観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

ハジロカイツブリの餌探し

2017-11-23 17:41:57 | 秋の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間 8時46分 潮位219cm

今日の干潮時間14時21分 潮位128cm

明け方まで降っていた雨もやみ、天気予報では強風が吹くと予報が出ていました。

早朝は風も弱く、薄着でもなんとか過ごせました。干潮時間も午後と遅いので、藤前地区を覗いてきました。

早い時間から、ミサゴ?ハヤブサ?狙いのカメラマンの方が三脚を据えて待っています。

たまにはここで、じっくり腰を据えて猛禽を待ってみるのの良いかな?と思いますが、落ち着きのない性格なのでたぶん無理です。

岸沿いを見ると、ハジロカイツブリです。昨日の記事の個体かもしれませんね。

何度も潜ったのち、カニを咥えて水面に現れました。

カニを捕えても、他のシギ・チドリと同じで足を切り離さないと飲み込め無いようです。

足がまだ残ってるけど、上からカメラで狙われているので無理やり飲み込みます。

カニの足が邪魔で飲み込めないので、両頬が膨らんでいます。

良く見ると足が1本はみ出ていますね。

あまりみてると、食事の邪魔になるので藤前から撤収です。

もうそろそろ庄内川左岸の干潟が姿を見せる筈。ここ数日はハマシギが寄ってこないので、一応チュウヒ狙いのつもり。

チュウヒは待っても飛んできませんが、ズグロカモメが群れになって飛び回っています。

30年ぐらい前は、何百といるユリカモメの群れの中から1羽のズグロカモメを探していましたが、

ここ数日の庄内川河口部は、ユリカモメの飛来数が著しく少なくて、ズグロカモメの方が多く観察できます。

藤前のハジロカイツブリもそうですが、寒くなりカニ達の姿も目立たなくなったのに、ズグロカモメはよく水面下のカニを見つけられるものです。

肝心のチュウヒは、久しぶりお会いした方と話が弾んでいたら、目の前を北風の追い風に乗ったチュウヒが早い飛翔で通り過ぎていきました。

だんだん風も強くなって寒くなってきました。今日は諦めます。撤収!!

 

 そして、午後からはご案内していたとおり、稲永ビジターセンターで講演会「カヤネズミ~草地に生きる小さな哺乳類」が開催されました(主催:中部地方環境事務所)。強風のお天気でしたが、40名以上の方が参加されていて、会場はいっぱいでした。

なごや生物多様性センター研究員の野呂達哉さんから、名古屋市内のカヤネズミの生息地や、それぞれの生息地の特徴などのお話を聴くことができました。

名古屋市では、藤前干潟に注ぐ庄内川や小さな湿地にカヤネズミが生息しているそうです(しかし、港区での確認は少ないそう)。カヤネズミは、繁殖のための巣(球巣)の他に、冬でも越冬のための巣を作るようだとのお話もありました。また、名古屋市のカヤネズミを守るには、様々な課題もあることが分かりました。

上の写真はカヤネズミの球巣。稲永ビジターで展示されていますので、来館された際はぜひご覧になってみてください。

 

そして、カヤネズミ講演会が終わったばかりですが、今度は藤前干潟サイエンスカフェのご案内です。

昨年度のサイエンスカフェのテーマは「海の流れ」でしたが、今年度は「フクロエビ類」です。

「フクロエビ類って何?」と思われる方も多いかもしれません。野鳥観察館のスタッフも全員「何?」と思いました。

藤前干潟の泥の中には、「ヨコエビ」という大きさが数ミリの小さな生きものがすんでいるのですが、このヨコエビはフクロエビ類に分類される生きものだそうです(名前にエビがつきますがエビではありません。世界には10cm以上の大きさのヨコエビの種もいるそうです)。

この他、「コツブムシ」や「スナウミナナフシ」などのフクロエビ類の小さな生きものも藤前干潟でみつかります。

身近なところでは、「ダンゴムシ」や「ワラジムシ」もフクロエビ類で、さらには、近年有名になった深海生物「ダイオウグソクムシ」もフクロエビ類の生きものだそうです。

このサイエンスカフェでフクロエビ類のことをお茶を飲みながら学びませんか?知らないことを知るっておもしろいと思います。

☆藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし」
講師:田中克彦氏(東海大学海洋学部講師)
日時:2018年1月20日(土)14:00~15:30(※午前中は野鳥観察館で渡り鳥調査隊を行いますので、あわせて参加ください!)
場所:稲永ビジターセンター
定員:20名(先着・事前申込み)
参加費:無料
申込み先:環境省名古屋自然保護官事務所まで、メール、はがき、FAXにて。
    (TEL)052-389-2877、(FAX)052-389-2878
    (メール)WB-NAGOYA@env.go.jp
締切り:1月14日(日)必着
主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
協賛:イオンモール名古屋茶屋店

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ2、カンムリカイツブリ56、カワウ697、ダイサギ11、コサギ11、アオサギ9、マガモ9、カルガモ37、コガモ52、ヒドリガモ35、オカヨシガモ9、オナガガモ1,770、ハシビロガモ4、ホシハジロ3、キンクロハジロ12、スズガモ216、ミサゴ18、オオタカ1、チュウヒ♀1、ハヤブサ1、オオバン1、シロチドリ92、メダイチドリ1、ダイゼン81、ハマシギ624、イソシギ4、ダイシャクシギ2、ユリカモメ11、セグロカモメ6、ウミネコ21、ズグロカモメ24

 

明日の満潮時間 9時25分 潮位209cm

明日の干潮時間15時00分 潮位119cm

コメント
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