片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

スーパー秘書・優子物語 第六話

2006年05月31日 | スーパー秘書・優子物語
1999年3月。私はアクシスソフトの社員になった。
シーエーシーを退社するとき、ちょうど50歳になり、好き放題やってきた人生を少し反省し、多少は人の役に立とうと一念発起し、人材派遣のパソナグループの会社に入社した。今アイティットという社名の会社だ。
当時アクシスソフトの社長だった大塚さんは、片貝が人材派遣会社なんか務まるはずはないと、私の転職激励会で、なんと、いつ辞めるかの賭けをしていた。私は真剣だし、人材派遣という仕事に夢を持っていた。転職してとても楽しかった。業績も伸びた。社員もユニークな人が多く(自分が一番か?)、派遣登録にこれらる人も個性豊かで、人間的なお付き合いも相当させていただいた。
転職して2年ほど経ったとき、大塚さんから声がかかり、時々アクシスソフトに遊びに行くようになった。
そこで、実は、Biz/Browserの発明者と出会ってしまった。私の心は揺さぶられ、そして天職と思っていた人材派遣の仕事をやめて、アクシスソフトの社員になった。そこに、昔ライセンスを供与していた「スーパー秘書・優子 for ORACLE」が待っていた。5年ぶりの再会だ。

ソフトメーカの覚悟

2006年05月30日 | Biz/Browser

オラクル社のOPO(Oracle Power Objects:オポ)のことを書いたが、当時のことを改めて思い出してしまった。


シーエーシー時代、入社2年目くらいの社員が、Windowsでもマッキントッシュでも使える言語ソフトがある!ということで、ぜひこれをあるプロジェクトで使いたいと申請があった。それを所属の部長が承認し、事業部長だった私も承認した。そんな夢のようなソフトがあるのかと思ったが、世界のオラクル社が出したソフトだ。疑うことはなかった。


しかしそれがとんでもない代物だった。未完成な言語ソフトがシステムインテグレータにもたらす被害や結果的にエンドユーザに及ぼす甚大な影響を、オラクル社はどう考えていたのか、今でも心臓がどきどきしてくるほど悔しい思いが込み上げる。


オラクル社でOPOのサポートをしていたキーマンも退社し、シーエーシーの優秀なエンジニアも何人か退社した。非難と責任感に押しつぶされた燃え尽き症候群だ。

言語メーカは、絶対に、仕様どおり動くソフトを提供する義務がある。万一バグがあったら、万難を排して、最優先でリカバリーする義務がある。


アクシスソフトも、Biz/Browser、Biz/Designer、Biz/PrintServerを守り抜き、少しずつ発展させる。とても大事なことだ。


 


SFAはユーザにしか設計できない

2006年05月29日 | Biz/Browser
最近恥ずかしい思いをした。
A社がBiz/BrowserでSFAのパッケージを作るという。雛形ができたというの見せてもらった。期待したほどの画面ではなく、ごく一般的なものだった。そこで思わず持論をぶった。「営業マン自身が思わず自発的にきちんとデータを入れてしまうようなシステムにしないとだめだ」、と。
私の持論は、まずスケジュールありき。スケジュールに沿って行動し、その日の結果をスケジュールデータに書き加えることで日報ができる。これならかなり自然にデータ入力ができる。そして、その画面の周辺にさまざまなボタンを設け、行動予定や売上予実績などの一覧やグラフがでるようにすればよい。上司は、それぞれの営業マンが自分自身の利便性のために日々入力しているデータを、覗き見させてもらえばよい。
かなり自信を持って話したつもりだったが、その会社の社長と営業部長はもっと上を行っていた。曰く
「私たちは営業のプロです、そしてBiz/Browserの機能もよく知っています。その私たちが考えるシステムは、もっと自然です」
というのだ。
そこで聞いたアイデアは、許可を得ないと今は話せない。私が脱帽したのは確かだ。コンピュータの使い方をよく知っているユーザ自身が考えたシステムは、コンピュータ屋さんが、いくらこざかしく考えても、遠く及ばない。完成が楽しみだ。

スーパー秘書・優子物語 第五話

2006年05月28日 | スーパー秘書・優子物語

(株)片貝システム研究所は、1994年、世の中のバブルがはじけてからしばらくして、経営が行き詰った。そして、株式会社シー・エー・シーに、営業権譲渡という形で救済していただくこととなり、私も含めて大多数の社員が移籍した。この話はつらい思い出なのであまりしたくない。

しかし、シー・エー・シーの社長であった光山さんには、ほんとうにお世話になった。経営とは何はを学ばせていただいたし、深く人間としておつきあいさせていただいた。心から感謝している。実は私は36歳のとき、11年勤務したシー・エー・シーを飛び出した人間だ。それが47歳でまた舞い戻ることになった。どの顔を下げて戻ったらいいか途方に暮れたが、光山社長の温情で、社員もそれぞれ専門を生かして働けるようになり、私もオープンシステム事業部長ということになった。

時代はC/S全盛時代。VB、PowerBuilder、デルファイの時代だ。この時代、マンマシンインターフェイスが徹底的に追及された。開発も大変、メンテナンスも大変ということで、大変苦労するプロジェクトが多かった。70名くらいの事業部だったが、ついに利益を出すことはできなかった。特にひどい目に遭ったのがオラクル社がWindowsでもマッキントッシュでも使えるということで売り出したOPO(Oracle Power Objects)という言語。言語自体が挙動が不安定で仕様どおり動かないこともある未完成言語だった。結局Cで書き直す羽目になってしまい、疲れ果てた優秀な社員が数名退職する羽目にもなった。

ともあれ、Oliveは、そのような経緯でシー・エー・シーの製品となり、しばらく私の事業部で担当し、大企業に販売していった。スーパー秘書・優子のほうは、シー・エー・シー自体はユーザとして利用したが、製品としてはそこでストップした。

足を向けては寝られない恩義のあるシー・エー・シーだが、三年半経って、私は退社させていただいた。

 


今日は楽迎会の練習

2006年05月28日 | チェロ奮戦記
南さんが主宰するMYアンサンブルの演奏会に、私もチェロで一曲参加することになった。
発表会は二週間後の日曜日だ。今日は最後の練習日。
横浜の南さんのご自宅に集合して、練習とおしゃべり。
南さんとは、20数年以来のお付き合い。旧安田火災時代に代理店システムで深いお付き合いをさせていただいた。南さんは玄人はだしのフルート奏者。そしてピアノ、ヴァイオリン、ビオラ、チェロは、30歳前後のプロの女性たち。どういう経緯でこうなったのかつまびらかではないが、南さんが彼女らを仕切っている。思わず尊敬のまなざして見てしまう。
私がやるのはカザルスの鳥の歌、恐れ多くもプロにピアノ伴奏してもらえる。彼女は、私の勝手な演奏をフォローするために、相当楽譜にコメントを書き込んでいたみたいだが、気にしている余裕は無い。たった2,3分の曲だが必死。

ヴァイオリンのYさん、一番若いが一番意見も言う。ビオラのMさん、落ち着いた存在感がある。チェロのYさん、切れの良いさが小気味いい。ピアノのYさん、大きな心でまとめ役。終わってから新横浜で南さんのおごりで会食。楽しい一日だった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

なぜBiz/Browserを選んだか?

2006年05月27日 | Biz/Browser

やはりK氏のことば。


数千台のパソコンを確実に動かすということは絶対条件。WindowsのバージョンやI.Eのバージョンの違いで挙動がわずかでも異なるようなことがあると、ぎりぎりで画面設計をした場合命取りになることもある。


その点Biz/Browserは、Biz/Browser自身がWindowsやI.Eのバージョン違いを吸収してくれているので、まったく安心できる。アクシスソフトさんは、Windows Update がかかるたびに膨大なテストをやっていて、ほんとうに大変だと思うが、そのおかげで我々は安心してアプリケーションに専念できる。


これがBiz/Browserを選択した最大の理由です、とのこと。


アクシスソフトのテストチームのみなさん、ありがとう!


ラグビーで身についたプロジェクトマネージメント

2006年05月27日 | Biz/Browser

K氏は、インフラ系大手システムインテグレータのファイアーマン。


北に納期遅れをきたしそうなプロジェクトがあれば、飛んで行って立て直し、南に仕様が決まらないプロジェクトがあればそばに寄り添ってあっという間に満足の行く仕様に仕立てる。その原動力は高校・大学とキャプテンを務めてきたラグビーにあると振り返る。


ラグビーは15人対15人で戦う。敵味方30人が今どんな位置関係にあり、それぞれが次に何をしようとしているか、手の取るように分かるという。200人規模のシステム開発プロジェクトでも一人ひとりの動きが分かるのはその時培ったものだと思うという。


K氏は、C++でできていた数千人規模で使う見積もり積算システムのWeb化を成功させた人。SAP R/3で行くか、通常のWebで行くか、リッチクライアントで行くかの中で、リッチクライアントのBiz/Browserを選んでプロジェクトを大成功させた。操作性が従来と変わらないので、システムテストに入ったとき、ユーザが、画面も見ずすごい勢いでデータ入力するのを見たときは驚いたという。そして端末画面の仕様は苦労したクライアントサーバ(C/S)時代に確立していたのだなとつくづく思ったという。ユーザも、操作性が変わらないので安堵の色を浮かべていたという。


基幹業務システムの画面はC/S時代に確立している。これをそのままWebに持っていければいいというケースは多いのではないかと思う、とK氏は言う。


K氏に乾杯。


 


仕様書の品質を問う

2006年05月27日 | 私の正論

プログラムの品質は問われるが仕様書の品質が問題になることは、ない。

なぜか?

仕様書は発注側が書き、プログラムは受注側が作るから。

そもそも、どんなシステムを作りたいのかが(仕様)が曖昧なら、それを受けて作る側は途方に暮れてしまう。それでも納期があるから、何とか形を整える。しかし魂の入っていないシステムは使いにくい。その結果プログラムの問題にされる。プログラムは仕様書を具現化したものだから、本来の責めは仕様書を書いた発注側が追わねばならないと思うのだが。


XMLデータベースとBiz/Browser

2006年05月26日 | Biz/Browser
XMLデータベースが注目されている。
シェアNo.1といわれるNeocoreが有名だが、そのNeocoreのフロントでBiz/Browserが使われた例がある。
XMLデータベースは、対象が一義的に決められないデータを扱うのが得意だ。利用した例は、コールセンターシステム。コールセンターは、ユーザからいろんなことを言われるが、それを的確にデータベースに反映し、集約されたデータを、以降の顧客対応や、製品開発に生かさねばならない。データベースをRDBで構築すると、運用しているうちに必ず項目が不足する、だからといって必要な項目を次々と追加して行ったのではスカスカのテーブルになり非効率だ。XMLデータベースなら、その問題は解決できる。いい意味で行き当たりばったりで項目追加ができる。
一方Biz/Designerは、操作画面の変更にはそれほどの技術を必要としないので、コールセンターのスーパーバイザーでもできる。
システムを使いながら、使う人がメンテナンスできるシステム。XMLデータベースとBiz/Browserを使うと、そんなこともできる。

ロボットが人間を支配する日

2006年05月25日 | 私の正論
今日の朝日新聞の記事が目に飛び込んできた。

「念じた通りにじゃんけんロボ」

人間がチョキを出したらロボットもチョキを出す。非接触で脳の情報を読み取り、ロボットハンドに人間と同じ動きをさせるという。京都にある、国際電気通信基礎技術研究所とホンダの共同研究チームが成功させたものだという。正答率は90%という。目的は身体の不自由な人が念じたら動く介護ロボットへの応用という。

技術者は人間性善説で発想し行動する。ここに根本的な誤りがある。技術は必ず悪意で使われるものだという基本認識を持って欲しい。この技術で、90%以上の確率で人間とのジャンケンに勝つ意地悪ロボットを作れるし、多少でも他人の思っていることが分かれば、相手を手玉に取るようなソフトを作ることもできる。悪意でこの技術を使うとしたら何ができるか、開発者は常にそういった視点で、自分のやっていることを確認して欲しい。
100年前SFだったことで、今当たり前になっていることは山ほどある。きっとロボットが人間を支配する時代も目前だ。人間の知的欲望は、結局、死なない人間(ロボット)を作ることに、最終的に向かうのだろうか。

IdbAとBiz/Browser連携

2006年05月25日 | Biz/Browser

サイオ社のIdbAとBiz/Browser連携のセミナーが開かれた。
IdbAは、サーバ側は従来型のHTMLシステムの画面を、クライアントで表示する前にばらしてしまい、データ部分のみ抽出し、Javaで書いたプログラムで自由にマンマシンインターフェイスを作り出すものだ。複数銀行とファームバンキング契約をしている企業や、複数のショッピングモールに出店している企業などが、ひとつの統一された画面で操作できるようにつくることができる。
特徴は、サーバサイドに手を入れることがないことだ。しかし、Javaでクライアント側を作りこむのは、それなりの手間がかかる。そこで、Biz/Browserと組み合わせることで、開発とメンテナンスの問題が解決できるといった期待が持てる。
技術的な問題はほぼクリアしたようだ。

Web2.0時代のBiz/Browserの立ち位置

2006年05月24日 | Biz/Browser
有史以来の企業の基幹業務システムは、残念ながら、人間が人手でやってきたことを置き換えただけだ。ただ早くなっただけ。
しかしこれからは違う。交通費の精算システムを作るとき、ジョルダンのWebサービスを使えば、交通費はたちどころにわかる。自動車の修理工場のシステムを作るとき、車種、年式、破損箇所を入れれば標準修理代金を返してくれるWebサービスもある。インターネットの向こう側には、絶対に自分では作れない凄いサービスが続々と登場している。セールスフォースのように基幹業務の基盤を提供する会社も現れてくる。
ここで大事なのがWebのこちら側だ。
画面の操作性、応答速度、ワークフロー、印刷など、具体的な人間とのインターフェイスを、ユーザのニーズに合わせて、きめ細かく構築し、容易にメンテナンスできねばならない。
Biz/Browser,Biz/Designerは、その期待を絶対に裏切らないし、そのためのミドルウェアだ。
Web2.0の向こう側とこちら側をつなぐミドルウェア、それがBiz/Browserだ。



スーパー秘書・優子物語 第四話

2006年05月24日 | スーパー秘書・優子物語
当時、山之内製薬へスーパー秘書・優子を売り込んでいた。
山之内では、社員が使うのではなく、役員秘書が使うシステムを求めていた。
つまり、一般社員が秘書がわりにつかうグループウェアではなく、秘書の本業、いわば秘書にとっての基幹業務での利用を考えていた。細かい話はしないが、それにはさすがに機能不足、というより視点が違う。
山之内では、費用は出すからWindows版で作ってくれとのことだった。
それからwindows2.0とか2.1とかとの戦いが始まった。言語はVBの初期バージョン。悪戦苦闘の末、完成。日本橋の本社に納品できたときは、さすがにほっとした。
このバージョンは、Oliveと名づけられ、株式会社
シーエーシーの製品として、現在はWeb版にもなっている。
超大手企業の秘書業務を支援するシステムとして圧倒的なシェアを占めていると思う。
当時の、VBのアプリケーションパッケージとしては、ほとんど最初だったのではないかと、これを書いていて思った。1991年か2年ころの話しではないだろうか。
そういえば、商品名を社内募集したとき、Oliveという名前で応募したSEを思い出した。身長はそれほどないが、まさにポパイのオリーブのようなさわやかな女性だ。今でもある会社のSEとして活躍している。

スーパー秘書・優子物語 第三話

2006年05月23日 | スーパー秘書・優子物語
1985年に設立された日本オラクル。informixでできている「スーパー秘書・優子」が欲しくて仕方が無い。当時の常務の熊坂さん、アクシスソフト初代社長の大塚さんに頼んで、私にコンタクトしてきた。オラクル版を作って欲しいというものだ。
しかし私は当時informixパートナー会の会長のようなことをしていて、その立場でオラクル版を作るわけにはいかないが、アクシスソフトで作るというのなら、まったく同じ仕様で作るライセンスをお渡ししましょうと言った。
そして「スーパー秘書・優子 for ORACLE」が誕生し、オラクル社内のグループウェアとしてしばらく使われた。
そうこうしているうちに、マイクロソフトが、なんとかマッキントッシュをキャッチアップしWindows2.0を出してきた。まあ、バグだらけでほとんど使い物にならず、しばらくはベータのままだったが、ある時、山之内製薬(現アステラス製薬)から声がかかった。以下次号

J-SOX法対応のためのIT内部統制基盤としてのミドルウェアの重要性

2006年05月23日 | Biz/Browser
今日、XMLデータベースであるNeoCoreセミナーがあった。
基調講演でアイ・ティ・アールの内山悟志氏の話があった。とても分かりやすいすっきりした講演だった。内山さんが最後に、内部統制の強化において、有効で適正なアプリケーション基盤としてのミドルウェアの重要性が認識され、アプリケーションの実装方法としてSOAおよび標準技術としてXMLが注目されるとおっしゃった。
これは、まさにBiz/Browserのことを言っていると勝手に実感した。
講演が終わって名刺交換をさせていただいた。こんどお伺いしてBiz/Browserのご紹介をさせていただき、ディスカッションさせていただこうと思った。