勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ / Les héritiers

2016年08月12日 | 洋画(フランス系)
実話に基づく作品。

高校の落ちこぼれ達が、ナチスによるユダヤ人絶滅政策に関するテーマで全国歴史コンクールに参加する事で変わっていくと言うのは、いかにも学生物語にありそうな話ですが、実話という所が凄い。

もっと『凄い』と思ったのが、第2次世界大戦を巡るナチスの非道の歴史を語り継ぐために、“全国歴史コンクール”と言うものがフランスで催されていると言う事。フランスは戦勝国と見られる所もありますが、実際には一部は枢軸側に居たので、歴史を語り継ぐという事は重要なことなんだと思います。自身の負の歴史に目を向けるということは大変ですが、誠実に実行しているんですね。

この作品は、高校生たちが全国歴史コンクールを通じて成長していくという物語と言うところに感動したんですが、もう一つ、やはりその全国歴史コンクールと言うオブラートに包んで表現したナチスによるユダヤ人絶滅政策の非道さに心を動かされました。こんなことは二度とあってはいけないです。

翻って我が国日本。自分の負の歴史にきちんと向き合っているだろうか。誠実に過去を見なおしているだろうか。そう言う問いかけをされたような気がします。

タイトル 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ / 原題 Les héritiers

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2014年/フランス
監督 ジェームズ・バンダービルト
出演 アリアンヌ・アスカリッド(アンヌ・ゲゲン)、アハメッド・ドゥラメ(マリック)、ノエミ・メルラン(メラニー)、ジュヌビエーブ・ムニシュ(イヴェット)、ステファン・バック(マックス)、モハメド・セディッキ(オリバー/ブラヒム)、レオン・ズィゲル(本人、強制収容所の生存者)