勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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ザ・シューター/極大射程(2007年)

2007年06月02日 | 洋画(アメリカ系)
2000年「このミステリーがすごい!」海外作品部門第一位となった、スティーブン・ハンターの小説が原作。とってもアメリカっぽいアクション映画です。

原作との違いは、まず主人公の設定。ちょっと前なら、この手の元海兵隊員といえばベトナム帰りで、原作小説もその通りの設定なのですが、21世紀にもなると、流石にいつまでもベトナムを引っ張っているわけには行かないようで、映画での設定は、アフリカの秘密作戦帰りと言うことになっています。それともう一つが、主人公ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォルバーグ)が陰謀に巻き込まれていくその過程ですが、原作ではある特殊加工の施された新開発ライフルの試射という事になっていますが、映画のほうでは、大統領暗殺阻止のためという事になっています。あと、ラストシーンですかね。原作では法廷のシーンになっていますが、映画では大きく違っています。この辺が、原作と映画の主な違いですかね。。

単なるアクション映画には留まっていません。アクションサスペンスと言うジャンルですが、確かにサスペンス。大きな組織の陰謀に巻き込まれているので、誰も見方が居らず、スワガーはしばし、一人での戦いを強いられます。しかしそのスワガーも、ランボー張りの荒唐無稽の超人と言うことではなく、高度な訓練を受けた非常に有能な元兵士と言う描かれ方なので、それほど「それは無いよ!」と言う感じは受けません。むしろ、次はどうなるのかと、ドキドキハラハラさせられます。その意味では、「このミステリーがすごい!」第一位と言うのも納得です。

ダニー・グローバーの役柄にかなり意外感があります。彼は、警官役などが多いですが、こう言う悪役は少ないんじゃないかな。その為か、低い声で、若干聞き取りにくいしゃべり方でした。

かなり頻繁に人が死んでいくシーンがあります。狙撃がほとんどなので、あっけない死に方ですけどね。それでも、私はそれほど嫌な感じはしませんでした。それと、何故だか判りませんが、ほぼ現代の設定のはずなのですが、そうは感じませんでした。それは、この物語の重さなのか、それとも、シリアスな映画のためなのか・・・。スワガーの家のシーンで、机の上に ”9/11” と書かれた本があったので、それ以降という設定だと思うんですけどね。アクションですが、脳みそ筋肉と言うばかりではなく、きちんとサスペンスの要素もあり、見応えのある映画だと思います。

タイトル ザ・シューター/極大射程
原題 Shooter
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督 アントワーン・フークア
原作 スティーヴン・ハンター
出演 マーク・ウォルバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー、ケイト・マーラ、イライアス・コティーズ

[2007/06/02]鑑賞・投稿