『肝っ玉おっ母とその子供たち』のツアーは早くも第4週目を迎えました。ツアー第4週目は、大阪府・関西大倉高校、京都府・伏見工業高校、大阪府・清明高校、クラーク記念国際高校 大阪キャンパス、島根県・松江商業高校での公演でした。
ツアー中盤を迎えて改めて感じたことは、芸術鑑賞にかける先生方の思いを背負っているということでした。長年芸術鑑賞を行なっていなかった学校、久しぶりに演劇を鑑賞するという学校もありました。先生方からは、「私たちが演劇にかけている熱意を生徒たちに感じてほしい」という声もありました。それは私たちが、子どもたちが見やすい演目、わかりやすい内容、楽しめるだけのものを演じるのではなく、現在高校生で、勉強やスポーツやあらゆる部活動に打ち込んでいる彼らが、今も、もちろんこの先大人になっても常に隣り合わせにあるもの―「人」、人間、その生き方について考え、共感し、批判出来る場であることが重要なことだと感じました。勉強をしていても、部活動の時も、日常生活でも、常に彼らの隣にあるのは「人」の存在です。それはある時先生であり、親であり、親友であるのだと思います。今週は高校生である自分の生活を、ブレヒトが描いた30年戦争の時代に重ね、人が生きるということはどういうことなのか、考え始めたという出会いが多くありました。私たち大人が難しいと思うことも、彼らの想像力を駆り立て、驚くほど細部まで自分と劇とを照らし合わせているのだと感じる旅でした。
一つ一つの公演を大切に、「肝っ玉」の旅は続いていきます。まだ見ぬ人たちとの出会いを求めて。
伏見工業高校の生徒さんは公演前も公演後も舞台設営のお手伝いしていただきました。
芸術鑑賞は初めてとのこと。私たちも皆さんと出会えて嬉しかったです。
クラーク記念国際高校の公演では、公演後ご担当の先生とともに生徒さんが楽屋を訪ねて来てくれました。「私も頑張る」と言ってくれた言葉、私たちも忘れません。
松江商業高校の公演では、公演後演劇部との座談会が行われました。みなさん、いま、この瞬間に集まったメンバーは二度とないメンバーだということを忘れず、チームワークを大切に演劇を楽しんでくださいね。
ツアー中日の祝いは、島根県・松江市の宍道湖畔で行われました。夕日の沈む直前の宍道湖はとてもきれいでした。
『肝っ玉おっ母とその子供たち』のツアー、第五週目は京都府から始まります。また新たな出会いを刻みながら、旅は続いていきます。