片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

形から入る

2008年01月14日 | 私の正論
言うだけでは人の心は動かない。組織とルールを先に変え、形から入る。
大成建設情報企画部長木内里美さんのことば(日経コンピュータ2008.1.15版より)。
たとえば、今年度からのすべての新規案件はシステム部門が精査して承認するプロセスに変えたという。その結果システム部門は、否応なく全社の事業を見渡して、必要なシステムは何かを考えなくてはならなくなった。口でいくら言ってもだめだが、こうやって組織・ルールを変えてやらせ、評価すれば人は変わるとのこと。
木内さんは、土木が専門で、ずっと設計部門におられた方。だからこういった改革ができるだと思う。入社以来コンピュータ部門という人ではできない。
私の予想だが、木内さんはシステム部門に来られて、初めて全社のシステムが見えたのだと思う。ここから見るといろんなことが分かる。システムは事業部門で閉じて考えるとだめだ、全社システムの一部として考えねばだめだと痛感されたのではないかと思う。そんないい立場にいながらシステム部門の人間はその立場を利用していないし、気づいていない。だからムリヤリそれをさせようとしたのだと思う。

私が昔、初めて電子計算機導入準備室に配属されて働き始めたとき、全社の業務フォローを書き、コード体系を決め、どの部分をコンピュータにやらせるか、営業、設計、生産管理、購買、製造、検査、資材、経理、人事など、すべての部門と密接に連携しながら設計を進めたことを思い出した。そのとき思ったのは、ああこの仕事をすれば会社というものが分かるなあ、という実感だった。木内さんのように、事業部門での豊富な経験をされた上でシステム部門に来られると、かなり強烈なインパクトがおありだったと思う、その結果自らが何をなすべきかがはっきり見えておられるのだと思う。今年の貴社の動きを楽しみにしてます。