観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

ズグロカモメに注目

2016-11-23 17:02:36 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 6時59分 潮位 97cm
今日の満潮時間13時39分 潮位195cm

 

今日は昨日より気温が低く、風はあったものの、一日中、青空が気持ちよく広がり、さほど寒くはなりませんでした。

稲永公園は、バードウォッチャーや散歩に訪れた人、ポケモンGOを楽しむ人でにぎやかな祝日となりました。

 

今日は満潮時間がお昼過ぎで、潮回りが悪く、お昼頃に来館された方には干潟や野鳥をしっかりと見ていただけませんでしたが、

午前中の早い時間帯には、干出した干潟やその周辺に多くの鳥たちを観察することができました。

 

↓魚を狩るために川に飛び込んだものの、取り逃がしたミサゴ。その後、魚を捕えるのに成功したミサゴの姿もみかけました。

 

干潟の上には、ダイゼンやシロチドリ、ハマシギなどのシギ・チドリの群れの他、ズグロカモメを観察できました。 

↓ここ連日、100羽前後が観察できているダイゼン。今日は114羽を数えました。

 

↓ユリカモメより飛来数は少ないものの、最近は護岸近くに飛んでくる機会の多いズグロカモメ。

ユリカモメは赤いくちばしですが、ズグロカモメは黒く、短いくちばしをしているのが特徴です。さらには、ユリカモメより小型で、静止時に尾のように見える初列風切の体に対する長さがユリカモメより長く、成鳥(写真の後ろの個体)ではこの先端に白斑が目立ちます。

↓左のズグロカモメは、初列風切の先端に白斑がないことや、翼(雨覆等)にわずかにですが褐色が残っていることから若い個体のようです。

ズグロカモメは、繁殖地周辺が開発されていることから絶滅の恐れがあるとされており、名古屋市のレッドデータブック(2015年)では絶滅危惧Ⅱ類、愛知県のレッドリスト(2015年)では絶滅危惧ⅠB類、環境省のレッドデータブック(2014年)では絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。

しかし、藤前干潟への飛来数は約30年前は1~2羽でしたが、ここ近年は飛来数が増え、10羽を超えるズグロカモメが見られるようになっています。

これからのことから、ズグロカモメの飛来数については注視しており、当ブログでの紹介頻度も多めになっています。

↓干潟ではヤマトオサガニを盛んに捕まえていましたが、他の個体に横取りされそうになっていることも。カニを捕るときの飛び方なども特徴的なので、観察していておもしろい鳥だとも思います。

 

↓11月も半ばを過ぎましたが、今季はまだ1羽残っているオオソリハシシギ。こんなに遅くまでオオソリハシシギが見られるのは珍しいことです。

↓ひたすら干潟にくちばしを突っ込んで餌を探していたため、顔の前面が泥で汚れていました。

 

↓干潟に降り立つハマシギの群れ。今日は684羽をカウントできました。 

↓午前中の早い時間帯は庄内川護岸近くの干潟にもハマシギの群れが見られましたが、ハヤブサが現れ、周辺にいたコガモの群れと一緒に一斉に飛び立ちました。その後、コガモは干潟に戻ってきましたが、ハマシギは夕方、再び干潟が出始めるまで戻ってきませんでした。 

↓ハマシギやコガモを追いかけていたハヤブサ。

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ2、カンムリカイツブリ25、カワウ479、ダイサギ2、コサギ7、アオサギ27、マガモ53、カルガモ18、コガモ241、オカヨシガモ2、ヒドリガモ41、オナガガモ1,509、ハシビロガモ6、キンクロハジロ194、スズガモ203、ウミアイサ1(♀)、ミサゴ25、トビ1、ノスリ1、チュウヒ2、ハヤブサ1、チョウゲンボウ1、シロチドリ45、ダイゼン114、ハマシギ684、アオアシシギ4、イソシギ3、オオソリハシシギ1、ユリカモメ97、セグロカモメ27、オオセグロカモメ1、ウミネコ3、ズグロカモメ15

明日の干潮時間 8時10分 潮位 99cm
明日の満潮時間14時37分 潮位201cm

 

コメント
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