“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

22-3検定結果詳細(失点分)

2011-03-24 01:00:57 | 日記
地震から数日後に電気が復旧し、その数日後に郵便屋さんが22-3検定の採点結果を届けてくれました。

その時は通知が届いたことよりも、郵便屋さんがバイクで郵便物を届けているという日常の光景にほっとし、母は歓喜の声をあげていました。
因みに近所のポストは全て、暫くの間使用停止のようで、投函口にテープが貼られています。

以下、22-3検定失点分の詳細です。

今回「十分な知識をもっています」とされたのは、満点だった「熟字訓・当て字」と1問ミスの「対義語・類義語」でした。
逆に勉強を要するとされたのは、言うまでもなく「故事・諺書き取り」と「文章題書き取り」でした。


■音読み5点分失点

5 厭飫(えんよ)
9 邨醸(そんじょう)
11 黽勉(びんべん)
18 庠序(しょうじょ)
19 鴃舌(げきぜつ)

★11と19は復習不足。18は頭に入りにくい語。
5「厭飫」=あきる・満ち足りる意。
9「邨醸」=「村醸」。田舎で作る酒。田舎酒。「邨」は「村」の異体字。
11「黽勉」=つとめ励むこと。精を出すこと。
18「庠序」=学校。地方の学校を殷代には「序」、周代には「庠」と呼んだことから。
19「鴃舌」=モズの鳴き声の意から、意味が分からないために、ただやかましく聞こえる外国の言葉の意。「南蛮鴃舌」とか知ってるのにね。

■訓読み3点分失点

24 調(みつぎ)
27 挈げて(ひっさ)
30 錮ぐ(ふさ)

★27は復習不足。
24のような常用漢字の1級表外読みは、時間不足で及ばず。「調(みつぎ)」=古代の税制の一つ。
27「挈げる」=手にひっかけて持つこと。
30「錮ぐ」=金属を溶かして隙間をふさぐ意。

■書き取り4点分失点

11 目障りな政敵をザンブする。(讒誣)
15 昼になって朝顔の花がツボんだ。(窄)

★11は致命的な復習不足。右下の「ク」の部分を、悩んだ末にあろうことか「ノ」にしてしまった。これがなければ合格していたわけですが、客観的に見れば、こんなミスをする奴は合格してはいけないでしょう。
15は試験の場で「つぼむ」ではなく「しぼむ」で悩んでおり、その段階で既にアウトなしろねこなわけですが、更に「しぼむ」から連想的に「零落」を浮かべたしろねこは、「零」と書いてしまったのでした。実際には「しぼむ」=「凋む」「萎む」であり、「つぼむ」=「窄む」なのでした。

■国字失点なし

■語選択書き取り2点失点

1 からまりつくこと。(纏繞)

★見れば成程と思うのに、「繞(まつわる)」がどうしても浮かばず、違うだろうと思いつつ、「縄」と書いてしまった…。

■四字熟語書き取り4点分失点

5 (銘肌)鏤骨
9 宵衣(カン[日+干]食)

★どちらも復習不足の記憶流出。「肌」と「カン」を書き間違った。9は意味選択に十分な自信があっただけに、字を思い出せないのは歯痒かった。

■四字熟語意味選択失点なし

■当て字・熟字訓失点なし

■二字熟語・一字訓読み3点分失点

5 浹洽(しょうこう)
7 輟食(てっしょく)
8 輟める(やorとど)

★いずれも配当漢字の勉強不足。
5「浹洽」=①すみずみまで、広くゆきわたること。②互いにうちとけること。やわらいでむつまじい状態になること。
7は8の読みで訓読した意。

■対義語・類義語2点分失点

4 剴切(失当)

★「剴切」=ぴたりとあうこと。適切なこと。本来は地面すれすれに草を切る意。「失当」=道理に合わないこと。適切でないこと。携帯でも一発で変換される常用漢字の常識単語を、1級リピーターと銘打っている人間が書けないとは、世の笑い者以外のなにものでもない。
しろねこが早く取得したい語検1級同様、配当漢字に終始せず、辞書との末永いお付き合い、全ての言葉の海を泳ぎきることを目標にできる、という点では、こうした出題傾向は寧ろ喜ぶべきことですね(←決して負け犬の遠吠えではなく)。

■諺10点分失点

1 コウリョウ一炊の夢。(黄粱)
★書き取りの「讒」と同様、致命的なミス。受検直後の日記にも書いたが、「粱」がどうしても正確に思い出せず、「梁」と書いてしまった。ここまで書けたら逆に思い出せそうなものだが、書けないんだな、これが…。

7 シボクの信。(シ[ぎょうにんべん+「走」の上「土」の部分が「止」]木)

★約束を固く実行すること。秦の商鞅が法律を改正・施行するにあたり、国民の信を得ようとした故事による。

8 甘瓜クテイを抱く。(苦蔕)

★対義語関係だったのかと、解答を見て悟りました。「蔕」については、以前の「へた」に続いてやられました。

9 ホンシャの上に仲尼無く、覆舟の下に伯夷無し。(奔車)

★「奔」を、「翻」と書いてしまった。

10 発すること鏃矢の如く、動くことライテイの如し。(雷霆)

★「霆」のあめかんむりを付けなかった。イメージ不足。

■文章題書き取り8点分失点

1 ゾウジョウマンの鬼は昂然として頭を擡げ、… (増上慢)

★「増上慢」=①[仏]未熟なのに悟りを得たとして、高慢になること。②自分を過信し高慢になること。また、その人。

7 皇国浮沈の機サンゼンたる上は、… (燦然or粲然)

★「浮沈」からイメージして「惨然」としたが、なんだ、そっちでよかったんですねという解答だった。

8 此尤もセイヘイを執る者の慎重せざるべからざる所なり。(政柄)

★「政柄」=政治の権力。

9 其の艱きことバンコンを析くが如し。(盤根or槃根or蟠根)

★「盤」を「磐」と書いた。悔しい。しかも受検した数日後のYahoo!ニュースの記事の文面にこの単語があった。受検した後だから目が行くんだろうけど(涙)

■文章題読み1点分失点

カ 万死を以て藩屏の任を尽くし、… (はんぺい)

★「藩屏」=①防ぎ守るための垣根や囲い。②皇室を守ること。また、その人。[類]藩翰(ハンカン)・藩籬(ハンリ)…ここは明らかに②の意。「屏」を「屏風」から連想して「ビョウ」と書いてしまった。


以上です。そんなわけで、反省の嵐の検定でした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿