暑い暑い日曜日、世田谷パブリックシアターに出かけて行く。
作 木下順二 演出 野村萬斎
「子午線の祀り」と言う舞台を観るために。
お付き合いしてくれたのは高校の同級生。
昨年末、文楽に連れて行ってもらってから、その後野村萬斎の狂言を一緒に観て、
その時にもらったチラシで、今回のこの舞台も観ようということになった。
キャストにばかり目が行って、内容をあまり考えていなかったけれど、
源氏と平家の壇ノ浦の闘いの話しだった。
開演前のロビーには、村田雄浩さんをはじめとする数人の出演者が、黒シャツと黒いパンツの普通のいでたちで、
まるで演劇を観に来たかのように普通にうろうろしていた。
舞台中央にろうそくのような灯りをかざしている若村麻由美さんが現れ、天に向かって一筋の光が伸びると、出演者が客席通路から
ゆっくりと舞台に集まっていく。
野村萬斎さんは新中納言知盛(しんちゅうなごんとももり)
若村さんは舞姫、影身の内侍(かげみのないし)
一の谷の合戦で海に追い落とされた平家。
知盛は和平のため、影身を京へ遣わそうとし、お互いの愛を確かめあったのに、
三種の神器を盾に新しい日本国の存立を画策する村田雄浩さんが演じる阿波民部重能(あわのみんぶしげよし)は
影身を殺してしまう。
一方、源義経は、戦いへの備えに加え、潮の流れも味方につけて、壇ノ浦で平家を追い詰める。
戦の法を破って、非戦闘員も切り捨てる義経はちょっと卑怯。
そして軍のトップにしてはちょっと子供っぽい。
弁慶がいなければどうなっていたことか。
そして弁慶役の星智也さんがとても素敵。
平家物語の文章がそのまま引用され、朗読劇のようになったかと思えば、キレキレの闘いのシーン。
萬斎さんの動きはとにかく美しい。
平家側と源氏側が交互にあらわれ、それぞれの思惑、葛藤、野望を語っていく。
それぞれの立場での苦悩があり、部下をどこまで信じられるか、部下はどこまでついてきてくれるのか、裏切られても許せるか・・・
さまざまな想いが交錯する。
とても悲惨なお話しであるのに、友人と私は後半ちょっと笑いをこらえていた。
それは義経役の成河さんのせい。
髪型がおよそ武将らしくなく、逆立っている。
衣装が赤い裃のような・・・。
声がとても高くてキンキンしている。
というこのいでたちが、失礼ながら途中からドラゴンボールの悟空にしか見えなくなってきてしまった。
髪の色が金色だったらスーパーサイヤ人だ。
笑うシーンではないので必死にこらえてふと隣を見ると、友人もこらえている。
同じツボにはまったらしい。
なんて不謹慎な二人・・・。
地理も歴史もとにかく社会科全般に弱い私なので、途中で眠くなってしまうかも、とちょっと不安だった。
けれど、そんなことがわからなかったとしても、とてもひきこまれて、休憩を含めての約4時間、
かなり集中できたと思う。
開演前と休憩時間に色々と解説してくれた友人に感謝。
始まりと同じように、終わりも灯りを携えた若村さんが舞台に一人。
そして、全員でカーテンコール。
千秋楽ということもあってか、ほぼ全員がスタンディングオベーション。
出演者の皆さんは舞台から降りて、客席通路から退場。
最後の最後まで素敵だった。
平家物語の言葉の美しさにもうっとり。
このところ、文楽とか歌舞伎とか狂言とか、日本の伝統芸能に触れる機会が続いている。
日本の文化、日本語の美しさを再認識した日曜の午後でした。
作 木下順二 演出 野村萬斎
「子午線の祀り」と言う舞台を観るために。
お付き合いしてくれたのは高校の同級生。
昨年末、文楽に連れて行ってもらってから、その後野村萬斎の狂言を一緒に観て、
その時にもらったチラシで、今回のこの舞台も観ようということになった。
キャストにばかり目が行って、内容をあまり考えていなかったけれど、
源氏と平家の壇ノ浦の闘いの話しだった。
開演前のロビーには、村田雄浩さんをはじめとする数人の出演者が、黒シャツと黒いパンツの普通のいでたちで、
まるで演劇を観に来たかのように普通にうろうろしていた。
舞台中央にろうそくのような灯りをかざしている若村麻由美さんが現れ、天に向かって一筋の光が伸びると、出演者が客席通路から
ゆっくりと舞台に集まっていく。
野村萬斎さんは新中納言知盛(しんちゅうなごんとももり)
若村さんは舞姫、影身の内侍(かげみのないし)
一の谷の合戦で海に追い落とされた平家。
知盛は和平のため、影身を京へ遣わそうとし、お互いの愛を確かめあったのに、
三種の神器を盾に新しい日本国の存立を画策する村田雄浩さんが演じる阿波民部重能(あわのみんぶしげよし)は
影身を殺してしまう。
一方、源義経は、戦いへの備えに加え、潮の流れも味方につけて、壇ノ浦で平家を追い詰める。
戦の法を破って、非戦闘員も切り捨てる義経はちょっと卑怯。
そして軍のトップにしてはちょっと子供っぽい。
弁慶がいなければどうなっていたことか。
そして弁慶役の星智也さんがとても素敵。
平家物語の文章がそのまま引用され、朗読劇のようになったかと思えば、キレキレの闘いのシーン。
萬斎さんの動きはとにかく美しい。
平家側と源氏側が交互にあらわれ、それぞれの思惑、葛藤、野望を語っていく。
それぞれの立場での苦悩があり、部下をどこまで信じられるか、部下はどこまでついてきてくれるのか、裏切られても許せるか・・・
さまざまな想いが交錯する。
とても悲惨なお話しであるのに、友人と私は後半ちょっと笑いをこらえていた。
それは義経役の成河さんのせい。
髪型がおよそ武将らしくなく、逆立っている。
衣装が赤い裃のような・・・。
声がとても高くてキンキンしている。
というこのいでたちが、失礼ながら途中からドラゴンボールの悟空にしか見えなくなってきてしまった。
髪の色が金色だったらスーパーサイヤ人だ。
笑うシーンではないので必死にこらえてふと隣を見ると、友人もこらえている。
同じツボにはまったらしい。
なんて不謹慎な二人・・・。
地理も歴史もとにかく社会科全般に弱い私なので、途中で眠くなってしまうかも、とちょっと不安だった。
けれど、そんなことがわからなかったとしても、とてもひきこまれて、休憩を含めての約4時間、
かなり集中できたと思う。
開演前と休憩時間に色々と解説してくれた友人に感謝。
始まりと同じように、終わりも灯りを携えた若村さんが舞台に一人。
そして、全員でカーテンコール。
千秋楽ということもあってか、ほぼ全員がスタンディングオベーション。
出演者の皆さんは舞台から降りて、客席通路から退場。
最後の最後まで素敵だった。
平家物語の言葉の美しさにもうっとり。
このところ、文楽とか歌舞伎とか狂言とか、日本の伝統芸能に触れる機会が続いている。
日本の文化、日本語の美しさを再認識した日曜の午後でした。