勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

フューリー / Fury

2014年11月30日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレあり。

第二次大戦終盤の、欧州戦線における戦車乗組員の戦いを描いた映画。

この手の戦争モノでは、新兵が、先輩からのシゴキ、戦場の不合理・不条理、出会いと別れを経験して、一端の兵士になって行くというストーリーが定番だったりしますが、この作品もそのラインを外していません。しかも、その新兵が、何らかの手違いで?送られてきた新兵だったりするという事も、有りがちな設定です。

ブラッド・ピットも良いんですが、意外だったのはシャイア・ラブーフ。トランスフォーマー・シリーズで、お気楽な大学生を演じていた人と同一人物とは思えないですね。若くも、戦場の経験を得て、少し達観した兵士を見事に演じていました。トランスフォーマーの時は、イモだと思っていたんですが、失礼しました。

何と言っても、ラストの戦闘シーンが圧巻。曳光弾のシーンは、空砲に曳光弾を混ぜて撃ったんですしょうか。あとから映像処理で付け加えたとは思えないんですけどね。戦場だと知らなければ、不謹慎ではありますが、赤や緑の光が飛び交ってキレイな光のイルミネーションに見えないこともないですね。実際には、死のイルミネーションかも知れませんが。

そのラストの戦闘シーンも(たぶん)含め、戦車を交えた撮影にあたっては、イギリス・ボービントン戦車博物館よりM4中戦車シャーマンの貸出を受けた他、世界で唯一走行可能なドイツ・ティーガー戦車を、やはりボービントン戦車博物館から借り受けて撮影に挑んだそうで、CGではなく本物の戦車での撮影は、偽物ではなく本物の迫力を感じました。劇中、シャーマンがティーガーに、一発でやられてしまうシーンが有るんですが、あれじゃぁね、苦戦すると思いました。ドイツの工業力恐るべしですね。

ネタバレなので、下の方に書いています。

上の方にも、過去の戦争映画との類似点と言うか、戦争映画でありがちな設定を書きましたが、その設定には書いていないことがもうひとつあります。結局、新兵は成長するんですが、一緒のベテラン達は亡くなってしまうんですよね。って言うか、新兵だけが生き残る戦闘が、一番新兵を成長させたりもするんですが、これもそうだと思いました。

キャッチコピーに“本年度アカデミー賞最有力”とあります。最有力かどうかはわかりませんが、アカデミー賞級の作品には思えました。中々渋いです。

タイトル フューリー / 原題 Fury
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/アメリカ
監督 デビッド・エアー
出演 ブラッド・ピット(ドン・“ウォーダディー”・コリアー/車長)、シャイア・ラブーフ(ボイド・“バイブル”・スワン/砲手)、ローガン・ラーマン(ノーマン・エリソン/新兵、副操縦手)、マイケル・ペーニャ(トリニ・“ゴルド”・ガルシア/操縦手)、ジョン・バーンサル(グレイディ・“クーンアス”・トラビス/装填手)、ジェイソン・アイザックス(ワゴナー大尉)、スコット・イーストウッド(マイルス軍曹)

[2014/11/30]鑑賞・投稿