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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー 第2週目

2016-10-15 21:05:29 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー 第2週目は、

10月5日 音戸高等学校(広島県)

10月6日 不破中学校・北中学校(岐阜県) での公演でした。

音戸高等学校

穏やかな海、瀬戸内海を臨む音戸高校。週明けから勢力を増してきた台風の心配もありましたが、公演当日は大きな影響もなく、音戸高校のみなさんと出会うことが出来ました。

開演前、体育館に入場してくる生徒さんたちの元気な様子が舞台裏まで伝わってきます。「何これ!」「すごーい!」と声にしながら開演を待っていてくれる生徒さんたち。それから芝居が始まると、視線の先を一気に舞台に注いでくれたのがわかります。そこから少しずつ少しずつリラックスをして、芝居を楽しんでいてくれる様子が伝わってきました。とても真剣に、時に荒っぽく出来事を切り取るようにして芝居を見る様子も感じられ、いい時間をともにつくりあげられたのではないかと思います。

公演後、舞台裏にたくさんの生徒さんが来てくれました。「とても面白かったです」「感動して涙がこぼれそうだった」と出演者に声を掛けてくれたり、写真を撮ったりと大盛り上がり。舞台上ではさっきまで行われていた芝居の道具を実際に触ってみたり、舞台美術の話を聞いたりとあちこちから興奮さめやまぬ声がしました。

そしてなんと1年生全員!と、2年生の生徒会メンバーのみなさんが片づけを手伝ってくれました。

片付けも「どれを運びますか?」「次は何を運びます?」と、とても積極的。その中で、お手伝いに参加をしてくださった先生方が生徒さんひとりひとりと密に接する姿を見、生徒さんの先生に対する安心と信頼を感じました。出演者とも交流を行いながら、皆さんの学校生活のことや「優しさ」に触れました。おかげさまで、あっという間に終わった片づけ。本当にありがとう。すごく優しい心と、純粋な思いを持っているみなさん、音戸高校で過ごす日々が素晴らしい時でありますように。

お別れは名残惜しいもの。元気いっぱい、頼れる明るい生徒会メンバーが最後の最後までバスを見送ってくれました。ヘレンのツアーメンバーひとりひとりに掛けてくれた声を力に変えて、岐阜県へ向けてバスは走りだします。音戸高校のみなさん、ありがとうございました!

 

不破中学校・北中学校

垂井町教育委員会主催による垂井町青少年合同公演では、不破中学校・北中学校2・3年生のみなさんが、垂井町文化会館の大ホールで『ヘレン・ケラー』を観劇しました。垂井町教育委会では小学校5・6年生と中学校2・3年生に芸術と触れる機会をつくっているそうです。

この日の開演前も、会場から元気いっぱいな声が聞こえてきます。2校の生徒会長さんが観劇にあたり、生徒さんたちに声を掛けてくれました。そのことで、二つの学校が一緒になって一つのモノを見ようという雰囲気が出来上がりました。会場が暗くなると、みなさんの気持ちがいっきに高まったのがわかりました。そして、自分の中で自分と対話しているかのようにしながら、芝居を見ていたのではないかと感じます。みなさんの凛とした姿と視線が舞台を会場を大きく動かしたと思います。あっという間の2時間を過ごすことが出来ました。

カーテンコールでは、座席から立ち上がり「ありがとうございました」とお礼の言葉をいただきました。真っ直ぐで、心に響く、美しい声でした。

終演後は出演者全員でお見送り。バスに乗って帰る北中のみなさんは、バスの中から大きく手を振ってくれました。不破中学校のみなさんも「さよなら!」と、元気に帰っていきました。教育委員会の方が、芝居をとてもよく見ていた生徒さんの姿に感動していました。また、「心に何かを抱えている子がたくさんいるんです、今日子どもたちにとっても先生にとっても、この公演が行えたことはとてもいい機会でした」と子どもたちを想い、彼らの“成長”を願う思いを話してくれました。

 

《自分らしい明日を探しているすべての人々へ》―これは、芸術監督の浅野佳成がヘレン・ケラーの演出にあたり寄せた原稿の題です。自分らしい明日を探したいということが、人を想い、考え、そして願うことへと繋がるのではないか、と、彼らと出会って、いま思います。

アニー・サリバン役 渋谷愛