“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

湯島聖堂の漢文検定

2018-02-12 10:58:33 | 日記
こんにちは。
雪が凄いです。

土曜日はしろねこの居住地は積もっていた雪もほぼ溶けてなくなり、微かに春の兆しを感じさせる空気でしたが、昨日の建国記念日にはお昼を過ぎたころから細かい雪が舞っていました。夕方は一時、風も強かったようです。夜半からは足跡がすぐ消えてしまうくらいのペースで、しんしんと雪が降り続き、今朝は雪掻き無しでは道が通れませんでした。現在も雪は止んでいません。
勤務地はこちら以上に積もっている筈なので、やや億劫です。


ところで、まだ29-3の標準解答が届かないので、少し別のことをお話しします。

ご存じの方も多いかと思いますが、湯島聖堂の漢文検定というのがあり、その設立黎明期から、ずっとうちの中学校の生徒に導入したいというお話があったのですが、中高の人事異動が安定しないこともあってなかなか実現に至らず、約10年かかって漸く今年度、機会をとらえて導入実現に至りました。といっても、寺子屋編の論語入門と論語初級という、ごくごく初級レベルではありますが。

検定レベルに従い、テキストも2種類、寺子屋編(論語・漢詩)と藩校編(論語・漢詩文)があります。
藩校編テキストは、高校漢文の内容に等しく、一つひとつが長いのですが、寺子屋編テキストは簡潔で分かりやすく、幼稚園で導入されていることもあるようです。

寺子屋編の論語入門は、テキストにある初級10篇から自分で3つ選んで予め覚えておき、試験官の前で朗唱して、全て出来れば合格です。また論語初級は、テキストにある初級10篇から試験官がランダムに示した5篇を朗唱し、3篇以上出来れば合格です。

団体受検なので、受検日を決めると、漢字文化振興協会から試験官の方が学校まで来てくださいます。
当日は、朗唱の良し悪しだけを見られるのではなく、礼の仕方や受検票の手渡しにおける礼法などご指導いただいた生徒もいて、情けないですが有難かったです。教員には長時間一緒にいすぎて親代わりのような馴れ馴れしさが半ばあるところを、外部の方に窘めていただけば、ちょっとは記憶に残ろうというものでしょう。

論語の寺子屋編テキストには、初級10篇、中級10篇、上級20篇の短めの章句が載っていて、しろねこは生徒の受検を済ませた後に、上級を受検しました(上級までは、1人からでも各会場で受けられ、修了以上は少人数の場合、湯島聖堂に行かないと受けられません)。上級試験は、初〜上級の40篇全てについての筆記で、穴埋めと選択肢と書き下し文記述という形式でした。
事前対策として、しろねこはノートに、目次になっている各章句のキーワード、白文、書き下し文、読み、文章の意味、語句の意味、といろいろな角度ごとに書き出し、テキストを朗読したものをボイスレコーダーに録音して、直前まで時間を見つけて、見たり聴いたりして覚えるようにしていました。漢検29-3の勉強との力の配分にも、多少気を遣いました。

漢詩の寺子屋編テキストは、「春望」以外は全て絶句で、初級5首、中級6首、上級9首あり、こちらも朗唱・筆記のレベルが級ごとに上がっていきます。

うちは行事で論語に馴染み深い場所に複数行くこともあり、論語テキストが主な導入目的でしたが、検定の一斉実施を前提にすると、要する試験時間や受験料のバランスも考えながら、漢詩のほうも検討の視野に入れたいところです。H24からの語検同様、焦らず野望を抱き過ぎず、導入したものを定着させていきたいです。

漢文検定にご興味のある方は、こちらにアクセスしてみてください。
因みに狙ったわけではないですが、湯島聖堂ではちょうど今日が個人受検日のようですね。東北住まいのしろねこも、いつかは、湯島聖堂で受検してみたいです。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (凜太郎)
2018-02-12 17:06:38
しろねこ さま

ご無沙汰しております。凛太郎です。
まったく知りませんでしたが、そんな検定があるんですね。漢文への入り口として中2・中3の2年間、論語の各編をひとつひとつ習っていましたので、「論語」と聞くとちょっと好奇の虫が騒ぎますね。(笑)

私はこのところ、ずっと古今和歌集を読むなどしていて、漢検対策に没頭していたころとは真逆にひらがなばかりと接していますが、いずれにしても言葉の世界は奥深いものです。

大変な雪とのこと、明朝の出勤の足も心配ですね。怪我などなさいませんよう、どうぞお気をつけて。


PS 漢文検定のリンク先のアドレスが違っているようです。お手数ですが、ご確認ください。
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こちらの「http://www.kanshin.gr.jp」を直接コピペしてくださいm(__)m (しろねこ)
2018-02-12 17:40:44
凜太郎さま

こんにちは。ご無沙汰しております。川津桜の記事を懐かしく拝見しておりました。

コメント、リンク先の接続がうまくいかない件、有難うございます。リンクを使わず、こちらの「http://www.kanshin.gr.jp」をドラッグして検索エンジンにコピペして接続していただくしか、今のところ手が無いみたいです(多分このアドレス自体は間違っていない筈です)。私のガラケーは今や、投稿だけはできるのですが、PCを持たない身には修正・管理ができなくて、細心の注意を払ったつもりでしたが、至らず申し訳ありません。

漢文検定は、2014年末に私が横濱漢字の会定例会に参加させていただいた際にも紹介されていた記憶があり、ちょうどうちでは導入が頓挫し、自分を含む数人の国語科教員の中で温めていたものでしたので、そのときのご紹介を、やはりその世界では広まりつつあるのかな、と思って伺っておりました。

本当は今日も午後に勤務先に行くつもりでしたが、注意報が警報に変わったので、行けないことはないのですが止めました。そして、東北人であってもめちゃくちゃ寒いです。インフルエンザはAが猛威をふるい、2クラス学級閉鎖になった後、解除になってみんなでスキー教室に行ってきましたら、今度は週末Bが出たので、明日からまた気をつけていきたいと思います。
凛太郎さまも、くれぐれもご自愛ください。
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導入おめでとうございます (fuji-moca)
2018-02-13 07:45:57
しろねこ様
大変ご無沙汰しております。学校での漢文検定の導入実現、まことにおめでとうございます。
湯島聖堂の受験パンフレットと横濱漢字の会での紹介、とても懐かしく思います。私自身すっかり忘却して未だ受験せず、その後定例会でも話題に上がっていませんでした。
しろねこ様が会での事を記憶に留められていたこと、大変有り難く感謝申し上げます。

H29-3は何とか8割解けました。今年度の難問には本当に苦戦しましたが、不満はありつつも漢検だけは継続して、また来年の試験にチャレンジしていきます。
まだまだ寒い日が続きますが呉々もご自愛ください。
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有難うございます。 (しろねこ)
2018-02-14 07:46:36
fuji-moca様

こちらもご無沙汰しております。
29-3の8割越え、まことにおめでとうございます。やはり、この度の気合いもさることながら、長年の朝のスタバでの演習の積み重ねとノートの重みが、fuji-moca様を確実に支えている結果かと存じます。次年度以降fuji-moca様にとりまして、より納得のゆく結果となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

こちらは後程アップしますが、この度も厳しい結果となりました。特に、今回はよく知っているのに読みを忘れてしまい落とした字がいくつかあることを、先日問題を蓄積ノートに写しているとき正しい読みが脳裏に浮かんできて気がつきました。かなり前に自分が「ちょろぎ」の熟字訓で経験したような、脳の緊張状態による記憶の硬直が、今回はあちこちに来ていたということです。平素の演習+試験前にもっと目を通す範囲を広げておかないといけないなと改めて感じています。

ところで、検定導入お祝いのコメントを有難うございます。貴会でちょうど話題にされていたことは、実施までどこか心の支えにもなっていたと思います。
実際実施してみて、うちの校舎の構造と人員数と年間行事を考えたとき、来年度以降どのような人事配置になっても定着していけるよう気を配ってゆくのが、自分の次の仕事かなという感じです。また今回は、自分のクラスがインフルエンザ流行に伴う学級閉鎖であった上(翌日には別のクラスも閉鎖になりました)、頼りにしていたスタッフが1人、胃腸炎でダウンしてしまったので、いろいろなハプニングを次回にも想定しながら引き継いでいきたいです。

それでは、新年度まであと少しながら、冷え込みのきついときなどくれぐれも温かくして、お健やかにお過ごしください。
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修正完了 (しろねこ)
2019-11-23 11:17:37
こちらの記事に掲載しているリンク先を、漸く修正できました。
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