勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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バンクーバーの朝日

2014年12月20日 | 邦画
戦前、カナダ・バンクーバーに実在した日系人野球チーム『バンクーバー朝日』。人種差別の嵐吹き荒れる中、体格に恵まれない日系人達が知恵を駆使して西海岸リーグのチャンピオンまで登りつめる物語の映画化。

う~ん、ちょっと物語に厚みが足りないかなぁ。通り一遍の、普通の物語程度に感じてしまいました。残念。出演も、妻夫木聡始め、宮あおいや貫地谷しほり、佐藤浩市など、主役級の俳優陣を揃えているのに、それぞれがあまりクローズアップされることもなく、スーッと表面を通り過ぎた感じ。妻夫木聡は主演のはずなんですけどねぇ。『バンクーバー朝日』と言う実在のチームの活躍をベースに描いているので、こう言う雰囲気になってしまうのは仕方ないのかもしれませんが、もっと物語を盛って盛り上げても良かったのではないかと思いました。特に、宮あおいと貫地谷しほりは、もったいないなぁ。あれじゃぁ、端役の扱いだもんなぁ。

主演の妻夫木聡以外は、亀梨和也と上地雄輔はもちろんの事、勝地涼と池松壮亮と野球経験者を取り揃えての作品なんですが、あんまり野球の事も描かれなかった感じ。アニメと実写では違いますが、もっとタッチ見たいに野球を描くとかあっても良かったと思います。

作品で光ったのは、上地雄輔。彼は、バラエティ番組ではおバカキャラで知られていますが、こう言う映画作品などでは、キリッと引き締まったいい演技をするんですよねぇ。今回も、素晴らしい演技をしていました。

そしてもう一人光ったのは、高畑充希。物語後半、彼女がカフェで朝日のメンバーの前で歌うシーンが有るんですが、ジーンと感動してしまいました。ぶっちゃけ、何とも無いシーンなんですが、彼女の表情にヤラれてしまいましたね。

フジテレビ55周年記念作品らしいですが、出演俳優が無駄に豪華というところにそれが現れています。もっと物語を深堀りすれば、もっともっといい作品になったのにとも思います。

タイトル バンクーバーの朝日
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 石井裕也
出演 妻夫木聡(レジー笠原)、亀梨和也(ロイ永西)、勝地涼(ケイ北本)、上地雄輔(トム三宅)、池松壮亮(フランク野島)、高畑充希(エミー笠原/レジーの妹)、宮崎あおい(笹谷トヨ子/日本語学校教師)、貫地谷しほり(ベティ三宅/トムの妻)、ユースケ・サンタマリア(堀口虎夫)、本上まなみ(杉山せい)、光石研(井上安五郎)、大杉漣(江畑善吉)、田口トモロヲ(松田忠昭)、徳井優(前原勝男)、大鷹明良(河野義一)、岩松了(三宅忠蔵/トムの父)、鶴見辰吾(トニー宍戸)、石田えり(笠原和子/レジーの母)、佐藤浩市(笠原清二/レジーの父)

[2014/12/20]鑑賞・投稿