』の公演以来3回目の上演です。



開演前には1200人程の生徒さんが元気に入場し、その迫力と明るさで劇場の雰囲気がガラッと変わり、とても良い雰囲気の中開演しました。公演中は、目の前で起こる一つ一つの出来事に反応する声や笑い、沈黙が印象的で、ひとり、ひとりが様々な反応で舞台と向き合い、『ヘレン・ケラー』を創ってくれました。





そしてカーテンコールでは代表の生徒さんが「努力することの大切さや今、当たり前のように生きていることの幸せに感じました。」と、想いを伝えてくれました。
そして担当の先生からも「人と人との繋がりや関係を大切にしていきたいです。そして演劇はなかなか観る機会がないのでこれから興味を持つきっかけになってくれれば嬉しく思います。」と想いのこもった言葉をいただきました。
終演後のバックステージと座談会では希望者の生徒さんたちが舞台へ上がり、「私この場所が好き!」とお気に入りの場所を見つけて楽しんだり、アニー役の渋谷に「言葉を伝えるというのはどういうことですか?」「発声の仕方を教えて下さい」などたくさんの質問を投げかけ、限られた時間の中で何かを発見し、何かを掴もうとしている姿が印象的でした。

そして、この日は富山県へ移動し、翌日の午前開演に向けて夜仕込みです。

 

高岡龍谷高校

こちらの学校は風の公演、初めての学校です。
学校の三階にある立派な講堂での公演で、開演前には担当の先生から「今ここで様々なものに出会える事に感謝して、楽しんで観てください」という言葉と大きな拍手で開演です。

公演中は担当の先生の言葉にもあったように、楽しみながらじっと舞台をみつめながら舞台と向き合い、大きく笑う姿や身をのりだして観ている生徒さんもいました。



カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では、「劇団風さんがお越しいただけると聞いて、事前にインターネットで『Touch〜孤独から愛へ』を観ました。ものすごく惹きつけられる作品で今日、ヘレンケラーを観るのもとても楽しみにしていました。生で観ると迫力もあってとても楽しかったです。」と、堂々とした様子で話してくれました。



終演後には芸術コースの皆さんとのバックステージをしました。
客席からは見えない舞台裏の構造に関心を持って、舞台を隅々まで見て、とても驚いていました。



その後、芸術コースの皆さんは撤去作業のお手伝いにも参加してくれました。そして終盤には柔道部の皆さんも来てくれました。
重たい道具も三階から一階へ、みんなで協力しながら運んでくれました。

劇団員とも交流しながら撤去作業を進める中で「本でヘレン・ケラーは読んでいましたが、本とは違う感動がありました。」と声をかけてくれる場面もありました。



そしてこの日も昨日に続き、翌日の愛知での午前開演に向けて移動仕込みです!

 

大同大学大同高校

こちらの学校は今年で80周年を迎え、この日の公演は文化祭行事の一環としての公演です。
そして大同高校は今旅の中で1番多い1500人超えの学校です。
開場中には、一昨日の瑞穂高校さん同様、たくさんの生徒さんたちが元気に入場し開場の雰囲気がガラリと明るく変わりました。



開演前の生徒会長さんの挨拶では「人と楽しむ大切さ、人を楽しませる大切さ、みんなが繋がり、今年の文化祭が心に刻まれ、大切な日になることを願ってます。」とみんなに向けた想いのこもったメッセージと共に開演です。
開演直後には大きな拍手と大きな歓声に包まれました。

公演中は客席からの迫力を肌で感じ、集中して何かを吸収しているような瞬間があったり、時にはヘレンの指文字を真似して一緒に楽しんでいる姿もあって個性溢れる客席でした。
終演後には吹奏楽部の発表やダンス部の発表がありました。





吹奏楽部は60人以上の演奏で迫力があり、ダンス部の発表も会場全体を盛り上げるような発表で私たちも一緒に観て楽しませてもらいました。



そして全ての発表が終わった後には演劇部の皆さんとの座談会も行われました。
12月に中部大会を控えている皆さんからは発声や滑舌、舞台に立つ。ということなど自分たちが舞台に立ちながら感じることや疑問に思ったことなどたくさんの質問が出ていました。
中には舞台の背景幕が「ヘレンの心に見えました」「心臓に見えた」とひとりひとりが感じたことを伝えてくれて、私たちにとっても発見のある時間になりました。

 

 

吉城高校

こちらの学校は1991年の『星の王子さま』、2012年の『ヘレン・ケラー』に続いて三度目の公演です。



開演前には美術部と演劇部の生徒さんたちが舞台に来て、バックステージを行いました。



ポンプを実際に使ってどういう仕組みなのかを劇団員に聞いたり、照明の操作卓を実際に操作して、これから本番の中でどんな風に使われるのかワクワクしながら開演です。
開演すると、集中した空間をつくりあげ瞬間、瞬間の出来事を見逃しすまいというような雰囲気の中に時折りクスッと笑い声をあげてリラックスした様子で芝居を盛り上げてくれました。



終演後にはバレー部、バスケ部サッカー部、演劇部の皆さんが撤去作業を手伝ってくれました。



60人ほどの多くの生徒さんたちが集まって、どんどんと解体されていく舞台装置に驚きながらも明るくテキパキと声を掛け合いながら動き普段より早く撤去作業を終え、ひとりひとりの勢いを感じました。



そして時にはヘレン役の倉八やアニー役の渋谷と交流しながら真剣に話を聞いている姿も印象的でした。

 

ブログの更新が大幅に遅れてしまい申し訳ありません。
一回一回の公演で出会い、その日、その瞬間に起きたことを大切にして、これからも続く旅を最後までつくりつづけていきます。

 

ジェイムス・ケラー役 蒲原智城