ゆるゆるらいふ

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【観劇メモ】パートタイマー秋子

2024年02月08日 | 演劇

【パートタイマー秋子】

作・演出 永井愛

2024/2/1 東京芸術劇場シアターウエスト

 

科捜研の沢口靖子さんがなんとローカルスーパーマーケットのパートに
 
ということで、池袋にある東京芸術劇場に出かけてゆく。
 
 
 
 
高級住宅地成城に住むセレブ主婦秋子(沢口靖子さん)が夫の失業で働き始めたスーパーがかなりのディストピア。
従業員が品物をこっそり持ち帰ったり、賞味期限を改ざんしたり、いじめがあったり、店長を追い出そうと画策したり・・・。
いい人そうな店長も実はなかなか曲者だったり。
それ程の罪悪感もなく、当然のことのようにさらっといけないことをやっちゃう。
 
清廉潔白・純粋無垢だった秋子もだんだん長いものに巻かれていき・・・。
 
社会のいろんな不正の縮図がスーパーのバックヤードに集約されていて、笑ったりハラハラしたり、憤ったり。
 
沢口靖子さんが演じるセレブ主婦秋子は
世間知らずゆえのたくましさ、鈍感さがあって、
何を言われても、何をされても、お人形のような美しいお顔でポカンとしてやり過ごす感じがなんともぴったり。
 
先輩アルバイトの生瀬さんがはらはらしながら見守るさまが微笑ましい。
 
やがて秋子はタイムセール時のアイドルになってファンもでき、
ゴタゴタで先に店を去った生瀬さんが戻ってきたときにはすっかり毒されて・・・
 
永井愛さんの舞台は、いつも社会の触れてはいけないというか触れずにやり過ごそうとしがちな問題にスポットをあてていて、
自分の中にもある、知らず知らず見て見ぬふりをしたりあきらめたりしてきた部分を思い出し、心がチクチク、ドキッとする。
 
あ、仕事で不正なんてしていませんよ!(笑)
 
それにしても、沢口さんってテレビで観てても思うけど、演技が上手いんだかなんだかよくわからない。
失礼ながら、ちょっと棒読み感がいなめない。
感情を込めてるのか込めてないのか、そういう演技なのか・・・
舞台で演じるっていうのもちょっと意外な気がした。
 
ただ、今回の「掃き溜めに鶴」的な神々しさと美しさはさすがです。
 
先輩役の生瀬勝久さんが登場すると存在感と安心感があり、なにやらググっと締まる気がした。
 
店長さんを演じる亀田佳明さんが、どこかで見たな~とずっと思いながら見てたら、
朝ドラ「らんまん」だった。
大学で植物画を描いていた人。
 
小さな不正への罪悪感の無さも、
今政治家の皆さんが暴かれてしまった様々な大きな問題の罪悪感の無さも
根っこは同じなんだろうな、としみじみ考えさせられた舞台だった。
 
 
 
 
 
 
 

 


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