風のBLOG

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『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー4週目

2016-10-26 17:46:55 | 全国巡回公演

 

9月下旬の猛暑の中始まった『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅公演。先週まで西日本を巡ってきましたが、今週から東日本を旅していきます!

10月18日(火)茨城県 土浦湖北高校(同校体育館)

   20日(木)青森県 青森北高校(リンクモア平安閣市民ホール)

   21日(金)山梨県 塩山高校(甲州市民文化会館)



土浦湖北高校
 
風の公演は初めての学校です。前日の夕方に道具の搬入作業のため学校に到着すると、剣道部や野球部の皆さんが遅くまで元気に練習していました。部活動が盛んな様子が窺えます。
当日の午前中、舞台設営をしている間、休み時間のたびに体育館の前を通る生徒たちの声が聞こえてきました。「なにこれ!やばい、凄すぎる!」
公演が始まると800名を超える生徒さんたちが凄い集中力で舞台を見つめていました。
「迫力ある演技に見入ってしまいました。またぜひ土浦湖北高校に来て下さい。」カーテンコールでの生徒会長の言葉が真っ直ぐに私たちの心に響きました。客席からたくさんの人が手を振ってくれたのも嬉しかったです!
 
じつは生徒会役員が中心となり、ヘレン・ケラーの作品紹介や見どころ、指文字の資料などを掲示し、行事に向けて準備してくれていたのです。こうした手づくりの工夫が生徒の皆さんの関心を高めていたと思います。
 
 
片付けの時は体育館を使う部活動や生徒会の皆さんが手伝いに集まって下さり、搬出もあっという間に終わりました。
「また来てくださーい!」姿が見えなくなるまで飛び跳ねて見送ってくれた生徒さんたち。
皆さんの素敵な笑顔を乗せて、バスは次の公演地へ。
 
 
 
 
 青森北高校
 
今回のツアー最北の青森。とはいえ予想以上の冷たい強風の中、自転車で集まってきた生徒の皆さん。保護者の方々も集まり、2階席の後ろまでいっぱい。しかし会場の造りと客席の皆さんの熱のこもった視線が、舞台と客席をとても近く感じさせてくれました。カーテンコールで生徒会長さんからお礼の言葉と花束をいただきました。身体から発している生き生きとした雰囲気が印象的でした。
 
 
この日はヘレン、アニーの2人で学校の皆さんをお見送りさせていただきました。声をかけてくれる生徒さん、芝居を真似て見せてくれる生徒さん、元気いっぱいでした!
行事の担当の先生が花束の準備で客席を移動していた時のことを話してくれました。「ラストシーンのウォーターより前の場面で泣いている生徒が結構いて、ビックリしました。いつもヤンチャな男子たちの席からも鼻をすする様子が見えて意外でした。」
 
 
 
 
 
 
塩山高校
 
創立60周年行事での上演でした。同窓会、保護者、来賓の方々が集まり厳かな雰囲気の中、学校の歴史や母校への想いが語られていきました。
そして式典から劇場へ。
演劇の開演に生徒たちの大きな拍手と掛け声が響きました。
緊張感のある場面、リラックスしてのびのびと笑いが起きる場面。客席と舞台の間に寄せて返す波をお互いに楽しんで過ごした2時間でした。
代表の生徒さんの話にも出てきましたか、ホームルームでヘレンの障害を理解するためのワークショップが行われたり、図書館にヘレン・ケラーに関する本を置いたり、先生方が半年かけて、この日を迎えるために動いて下さったとのこと。その想いを生徒の皆さんはしっかりと受け止めていました。
 
 
 
終演後はバッグステージツアーを行い、二階屋の高さやポンプの水を体験し盛り上がりました。
短い時間でしたが演劇部の皆さんともお話しすることができました。演劇を続けたいという生徒さんもいて、芝居をはじめ続けてきたことの経験などを熱心に聞いていました。
こちらからも3年生の生徒さんに演劇部での経験を訪ねてみました。「私は今まで苦手な相手とはわかり合えないと思っていたけど、演劇を創ることで、同じものを見ることができると知りました。」
とても素敵な経験ですね。
先生と生徒、生徒さん同士の関係・・・。演劇の場が日常ではなかなか通じ合えずにいる人への想いを繋ぎ、人の可能性を開く場となることを願っています。
 
先週からアニー・サリバン役を柴崎美納が演じています。『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅は中日を迎えました。11月中旬の最終日までこのメンバーで、全力で一回一回の公演に向かいたいと思います!
 
 
文:稲葉礼恵(ヘレン・ケラー役)