観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

今年を振り返って ~2017年の5大ニュース~

2017-12-28 18:37:43 | 冬の藤前干潟

今日の干潮時間 6時52分 潮位 94cm
今日の満潮時間13時25分 潮位195cm

 

ここ名古屋にも雪が降った昨日から一夜明けて、今朝。

野鳥観察館から対岸に見える多度山は白色でした。

標高403mという、そんなに高い山ではない多度山がこんなに白くなるのは、昨冬はなかったのではないかと思います。野鳥観察館からは多度山の左奥に見える藤原岳は、今日もほとんど1日雲の中で、時折、雲の合間から真っ白な斜面が見える程度でした。

こちらは山の上の方が真っ白な伊吹山↓。

今日は潮が悪かったですが、その分干満の差が少なく、干潟が出ている時間が長かったです。お昼頃、干潟を見に行くと、護岸近くにダイゼンの姿がありました。最近、1羽だけでここにいるダイゼンをよく見かけるのですが、恐らく同じ個体だと思われます。

また、その近くのコンクリート護岸には、一昨日、干潟の上で観察されたと思われるトウネン2羽が。

今日は護岸の上で餌を探しており、小さな巻貝と思われるものを食べている様子も観察できました。

なお、今日観察できたシギ・チドリは、シロチドリ97、ダイゼン72、トウネン2、ハマシギ322、イソシギ3、ダイシャクシギ5 でした。

 

そして、もう少し上流に行くと、目立つ白い大きなカモが。今日もいましたツクシガモ3羽。

このツクシガモ3羽は午前中の早い時間帯は、野鳥観察館より下流の導流堤の前の干潟で休んでいたので、距離が遠かったのですが、お昼近くになって川を上り、護岸近くの干潟へ移動してきました。

また、この3羽の他に4羽のツクシガモが飛来しました。庄内川河口に降り立ったと思ったら、またすぐにどこかへ飛んで行ってしまったので、ほんのわずかな時間でしたが、同時に7羽のツクシガモが庄内川河口で観察できました。

干潟にいる3羽のツクシガモをしばらく観察していると、チュウヒが現れ、周りにいたオナガガモなどがみんな川へ飛び込んでしまいましたが、ツクシガモ3羽はやはりのんびり餌を食べていました。

さらに、潮が満ちてくると、他のカモたちは対岸へ移動していきましたが、ツクシガモは最後まで干潟に残り、休んだり、餌を食べたりしていました。

 

こちらが、カモなどを飛ばしたチュウヒ。今日の庄内川河口では2羽のチュウヒを観察できました。

この他、猛禽類ではノスリ↓やハヤブサ、ミサゴを観察できました。

 

また、今日は潜水ガモ(海ガモ)の仲間であるキンクロハジロ、ホシハジロの群れを近くで観察できました(写真には写っていませんが、群れにはスズガモも数羽混じっていました)。

キンクロハジロのオス↓。トレードマークであるちょんまげ(冠羽)はなでつけられているようで、少ししか見えません。

キンクロハジロのオスとメス↓。真ん中がメスの個体です。

盛んに潜って、餌を探していました。

こちらはホシハジロのオスとメス↓。頭が赤褐色、胸が黒色、赤色の目が特徴の手前の個体がオスで・・・、

奥の個体がメスです。

 

さて、今日で今年の野鳥観察館の開館日は最後です。

今年、藤前干潟周辺で観察できた鳥たちを少し振り返ってみて、当館のスタッフが印象に残った5つの出来事を以下に挙げてみます。

題して、野鳥観察館の2017年5大ニュース」

コオリガモの飛来参考記事4月13日4月23日

今年の4月13日~28日の間、コオリガモ(メス、若い個体)1羽が飛来し、多くの方が見に訪れました。

コオリガモは藤前干潟周辺では、昨年11月半ば頃(2016年11月15日の日記)にも確認されており、今年の確認は野鳥観察館のスタッフの記録上では、今回が2回目となりました。

②アカアシカツオドリの飛来→参考記事9月12日

9月10日の1日だけでしたが、普段は外海にいるはずのアカアシカツオドリ(尾が白いので成鳥だと思われる)1羽が、野鳥観察館の記録では初めて確認されました。スタッフもこの大きな白色の鳥の飛来にびっくりしました。

③秋の渡りで多数が飛来したトウネン・キリアイ→参考記事9月10日10月5日

例年では、トウネンは春の渡りで多数が飛来しますが、秋の渡りでは少数です。しかし、今年は秋の渡りで飛来するトウネンが非常に多かった年でした。ちなみに今春のトウネンの最大飛来数は1,174羽、今秋の最大飛来数は515羽でした。

また、トウネンが多い年には、同時に飛来数が増える傾向にあるキリアイも秋に頻繁に観察でき、訪れた人の目を楽しませていました。

④オナガガモの標識個体の発見→参考記事10月6日

10月6日の雨の降る日、くちばしにオレンジ色の標識(Nasal saddleと言うようです)をつけたオナガガモを発見しました。このようなくちばしにつけるタイプの標識を見るのはスタッフは初めてだったため、非常に驚いたのを覚えています。

また、ちょうど今日、このオナガガモの観察報告をした山階鳥類研究所からこのオナガガモについての詳細情報が届きました。このオナガガモは、2016年11月29日に中国の上海にある九段沙自然保護区で標識をつけられ、放鳥された個体と確認されたそうです(コメント欄で情報いただいていた通りでした)。なお、標識に記載してある番号は「887」だと思っていましたが、「B87」だそうです。

⑤キビタキの繁殖→参考記事6月23日8月19日

今年、キビタキが稲永公園で初めて繁殖をしたようで、6月にオスとメスの姿だけでなく、巣立ち雛の姿も確認されました。8月には稲永公園で繁殖した個体かどうかは分かりませんが、野鳥観察館の前の水たまりで幼鳥の姿も観察できました。

 

以上が今年、藤前干潟周辺で印象に残った鳥たちの出来事でした。

この他、野鳥観察館では、春と秋に写真展や探鳥会、講演会を実施したり、毎月1回渡り鳥調査隊を開催し、多くの方に参加いただきました。

さらには、11月には「チュウヒサミット2017」が開催され(主催:日本野鳥の会愛知県支部・日本野鳥の会三重、名古屋鳥類調査会)、多くの方がチュウヒへの関心を高めてみえたようです。→参考記事11月21日

チュウヒサミットに関しましては、チュウヒサミット宣言文が発表されたり、チュウヒ保護ネットワークの設立も表明されましたので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

チュウヒサミット宣言文(日本野鳥の会三重のHP)

チュウヒ保護ネットワークHP

 

今年も野鳥観察館に足を運んでくださった皆様、当ブログをご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

来年も藤前干潟の鳥たちを見に、ぜひ野鳥観察館およびブログへお越しいただければ嬉しく思います。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

みなさま、良いお年をお迎えください。

 

【来年の藤前干潟に関するイベント等のお知らせ】

☆1月14日(日)午前7時45分~午前8時00分(NHK総合)放送 NHKテレビ番組「さわやか自然百景」にて藤前干潟が紹介されます!
(再放送は、BSプレミアムにて1月20日(土)午前8時15分~午前8時30分)

☆1月20日(土) 藤前干潟の渡り鳥調査隊~1月~@名古屋市野鳥観察館
 
渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)

☆1月20日(土)藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし」@稲永ビジターセンター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)→詳細はこちら(名古屋市HP)

☆1月21日(日)第7回ごみと水を考える集い@藤前会館(主催:藤前干潟クリーン大作戦実行委員会等)→詳細はこちら(藤前干潟クリーン大作戦HP)

 


※※ 年末・年始のお休み ※※
12月29日(金)~1月3日(水)は休館いたします。

明日の干潮時間 8時15分 潮位 97cm
明日の満潮時間14時29分 潮位202cm

30日(土)の干潮時間 9時25分 潮位 95cm
30日(土)の満潮時間15時25分 潮位213cm

31日(日)の干潮時間10時25分 潮位 91cm
31日(日)の満潮時間16時15分 潮位223cm

1日(月)の干潮時間11時18分 潮位 83cm
1日(月)の満潮時間17時02分 潮位226cm

2日(火)の満潮時間 6時23分 潮位240cm、17時47分 潮位230cm
2日(火)の干潮時間12時07分 潮位 81cm

3日(水)の満潮時間 7時08分 潮位244cm
3日(水)の干潮時間12時51分 潮位 79cm

4日(木)の満潮時間 7時52分 潮位241cm
4日(木)の干潮時間13時34分 潮位 79cm

コメント (2)
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