観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

3羽のダイシャクシギ

2017-11-30 20:19:02 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 9時00分 潮位 86cm
今日の満潮時間15時19分 潮位219cm

 

今日の庄内川河口は昨日と同じく曇りでしたが、雲が昨日より薄く、短い時間ではありましたが日も差しました。

 

潮がだんだんと良くなってきて、今日の最大干潮である9時頃には、広い干潟が見られました。

野鳥観察館の望遠鏡で干潟を観察していると、ハマシギの姿は昨日よりさらに少なかったですが、護岸近くの干潟にダイシャクシギを発見。しかも3羽!

近くでダイシャクシギを見られるのは比較的珍しいので、干潟を近くまで見に行きました。

干潟に近づいていくとまず見えたのは、干潟の縁で餌をとる多数のカモの姿。コガモなども混じっていますが、ほとんどはオナガガモです。

オナガガモのオスはほとんどが換羽を終え、遠くからでも白い首と長い尾で判別がしやすくなりました。

 

 

そして、さらに干潟に近づくと、いました。ダイシャクシギ!

最初に見付けた個体(↓の左手前)は、3羽の中で身体が一番大きく、他の個体に比べて白っぽい色合いでした。

早い足取りで干潟を歩いて、その長ーいくちばしでヤマトオサガニを干潟の穴から何度も捕まえていました。

食べる前にカニの脚を何本か取って、ごっくんと飲み込みます。その後、取った脚も全部拾って食べていました。

その他の2羽はこちら↓。こちらの2羽もカニを食べている様子が観察できました。

しかし、しばらくすると一斉にカモが飛び上がり、これにびっくりしたのか、ダイシャクシギ3羽も干潟を飛び立ちました(猛禽類が出たのかもしれませんが、確認できませんでした)。

ダイシャクシギは飛ぶと白色の腰が目立ちます↓。

3羽とも対岸の導流堤脇の干潟へ飛んで行ってしまいました。

しかし、この後も護岸近くの干潟に何回か飛来していました。

近くでダイシャクシギを観察できるのは嬉しいのですが、その一方で、導流堤の脇(庄内川右岸)の干潟がかたくなってきて、餌となるヤマトオサガニが減少しているために、護岸近く(庄内川左岸)の干潟にやってきているのではないかと心配もしています。

 

護岸近くの干潟では、ダイゼン2羽も餌を探していました。ダイゼンはゴカイを食べているのをよく観察できますが、カニを食べていることも。

コンクリート護岸ではイソシギをみつけました。

 

その他、庄内川河口で観察できた鳥たちをご紹介。

護岸で休むコガモ。こちらも換羽を終えた個体が多くなっています。目の周りが緑色の個体が繁殖羽のオスです。

オカヨシガモのペア。左が繁殖羽のオス、右がメスです。

ヒドリガモのペア。上と同じく、左が繁殖羽のオス、右がメスです。オスのピューィという鳴き声が特徴です。

ヨシ原にはオオジュリンの群れがいました。揺れるヨシや、ヨシの茎の皮をオオジュリンがめくる音などで、オオジュリンがいることは分かるのですが、なかなか体全体を見ることができません。

ヨシ原には、スズメの群れも。こちらは、のんびり日向ぼっこをしていたようです。

 

☆明後日は、12月の「渡り鳥調査隊」を実施します。
 
日時:12月2日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、防寒着、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160
 ※詳細はこちら(PDF)をご覧ください

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ5カンムリカイツブリ101カワウ4,570、ダイサギ3、コサギ22、アオサギ35、マガモ28、カルガモ87、コガモ178、オカヨシガモ5、ヒドリガモ39、オナガガモ1,583、ハシビロガモ2、ホシハジロ7、キンクロハジロ95、スズガモ304、ミサゴ34、チュウヒ1(♀)、シロチドリ7、ダイゼン12、ハマシギ35、イソシギ1、ダイシャクシギ3、ユリカモメ13、セグロカモメ5、オオセグロカモメ2、ズグロカモメ18

明日の干潮時間 9時54分 潮位 81cm
明日の満潮時間16時00分 潮位231cm

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ナンキンハゼとクスノキの木に

2017-11-29 18:26:48 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 7時56分 潮位 91cm
今日の満潮時間14時33分 潮位207cm

 

昨日の気持ち良い青空はどこへ行ったのか、今日はどんより曇り空で時折雨も降りました。

しかし、稲永公園はヒヨドリの大きく鋭い鳴き声が響いており、にぎやかでした。

公園内のナンキンハゼがたくさん生えている場所に行くと、赤く紅葉した葉っぱはすっかり落ちていました。

そして、今日は、20羽近いキジバトがナンキンハゼの白い実を一生懸命食べていました。

細い枝に止るだけでも大変そうなキジバト。 

枝先の白い実まで首を伸ばして、

実を咥えて思いっきり引っ張って、実をちぎり取ります。

でも、実はなかなかちぎり取れないようで、体勢を立て直しながら、何度も挑戦していました。

 

こちらのキジバトはバランスを取るのがうまかったようで、実を何個も続けて食べていました。

 

続いて、近くの木にみつけたのは、ツグミ。

隣に生えていたクスノキの木にツグミの群れがおり、クスノキの実を食べていました。

別のクスノキの木には、ヒヨドリがおり、ヒヨドリもクスノキの実を食べていました。

 

最後は、木の実を食べる鳥ではなく、小さな猛禽類とも言われたりするモズ。木に止まっているのを観察していると、たまに尾をぐるぐると振ります。

 

なお、今日、庄内川河口で観察できたシギ・チドリは、シロチドリ30、ダイゼン66、ハマシギ99、イソシギ1 とお天気が悪かったのに少なめで、ダイシャクシギの姿はみつけられませんでした。

明日からはだんだんと潮が良くなってくるので、たくさんのシギ・チドリが見られることを期待したいと思います。

 

☆「藤前干潟写真展~藤前干潟の風景・生き物~」は明日までです。

8月26日~9月24日に名古屋市野鳥観察館2階で行っていた藤前干潟写真展を、場所をエコパル(名古屋市環境学習センター)に移して行っています。→作品募集案内(募集は終了)と展示の詳細はこちら(PDF)

展示期間:11月1日(水)~11月30日(木)9:30~17:00
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
展示場所:エコパルなごや(名古屋市環境学習センター 名古屋市中区栄1-23-13 伏見ライフプラザ13階)

 

明日の干潮時間 9時00分 潮位 86cm
明日の満潮時間15時19分 潮位219cm

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稲永公園の秋も終盤

2017-11-28 19:09:44 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 6時38分 潮位 93cm
今日の満潮時間13時35分 潮位197cm

 

今日は快晴。稲永公園では、青い空に紅葉が映えて見えました。

イチョウとトウカエデ↓。

サクラ↓。稲永公園のサクラの葉はほとんどが散って、真っ赤な葉が少し残るのみになっています。

モミジ↓。

稲永公園で、紅葉が楽しめるのもあともう少しだと思われます。

 

今日は晴れた上に、風がなく、穏やかで暖かい日となりました。

犬の散歩や散策に訪れる人も多く、その中には庄内川護岸でのんびり風景を眺めている方も見かけました。

その上空を飛んでいたミサゴ↓。

 

稲永公園では、小鳥たちをたくさん観察できました。

今季、写真は初掲載のツグミ↓。

アキグミの実を食べるカワラヒワ↓。

同じくアキグミの実を食べにやってきたメジロ↓。

この他、稲永公園ではジョウビタキ、モズなども観察できました。

 

さて、今週末の12月2日(土)は今年最後の渡り鳥調査隊を行います。

秋に渡ってきたカモたちが衣替え(換羽)を終えてきれいな姿になってきており、カモの種類の見分けや、オスとメスの姿の違い、しぐさ・行動を観察しやすくなっているので、カモの観察もおもしろいと思います。

ぜひご参加ください。

【12月の藤前干潟の渡り鳥調査隊】
 日時:12月2日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、防寒着、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160
 ※詳細はこちら(PDF)をご覧ください。

 

明日の干潮時間 7時56分 潮位 91cm
明日の満潮時間14時33分 潮位207cm

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ズグロカモメ

2017-11-26 20:20:31 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間11時10分 潮位193cm
今日の干潮時間17時20分 潮位128cm

 

一昨日、ハヤブサに捕えられる様子が観察されたズグロカモメ。

しかし、その後も庄内川護岸近くには、干潟が現れると12~13羽のズグロカモメがやってきて餌となるカニを探しています(藤前干潟全体では20羽以上のズグロカモメを観察できるようになってきています)。

 

干潟の上を餌を探しながらフワフワ飛ぶズグロカモメの若い個体↓。

 

同じく下の干潟を見ながら飛ぶズグロカモメの成鳥↓。 

干潟にいるカニ(ヤマトオサガニ)をみつけると干潟に急降下して、降り立った瞬間にカニを捕まえます。

そして、足を外さずカニを丸飲みしていることもよく見かけます。ベンケイガニなどと比べてハサミや足が細いのヤマトオサガニとは言え、飲み込む際に喉を傷つけないのか心配になるのですが・・・。 

 

昨年の11月23日の日記にも書きましたが、ズグロカモメの藤前干潟への飛来数は約30年前は1~2羽でしたが、ここ近年は飛来数が増えています。

一方、ズグロカモメに姿がよく似るユリカモメの飛来数は藤前干潟では減っており(すぐ近くの中川運河などではユリカモメを多数見かけますし、風の強い日は藤前干潟への飛来数が増えます)、今シーズンの今までのところはユリカモメよりズグロカモメの飛来数が多い日も少なくありません。

 

もちろんカニ・魚なども食べますが、雑食の傾向のあるユリカモメと違って(稲永公園のクスノキの実を食べるユリカモメも観察できています)、動物食で藤前干潟ではヤマトオサガニを特に好んで食べているズグロカモメ。 藤前干潟が良い餌場だと知り、渡ってくるズグロカモメが増えているのでしょうか。

 

こちらは、昨日の庄内川で確認されたオオタカ(亜成鳥)。藤前干潟ではハヤブサ、チュウヒ、ミサゴ、トビだけでなく、オオタカ、ハイタカなどの猛禽類を頻繁に観察できるようになっています。 (オオタカの写真は地元のHさんに提供いただきました。)

 

【今後の藤前干潟のイベント等】

☆11月1日(水)~11月30日(木)「藤前干潟写真展~藤前干潟の風景・生き物~」@名古屋市環境学習センター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)
 8月26日~9月24日に名古屋市野鳥観察館2階で行っていた藤前干潟写真展を、場所をエコパル(名古屋市環境学習センター)に移して行っています。→作品募集案内(募集は終了)と展示の詳細はこちら(PDF)


☆12月2日(土) 藤前干潟の渡り鳥調査隊~12月~@名古屋市野鳥観察館
 渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)


☆2018年1月20日(土)藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし」@稲永ビジターセンター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)→詳細はこちら(11月23日の日記)

 

※明日(27日(月))は休館日です。
明日の満潮時間12時22分 潮位191cm
明日の干潮時間19時01分 潮位118cm 

28日(火)の干潮時間 6時38分 潮位 93cm、20時11分 潮位 98cm
28日(火)の満潮時間13時35分 潮位197cm

コメント (2)
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ハヤブサ対チュウヒ

2017-11-24 19:02:58 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 9時25分 潮位209cm
今日の干潮時間15時00分 潮位119cm

 

今日は、昨日よりは幾分かましでしたが、風の強い日でした。

しかし、稲永公園にはポケモンGOをしに訪れる人がここ1週間くらいで少し増えています。

もちろん昨年の夏から秋にかけての人出には比べものになりませんが、今日はスマートフォンを見ながら歩いている人を野鳥観察館周辺で絶えず見かけました。

 

今日の庄内川河口では、ハヤブサの狩りを見られたそうですので、ご紹介します(今日の写真はすべて地元のHさんに提供いただきました)。

庄内川河口の干潟を見ていると突然現れたハヤブサ。

干潟の上を飛んでいたズグロカモメの若い個体(左)を追いかけます。ズグロカモメはしばらく必死で逃げ回っていましたが、ハヤブサに追いつかれ、捕まってしまいました。

すると、そこにオスのチュウヒ(右下)が現れ、ハヤブサの獲物を狙って追いかけ始めました。

チュウヒ(右上)が追いかけて(ハヤブサはズグロカモメを掴んだままひっくり返って飛んで逃げていることも↓)、

追いかけて、

追いかけて、あともう少しでハヤブサに届く、という場面が何度かあったのですが、チュウヒはついに諦めました。ハヤブサはズグロカモメを掴んだまま、西へ去ったそうです。

 

この後もチュウヒが何回か現れ(今日は2羽が観察できています)、その度にカモやシギ、ヨシ原にいる小鳥などが逃げていました。

逃げ飛ぶオナガガモの群れ↓。

 

なお、今日、庄内川河口で観察できたシギ・チドリは、シロチドリ23、ダイゼン61、ハマシギ388、アオアシシギ3、ダイシャクシギ2 でした。

干潮時間が午後の遅い時間になってきて、干潟が出てから飛来するシギ・チドリは逆光の中での観察となり、カウントもつらいです。

 

また、稲永公園では、冬鳥を頻繁に観察できるようになってきています。

ウグイス↓。

メジロ↓。

ビンズイ↓。

この他、シロハラやツグミも観察できました。

 

明日の満潮時間10時11分 潮位200cm
明日の干潮時間15時54分 潮位126cm

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