風のBLOG

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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第9週目

2011-12-20 16:50:56 | 全国巡回公演
トップの写真は日本工業大学駒場中学校アリーナでの夜仕込みの様子

『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』の旅公演は、文化庁“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”「星の王子さま」の1ヶ月の公演を経て、第9週目を迎えました。
2011年秋ツアーもあと4ステージ、その返り初日は静岡県からスタートしました。

12月16日(金) 静岡県 富士市立高校
12月17日(土) 東京都 日本工業大学駒場中学校

富士市立高校の体育館に組み立てられたヘレン・ケラーの舞台。およそ700名の生徒さんと先生方、PTAの皆さんと共に迎えた返り初日。役者・スタッフ全員で星の王子さまで経験してきた時間と舞台をつくるという意味を持ちながら、新鮮な気持ちで臨みました。
芝居が始まってから終演まで、静寂という言葉に近い空間が体育館の中に流れました。言葉は発さなくとも、舞台上から見える生徒さんの表情、そして体の動き、ひそひそと聞こえる反応、その静かな空間の中には生徒さんたちの中に何かを感じてくれている瞬間がちゃんと在りました。今そこで言葉に表さなくとも、いつかここ、富士市立高校で行った公演の日のこと、そこで受け取ったもの、考えたことを振り返ってくれたら、自らが何かを起こす時の勇気のひとつとなってくれたらと私たちは願っています。また、公演後には各クラスの図書委員会の皆さんが片付けを手伝ってくれました。


2階の体育館から舞台道具を運び出してくれる生徒さんたち

この日から全国的に寒くなるとの予報。その予報通り、冷たい風の中、図書委員の皆さんは大きな道具、重たい道具を一生懸命に運んでくれました。片付けの合間、役者に直接感想を話してくれる生徒さん。飾ることなく話してくれるその姿から私たちも元気をもらいました。どうもありがとう!


「僕たちも手伝います!」と声をかけてくれた柔道部の力持ちの生徒さんたち

片付けの後半、柔道部でトレーニングを終えた生徒さん数名が「手伝います」と声を掛けてくれました。次々に荷物を運び出してくれる姿と笑顔がとっても素敵でした。外が暗くなり、トラックの荷台の扉が閉まる最後まで力を貸してくれました。皆さんの勇姿、忘れませんよ!本当にありがとう。部活も頑張ってくださいね。


お手伝いをしてくれた皆さんへご挨拶。またいつか、富士市立高校で、どこかで、お会いしましょう

静岡県からバスを走らせて、旅半は東京目黒区にある、日本工業大学駒場中学校へ到着、開演が午前ということで旅班は夜仕込みを行いました。
体育館に到着するとたくさんの先生方がお手伝いにいらしてくださいました。体育館に組まれていく舞台を見つめる先生方、明日の公演を楽しみにしてくださいとご挨拶をして、私たちは学校をあとにしました。先生方、お世話になりました、ありがとうございました。

翌17日の公演、駒場中学校でも「何が始まるのかな」という静かな空間から芝居が始まりました。だんだんと空間が作られていく中で本当にひとりひとり、様々な反応をダイレクトに舞台に返してくれました。身を乗り出して見てくれた生徒さんも多く居て、芝居は舞台上だけで行われているわけではなく、客席に皆さんがいるからこそ、そこで生まれる交換によって形や色を生み出しながらつくられていくということを肌で感じる時間でした。とても楽しく、いい時間をみなさんと過ごすことができました。


カーテンコールでは綺麗な花束をいただきました、本当に元気の良い生徒さんたちでした

駒場中学校の公演には、九州でツアーを行っていた「ハムレット」のメンバーも見に来てくれました。久々の再会の喜び、公演のことなど話は絶えませんでした。
またハムレット班のメンバーは撤去にも力を貸してくれました。ヘレン班も、もうすぐに迫る凱旋公演を楽しみにしています!
撤去の最中には、中学一年生の男女生徒さんが興味津々に体育館にやって来てくれました。「面白かった」や「この箱はなんだ?」など役者・スタッフとの交流もあり、嬉しい時間でした。また職員室でも「今日の芝居はどうだった?」と先生と生徒さんが話す姿もありました。芝居を通していつもとはまた少し異なる対話が生まれる瞬間を見ることが出来ました。これから先、またふと思い出して話をしてくれたら嬉しく思います。

「ヘレン・ケラー」の旅も終わりが近づいてきました。
来週は千葉県、鎌ヶ谷第二中学校からスタートです。新たな出会いに期待を膨らませて・・・








“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』⑧

2011-12-20 15:18:04 | “文化芸術による子供育成推進事業”
“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』は今ツアー最後の3ステージとなりました。

遅くなりましたが、第4週目の後半に行われた、福山市立大谷台小学校、岡山県立盲学校、そして今旅最後の公演となった岡山県・矢掛町立小田小学校の公演の様子をお伝えします。


福山市立大谷台小学校(126名)


↑大谷台小学校で、午前中舞台見学と一緒に行われた“質問コーナー”。「ライトはいくつあるのですか?」
「どうして星の王子さまを始めたのですか?」などたくさんの質問をしてくれました。

「星の王子さま」は第2次世界大戦のさなか、たくさんの人たちが戦争に巻き込まれたときに書かれた作品…と
みなさんにワークショップの時にお話ししました。この作品には、私たちが人としてなくしてはいけないもの、
くじけそうになった時心を支えてくれるもの、“目に見えない大切なもの”がたくさん含まれています。
そして、みなさんが大きくなってもまた思い出して、読み返してくれたらいいな、と思っています。
みなさんはどんなことを感じてくれましたか?


↑照明のオペレータを体験する児童さん達。6年生が歌う“僕の旅は続く”のリハーサルでは、照明の操作もしてくれました!
6年生もびっくりしていましたね。


↑6年生のみなさん、リハーサルの後の見学では色々な質問をしてくれました。こちらは俳優たちが付けている小型のワイヤレスマイクの説明をしているところ。

岡山県立岡山盲学校(100名)


↑岡山盲学校のカーテンコールで。


↑午前中に行われた舞台見学の様子。小学部、中学部・普通科に分かれてのバックステージ体験が行われました。子どもたちは舞台に上がってみたり、俳優の衣装に触れたり、俳優やスタッフとお話ししたりして、これから見る舞台に期待を膨らませていました。
俳優の名前を覚えていてくれたり、3か月前のワークショップの時の台詞を覚えていてくれたり、みなさんが期待して待っていてくれたことをとても嬉しく感じました。


↑“呑み助”役で出演してくださった先生。先生の突然の場外乱入?に子どもたちはびっくり!先生方の出演で客席がぐっと和やかな雰囲気になりました。校長先生の“地理学者”も大喜びでしたね。本当に有難うございました。

校長先生の出演の後には、“僕の旅は続く”のシーンで小学部6年生、中学部3年生の2人が王子・飛行士と一緒に参加してくれました。2人には王子・飛行士とおそろいのスカーフがリハーサルで手渡されました。舞台での堂々とした姿、まだ目に焼き付いています。一緒に舞台をつくってくれて本当にありがとう。


↑「星の王子さま」ラストシーンで。僕は行くを一緒に歌ってくれました。みなさんが一生懸命舞台に耳を傾け、心と体で見てくれたことが私たちにも伝わってきました。みなさんの集中力には本当にびっくりしました。みなさんは初めてのお芝居どうでしたか?
ワークショップで一緒にやってみたこと、しっかり覚えていてくれましたね。すっと立ち上がる姿が本当に素敵でした。


↑カーテンコールでは代表の生徒さんがお礼を言ってくれました。とてもしっかりした感想でしたね。ワークショップの時から、先生に点字でつくってもらった台本を持って参加してくれていました。いつかまた、この舞台のことを思い出してくれたら嬉しいです。

「真剣に向き合えば、必ず想いは届くこと、そしてそれを信じること」。
もう一度原点に戻り、振り返る機会を得たような気がしました。私たちもたくさんのことを教えてもらいました。ありがとうございました!


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矢掛町立小田小学校(95名)

平成23年度“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』、ツアーの最後の公演となったのは岡山県矢掛町にある小田小学校での公演でした。


↑“呑み助”を演じてくれた先生。


↑“地理学者”を演じてくれた先生。

小田小学校では、若い先生方が出演してくれました。お二人ともとても緊張されていたそうですが、全然感じられない演技でしたよ!児童さん達は毎年学習発表会でお芝居をされているとのこと、ご担当された教頭先生は「いつも指導いている側が舞台に立ってみるのは良い機会。演じてみて“子どもたちはすごいなー”と言っていました」と話してくれました。
児童さんたちも、先生方が出演されてとても喜んでいました。ありがとうございました。


↑こちらは小田小学校6年生の参加の様子。堂々とした様子が伝わってきますね。間もなく卒業する6年生、一緒に舞台に立って歌ったこと、学校生活の一つの思い出として心にとどめてくれたら嬉しいです。


↑公演後のカーテンコールでは、児童さん達が感想を話してくれました。「最初は面白かったけど、あとから感動してきました」という感想が多かったですね。いまは言葉にならなくても、すぐ言葉に出せない想いや、感じたことを大事にしてください。少しの言葉でも私たちにはしっかり伝わってきましたよ。


↑星の王子さまのカーテンコールで。出演の先生方もとてもいい表情ですね。


お忙しい中、公演のためにたくさんの時間を費やし協力していただいた先生方、本当に有難うございました。
みなさんにとってこの公演は、どのような機会となったのでしょうか。
児童・生徒さんを含めお話を聞けたこともありますが、お話しできなかったこともたくさんあると思います。
この公演が、見えない出来事であっても、なにか一つでも子どもたちの今後の生活のなかで、また学校がより闊達な日々を送る
手助けとなることが生まれたなら嬉しく思います。

そして、本番まで一生懸命練習して待っていてくれた児童・生徒さん達に心からお礼を言いたいと思います。
ほんとうにありがとうございました。みなさんとの出会い、忘れません。


『星の王子さま』の旅班は、休む間もなく『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の旅公演へ。
たくさんの出会いを胸に、旅はまだ続きます。