観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

チュウヒサミット2017のご案内

2017-11-11 23:45:17 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 5時09分 潮位 74cm
今日の満潮時間12時05分 潮位201cm

 

今日は北西の風が非常に強く、野鳥観察館の前の庄内川河口や新川河口は白波が立っていました。

開館時には、まだ干潟が残っていたので、午前中の早い時間に干潟を覗きに行きました。

干潟にシギ・チドリがいないか望遠鏡を覗いていたところ、茶色の鳥が突然視界に入ってきました。

昨日も確認されたハイイロチュウヒでした。

最初はメスだと思いましたが、虹彩の色が黄色ではないので、若い個体のようです。

チュウヒよりも動きが早いハイイロチュウヒ。急ターンをして、向きを変えて飛んでいきました。

しかし、その後、カラスに追われ、ヨシ原の奥へと去っていきました。

今日は強い風にあおられて、たまたま護岸近くまで飛んできたようです。

なお、庄内川河口のヨシ原では今日もハイイロチュウヒだけでなく、チュウヒも確認できています。

 

一週間後の11月18日(土)には、このチュウヒの保護を考える「チュウヒサミット2017」が名古屋市立大学桜山キャンパスにて開催されます。

 

チュウヒサミットでは、国内のチュウヒの専門家や、チュウヒの保護活動を行っている団体などから、最新のチュウヒ研究の結果や保護活動の報告などが行われる予定です。

チュウヒは、今年の9月21日から種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に追加された希少なタカの仲間です。

チュウヒの生息地、繁殖地はヨシ原などの草原ですが、ヨシ原などが開発されたり、ヨシ原周辺の環境が大きく変化したりして、チュウヒの生息環境は悪化していると言われており、その生息数の減少がより懸念されているそうです。

最近も、愛知県内でチュウヒがねぐらとしていたヨシ原が全て刈られてなくなってしまった場所があるそうですし、県外の別の場所ではチュウヒが継続して繁殖していたヨシ原を開発する計画が進められる可能性があるとも耳にします。

今回のチュウヒサミットでは、このような厳しい状況にあるチュウヒのことを多くの方に知ってもらい、保護への機運が高まると良いと思っています。

 

なお、チュウヒサミット2017の主催者は日本野鳥の会愛知県支部、日本野鳥の会三重、名古屋鳥類調査会で、この中の一つの名古屋鳥類調査会のメンバーには名古屋市野鳥観察館のスタッフもおり、チュウヒサミットの運営に携わっています。

また、9月に名古屋市野鳥観察館で行った「秋の野鳥イベント」でチュウヒについてもお話してくださった近藤義孝さん(日本野鳥の会三重)がチュウヒサミットの開催準備を進めてみえます。

 

チュウヒのことに少しでも興味がある方でしたら参加できるそうですので(申込み不要)、ぜひぜひ奮ってご参加ください。

※「チュウヒサミット2017」の詳細はこちら(日本野鳥の会三重HP)をご覧ください。

チュウヒサミットのプログラムは以下です。

 

 

 

チュウヒサミット2017をご案内した後は、今日、庄内川河口の干潟で見られた他の野鳥の様子をご紹介します。

今日もズグロカモメが観察されましたが、風が強かったからか、10羽程度の群れで庄内川河口を飛び回っていたようで、ほぼ定期的に護岸近くの干潟にも飛んできていました。

群れ飛ぶズグロカモメ↓。この時は12羽が確認できました。 

今日も干潟のカニを求めて飛んでいました。 

ユリカモメとは飛び方が異なり、カニをみつけると翼をひらりと返して、急降下して干潟に降り立ちます。

こちらは干潟から飛び立つズグロカモメ。↓は初列風切の先に白斑があることから成鳥のようです。

↓のズグロカモメは2羽とも初列風切の先が黒色で(白斑がなく)、尾の先が黒い(黒帯がある)ことなどから、若い個体のようです。 

 

ズグロカモメが飛ぶ下の干潟には、オナガガモやコガモなどが休んでいました。オナガガモは換羽が進みきれいなオスが多くなってきています。繁殖羽に換羽したオナガガモのオスは、遠くからでも白色のお腹と首、そして長い尾が目立ちます。

 

また、この時間は、この場所ではシギ・チドリをほとんど確認できませんでしたが、コアオアシシギを比較的近くで観察できました。

コアオアシシギはコガモの間をぬって、餌を探していました。

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ1、カンムリカイツブリ38、カワウ1,225、ダイサギ3、コサギ20、アオサギ24、マガモ31、カルガモ64、コガモ260、ヒドリガモ18、オナガガモ845、ハシビロガモ16、ホシハジロ12、キンクロハジロ33、スズガモ385、ミサゴ10、ハイイロチュウヒ1(幼鳥)、チュウヒ1(♀)、ハヤブサ1、シロチドリ42、ダイゼン6、ハマシギ894、コオバシギ1、コアオアシシギ1、イソシギ1、ユリカモメ2、セグロカモメ6、ウミネコ36、ズグロカモメ12

 

明日の干潮時間 6時35分 潮位 85cm
明日の満潮時間13時29分 潮位201cm

※明後日(13日(月))は休館日です。
明後日の干潮時間 7時54分 潮位 88cm
明後日の満潮時間14時34分 潮位208cm

14日(火)の干潮時間 8時57分 潮位 86cm
14日(火)の満潮時間15時21分 潮位217cm

※15日(水)は第3水曜日のため休館します。
15日(水)の干潮時間 9時48分 潮位 84cm
15日(水)の満潮時間15時59分 潮位225cm

16日(木)の干潮時間10時31分 潮位 82cm
16日(木)の満潮時間16時31分 潮位231cm

コメント
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