私のチェロの先生の黄原亮司さんという方がいます。
中国にいた子供時代はチェロの神童と言われ、田中角栄が日中国交正常化のため
に中国に行ったとき御前演奏をしたような方です。
でも文化大革命などがあって中国では音楽活動はできないと諦め、チェロを捨て
て日本に渡りました。
日本では経済学かコンピュータを学ぼうと思っていました。
しかし日本語の壁が厚く、なかなか目的が果たせないまま新大久保のガソリンス
タンドで洗車のアルバイトをしながら悶々としていました。
近くには東京交響楽団の練習場があり、目の前を楽器を担いで談笑しながら通り
過ぎていきます。
かつての自分は上海交響楽団に属しており、東京交響楽団は姉妹楽団で、交流が
あったのだそうです。
自分は何をしているのかと、すっかり落ち込んでしまったそうです。
そんな中キリストの教会の方に声をかけられ、教会で求められるままにチェロを
弾いたところ、みなさんが涙を流して喜んでくれたのだそうです。自分の演奏を
喜んでくれる人がいるということを初めて体験したのです。それまでは技巧に走
り、これでもか、これでもかといった演奏をしていた自分はなんだったのかと思っ
たそうです。
それから芸大の大学院を卒業しアメリカ留学もして、東京交響楽団のチェリスト
として、また個人での演奏活動家として、喜んでもらえることを目的にどこへで
も出かけて演奏されてます。
黄原さんの音色は実にさまざまです。
どんな気持ちで弾くのかと聞いたところ、過去の絶頂期の気持ちや、母親から別
れて日本に来るときの気持ちなど、いろいろ思い浮かべながら弾くのだそうです。
絶頂と絶望を味わった演奏家であり、人の情けのわかる演奏家なのです。
ですから私のような者にも実に親切に教えてくれるのです。
その黄原さんにお願いして、年に一度私の知り合いを中心にお声がけし、コンサー
トを開いてもらうことにしました。
前置きが長くなりました。
日時:10月19日(土) 14:00から16:30
場所:東京都新宿区百人町1-17-8
淀橋教会2階 小原記念チャペル
http://www.yodobashi-church.com/
興味がおありの方は、私宛メールをください。
パンフレットを送ります。
全部で120席の会場ですので家庭的な雰囲気でお聴きいただけます。