観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

6月最終日

2017-06-30 19:48:32 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間10時13分 潮位198cm
今日の干潮時間16時30分 潮位 85cm

 

昨晩から今日の明け方にかけて雷とともに激しい雨が降った名古屋周辺。

今朝も庄内川河口では、傘をさしていてもずぶ濡れになるほどの強い雨が一時降っていました。

開館後は、激しく雨が降ることはありませんでしたが、お昼過ぎまではしとしとと雨が降り続けました。

午前中、まだ干潟の出ていない庄内川河口の護岸では、カワウが集まっていました。

 

 

このカワウの群れを護岸で撮影していたときに、足元を見るとワカメのようなこの物体がたくさん目に留まりました。

雨が降ると、稲永公園の庄内川護岸すぐそばの芝生やコンクリートの地面にたくさん出現する黒緑色っぽい、ブニュッとしたこの物体。

 

近づいて見てみるとやっぱりワカメに似ていますが、「イシクラゲ」という名前で、藍藻という藻類の仲間だそうです。

 

数年前にお隣の稲永ビジターセンターのスタッフから、この「イシクラゲ」の存在を教えてもらってから、見る度に不思議な生きものだとずっと思ってきました。

上で「雨が降るとたくさん出現する」と記載しましたが、これは出現するように見えるだけで、実際は晴れた日が続くと乾燥して黒くカリカリになり、目立たたないというだけで、存在はしています。

今日のようにたくさん雨が降ると、水分を含んで膨らみ、ワカメみたいなものが稲永公園の護岸近くであちこちに見られるようになります。

触ってみると、外見から想像したよりは弾力性はなく、引っ張ると簡単にちぎれます。

そして、ちょっと見た目が悪いと思われる方もいるとは思いますが、このイシクラゲ、昔は食用にもされていたそうです。

 

そんなことを思いながら、カワウ撮影から野鳥観察館へ帰ってくると、玄関前で待っていたのは、鮮やかな赤い色をしたアカテガニが2匹。

雨が降っていたからでしょうか。雨の当たらない場所へ避難していたようです。 

 

 

一方、今日は朝から雨のお天気だったので、来館者の方は少な目でした。

ですので、展示している鳥の剥製の掃除などを行いました。 

 

目(ガラスでできています)が白く曇っていた剥製もあったので・・・、

掃除をして、

無事、目に輝きを取り戻しました。

 

 

カニなどとは違って、鳥は近寄ることも、手で触ることも滅多にできないので、実際の大きさが良くわかりません。

でも、剥製があることで、鳥の大きさなどを感じてもらえると思います。

野鳥観察館へ来館された際は、ぜひ剥製にもご注目ください。

 

明日の満潮時間11時24分 潮位186cm
明日の干潮時間17時25分 潮位104cm

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昨日と今日の観察日記

2017-06-29 19:39:05 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 9時16分 潮位214cm
今日の干潮時間15時44分 潮位 63cm

 

昨日はブログを更新できなかったので、今日の日記は昨日の様子のご報告から。

昨日の開館直後、珍しく野鳥観察館のすぐ目の前にカワウとアオサギが一羽ずつ佇んでいました。雨がまだかなり降る中、川の方を向いて干潟が出るのを待っていたようですが、しばらくすると姿を消していました。

 

雨が上がり、干潟が出てくると、ササゴイが野鳥観察館前を飛んでいる姿を何回か確認できました。現在、子育て真っ最中と思われるササゴイ。6月半ば以降、毎日2~5羽のササゴイが庄内川河口で観察されています。

 

一昨日の日記では、干潟のヨシ原にいるクロベンケイガニの写真を掲載しましたが、昨日は野鳥観察館前の水たまり近くにカニ穴を発見。 

しかも、奥深くにカニがいるようでしたので、ちょっとお邪魔して撮影させてもらいました。穴の住人はアカテガニでした。 

それからしばらくして、この穴から這い出てきたアカテガニ。地面に落ちている何かをつまんでゆっくりと口に入れているようでした。 

毎年、この時期になると、野鳥観察館周辺の松林ではアカテガニの姿をよく見かけるようになり、中には知らぬ間に館内に入ってくるものもいます。昨日はこの穴の他にも、野鳥観察館回りに生えている木の根元などにカニ穴を多数みつけましたし、アカテガニも数匹みつかりました。

 

続いて本日のご報告です。今日は、一時ポツポツっと降る程度で、さほど雨は降りませんでした。

干潟が広がってくると、ダイゼン33羽とソリハシシギ10羽の群れが飛来し、さらにはシロチドリ3羽も確認できました。

護岸では、ササゴイが首をのばしながら餌を探していました。

今日は2連続でエビをゲットしていました。

 

今日観察できた主な野鳥 カワウ365、ササゴイ3、ダイサギ15、コサギ2、アオサギ18、マガモ72(内、♂64)、カルガモ67、ホシハジロ6、スズガモ10、ミサゴ10、シロチドリ3、ダイゼン33、ケリ2、ソリハシシギ10、ウミネコ13、コアジサシ1 

 

明日の満潮時間10時13分 潮位198cm
明日の干潮時間16時30分 潮位 85cm

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梅雨まっただ中

2017-06-27 20:32:50 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 7時39分 潮位241cm
今日の干潮時間14時19分 潮位 23cm

 

今日は、お昼頃に晴れ間も少し出ましたが、ほとんど曇り空で、梅雨らしい湿った重い空気が体にまとわりつくようなお天気でした。

野鳥観察館の周りを歩いていると、この湿った空気の中に甘い香りが漂ってきました。

香りを放っていたのは、まばゆいほど白いクチナシの花。木にはつぼみがまだたくさんついていたので、梅雨の間、花と香りを楽しめそうです。

 

この湿った季節を喜んでいるのか、今日は多数のベンケイガニの仲間が野鳥観察館周りの草むらや、庄内川河口のヨシ原でガサガサ、ゴソゴソと動いているのを観察できました。

ヨシ原にいたクロベンケイガニ↓。地面からハサミで何かをつまんで食べていました。

 

野鳥観察館前の水たまりには、お馴染みのシジュウカラの親子が今日も姿を見せました。

カワラヒワのペアもやってきて、水たまり周辺に落ちていた鳥の羽を口いっぱい集めて運んでいきました。先日も羽を集めているカワラヒワを見ましたが、まだまだ巣作りをして、子育てをするカワラヒワがいるようです。

 

【藤前干潟のイベント等のお知らせ】

☆「7月1日(土)藤前干潟ふれあいトーク「雅楽のふるさと淀川 鵜殿のヨシ原を遊ぶ」」
 日時:平成29年7月1日(土)14時~15時30分
 場所:稲永ビジターセンター(野鳥観察館のお隣)
 主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
 ※参加費無料、申込不要、当日先着40名
 ※詳細はこちら(名古屋市HP)

☆「7月8日(土)藤前干潟の渡り鳥調査隊」
 渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)

☆夏休みの干潟体験プログラム(藤前干潟ふれあい事業実行委員会主催)
 ①「干潟体験」※対象:小学校4年生から大人(小学生は保護者同伴)
   日時:7月22日(土)10:00~12:45
   場所:藤前活動センター
 ②「干潟の泥であそぼう」※対象:小学校1年生から3年生(保護者同伴)
   日時:8月8日(火)10:00~12:00
   場所:藤前活動センター
 ③「干潟体験とごみ処理工場見学」※対象:小学校4年生から大人(小学生は保護者同伴)
   日時:8月10日(木)10:00~15:00
   場所:藤前活動センター、南陽工場
 ④「干潟を音であそぼ」※対象:小学校1年生から3年生(保護者同伴)
   日時:8月22日(火)10:00~12:00
   場所:稲永ビジターセンター  

 ※①~④の内容や申込み方法等の詳細はこちら(名古屋市HP)

☆「秋の野鳥写真展~シギ・チドリ~&藤前干潟写真展」の展示作品を募集中(8月20日締切)。詳細はこちら(PDF) 

 

明日の満潮時間 8時26分 潮位228cm
明日の干潮時間15時01分 潮位 42cm

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奈佐の浜プロジェクトが開催されました。

2017-06-24 18:27:50 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 5時24分 潮位251cm、18時41分 潮位263cm
今日の干潮時間12時05分 潮位  5cm

今日は薄曇りで、午後からは少々蒸し暑くなりましたが、稲永公園は野球や陸上競技の練習をする学生さんなどで賑わっていました。

また家族連れの来館も多い一日でした。



今日の水場はキビタキ♀が2回、シジュウカラが3回、他にカワラヒワ、スズメ、キジバト、ハシボソガラスが何度も水浴びに現れました。
 

大潮の干潟ではササゴイが5羽観察でき、餌場を巡って小さな争いも観察できました。

観察館には、羽がボロボロになったようなミサゴが現れました。
脇斑が見えるから♀の個体で、幼羽から換羽中の若?で初列も尾羽も欠損が激しく惨めな姿のミサゴでしたが、餌取りは上手く一回の飛び込みで魚を捕らえました。

 

今日観察できた主な野鳥 カワウ573、ササゴイ5、ダイサギ19、コサギ3、アオサギ11、マガモ51、カルガモ79、ホシハジロ7、スズガモ21、ミサゴ5、シロチドリ1、ケリ2、ソリハシシギ9、チュウシャクシギ2、ウミネコ25、コアジサシ1

 

また、今日は22世紀奈佐の浜プロジェクト「藤前干潟エクスカーション」が開催され、

藤前干潟には愛知県、岐阜県、三重県の伊勢湾流域で活動をする団体などから約200名ほどの参加者が集まりました。

午前中は藤前海岸清掃や南陽工場(名古屋市のごみ焼却場)の見学を行い、藤前干潟の保全の経緯や現状などを知ってもらいました。

藤前海岸清掃の様子↓。5月27日にクリーン大作戦が行われ、大きなごみは大体拾われていたので、今日はごみはあまりなそうに見えたのですが、小さなプラスチックごみが拾っても拾っても出てきました。

参加したみなさん↓。小学生や大学生などの参加も多数ありました。

この後、南陽工場に行き、ごみピット(ごみを貯める場所)(↓)などを見学。みなさん、大量のごみに圧倒されているようでした。

このごみを運ぶクレーン↓。1回で収集車4台分(約9トン)のごみを運ぶことができるそうです。

 

午後からは一般の参加者は近くの藤前会館に移り、伊勢湾の漂着ごみの最新研究に関するお話や、

庄内川流域などで取り組まれている活動(森の健康診断、ヨシ製品化の取り組み、ヨシ原調査)の報告を聴き、

さらに、参加者同士で交流会を行いました。

子どもたちは、別に「子ども企画」として、藤前海岸でのカニ観察、稲永ビジターセンターと野鳥観察館見学を行い、

藤前干潟の生きもの、自然への興味、関心を深めてもらいました。

藤前海岸にある土盛りではベンカイガニなどの巣穴を探しました↓。

野鳥観察館では、ミサゴ、カワウ、マガモ、ダイサギなどを観察できました↓。

今回の藤前干潟エクスカーションで、伊勢湾流域での各活動や人の交流がさらに深まると良いと思っています。

 

明日の満潮時間 6時09分 潮位253cm
明日の干潮時間12時51分 潮位  3cm

明後日(26日(月))は休館日です。
明後日の満潮時間 6時54分 潮位249cm
明後日の干潮時間13時36分 潮位 10cm

27日(火)の満潮時間 7時39分 潮位241cm
27日(火)の干潮時間14時19分 潮位 23cm

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梅雨の晴れ間

2017-06-23 18:21:53 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
明日の干潮時間11時16分 潮位 14cm
明日の満潮時間17時52分 潮位257cm

 

今日は晴れて気温が上がり、なかなかに暑い日となりました。

昨日は朝から響いていたキビタキのさえずりが今日はなかなか聞こえてきませんでしたが、お昼過ぎに盛んに鳴いているのを確認できました。 

 

夕方には、野鳥観察館前の水たまりにメスのキビタキが姿を見せてくれ、水浴びをしていきました。

シジュウカラとスズメは頻繁に水浴びに来ていました。 

 

 

来週はずっとぐずついたお天気になる予報が出ていますが、明日は今日に引き続き何とか晴れそうです。

また、明日は潮が良く、お昼頃に広大な干潟が現れるはずです。

野鳥は少ない時期ですが、この広い干潟を見に明日、来館される予定のグループもあります。

梅雨の晴れ間に稲永公園周辺を散策されるのも気持ち良いと思います(熱中症にはお気を付けください)。

 

最後は沈み行く夕日。気付けば、夏至をもう二日も過ぎているのですね。

 

【藤前干潟のイベント等のお知らせ】

☆「7月1日(土)藤前干潟ふれあいトーク「雅楽のふるさと淀川 鵜殿のヨシ原を遊ぶ」」
 日時:平成29年7月1日(土)14時~15時30分
 場所:稲永ビジターセンター(野鳥観察館のお隣)
 主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
 ※参加費無料、申込不要、当日先着40名
 ※詳細はこちら(名古屋市HP)

☆「7月8日(土)の藤前干潟の渡り鳥調査隊」の参加者募集中。
 渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)

☆「秋の野鳥写真展~シギ・チドリ~&藤前干潟写真展」の展示作品を募集中(8月20日締切)。→詳細はこちら(PDF)

 

明日の満潮時間 5時24分 潮位251cm、18時41分 潮位263cm
明日の干潮時間12時05分 潮位  5cm

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