“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

続・気分転換④~準1級の誤答練習問題(3)

2011-04-21 07:27:10 | 日記
気分転換④についてはこれで最終になりますが、前回に引き続き、

早稲田教育出版 2007年度版『出た順漢検ランキング 出題頻度順・完全トレーニング準1級』(2005年12月1日 改訂初版発行)

での、しろねこの誤答問題を列挙します。
今回は、第1回に引き続き、第2回模試問題から。


●音読み
①湧き水を【掬】する。
②【戦捷】の報に歓喜する。

《解答》
①きく
②せんしょう


●訓読み
①【碗】な酢の物を盛る。

《解答》
①こばち(「碗」は許容字体。正字体は「怨」の「心」の部分が「皿」になっている字だが、携帯電話では出ません。)


●表外訓読み
①悟りの彼岸に【度】る。
②見苦しい【態】を晒す。

《解答》
①わた
②さま


●書取
①【ツバ】の広い帽子を被る。
②【ホウハツ】をかきむしる。
③ざるで【コ】す。

《解答》
①鍔
②蓬髪
③漉


●国字読み
失点無し


●常用漢字の書換
失点無し


●二字熟語・一字訓
①【廓しい】・廓然
②【撞球】・撞く
③【窄まる】・狭窄

《解答》
①むな(しい)
②どうきゅう
③せば


●対義語・類義語
①派遣 ⇔ しょうかん
②愛惜 ≒ あいれん

《解答》
①召還(「召還」=派遣した人を呼び返すこと/「召喚」=官庁が人を呼び出すこと。特に、裁判所が被告人・証人などに対し、一定の日時に指定の場所に呼び出すこと)
②愛憐


●四字熟語
①【こうだい】無辺
②気息【えんえん】

《解答》
①宏大
②奄奄


●同音・同訓異字
失点無し


●故事成語・諺
①【ムゲン】地獄に落ちる。
②【ソウカイ】変じて桑田となる。

《解答》
①無間
②蒼海


●文章題書取
失点無し


●文章題読み
①磨滅した烙印で吐月峰と【捺】してあるのが、…

《解答》
①お


以上です。

準1級に取り掛かった当時は、漢検漢字辞典を持たずに(その存在も知らずに)、普通の漢和辞典で必死に四字熟語や音読みの熟語を引いた記憶があります。
普通の辞典では熟語が一気に載っていないことも多く、部分的に引いて繋げてもトータルの表記での意味が分からなかったりと、当時はすごく苦心しました。でも今考えてみると、最初から漢検漢字辞典で楽をしなくてよかったことも多いなと思います。
それぞれの辞典の構成にはこだわりがあり、単に調べものが載っているか否かや、項目の説明内容が分かりやすいか否かだけでなく、編集の仕方を意識して辞典を見ることができるようになったのは、当時の苦心した経験もあってのことだと感じています。

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4 コメント

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準一級の問題 (fuji-moca)
2011-04-23 00:40:05
しろねこ様

こんばんは。fuji-mocaです。

今までと異なる生活リズムや環境の中、よい気分転換になりましたでしょうか?
さて、しろねこ様の誤答問題、拝見致しました。
正直なところ、(2)と(3)の問題は半数近く(半数以上かも)解けませんでした。
これって本当に準一の問題? と思うくらい難度の高い内容で、
準一のレベルの高さにあらためて驚嘆しました。
それで、恐縮ですが敢えて数カ所指摘させてください。

「碗」は許容字体。正字体は「怨」の「心」の部分が「皿」になっている字
→碗が正字で、「怨」の「心」の部分が「皿」のほうが許容字では?

(2)の四字熟語の問題で、通暁【やかく】の答えが暢達になっていますが、
問題のほうが【ちょうたつ】ですよね?
閑雲【やかく】(野鶴)ではない?

(1)の故事成語で、前者の【フクテツ】を踏まず の答えが復轍になっていますが、
覆轍ではないでしょうか。

試験での「思い込み」を解消するよい方法があればいいですよね。
話の【ホコサキ】を転じる の答えとして「鉾先」も正解ではないか?
と思って調べたら、鉾は1級対象でした。
準1級で解答したらきっとバツでしょうね。
そういう意味では、1級だけに固執せず幅広く勉強に取り組む必要があるかもしれません。

話は変わりますが、原発の被害のほうは大丈夫でしょうか?
状況が深刻化しているようで、舐糠及米(しこうきゅうまい)の様子を呈しています。
心配事は尽きませんが、とにかく元気に励んで参りましょう。

それでは。
返信する
Re:準一級の問題 (しろねこ)
2011-04-23 21:51:38
fuji-moca様 今晩は。
ご指摘有難うございます。しかも3箇所も…(汗)
杜撰脱漏な事態に我ながら閉口してしまいました。

3ヶ所とも、fuji-moca様の仰るとおりです。
すべて勘違いまたは変換ミスです。やはりバスの中で焦って記事を書くのはいけないようです。


>「碗」は許容字体。正字体は「怨」の「心」の部分が「皿」になっている字
→碗が正字で、「怨」の「心」の部分が「皿」のほうが許容字では?


準1級配当漢字音訓表で確認しました。「碗」のほうが正字体です。
因みに早稲田教育出版さんの音訓表を確認したら(問題集は処分しましたが、付録の音訓表は音読み五十音順で便利なので残しておいたのです)、実は逆になってしまっていましたが(158頁)、漢検協会以外の出版社が1級・準1級の問題集を出してくださる有難さを考えれば、しろねこ自身の鍛え方が足りないの一言に尽きます。


>(2)の四字熟語の問題で、通暁【やかく】の答えが暢達になっていますが、
問題のほうが【ちょうたつ】ですよね?
閑雲【やかく】(野鶴)ではない?


これは、
×【やかく】→○【ちょうたつ】
です。因みに「閑雲野鶴」は正解したので、挙げない予定でした。


>(1)の故事成語で、前者の【フクテツ】を踏まず の答えが復轍になっていますが、
覆轍ではないでしょうか。


「前車の覆るは後車の戒め」ですから、
×「覆」→○「復」
です。変換ミスです。


こちらでのコメントに加えて、後ほど追記にて訂正させていただきます。大変つまらない間違いばかりで申し訳ない限りです。有難うございました。


ところで、


>話の【ホコサキ】を転じる の答えとして「鉾先」も正解ではないか?
と思って調べたら、鉾は1級対象でした。
準1級で解答したらきっとバツでしょうね。


とのことですが、これは「鉾」を準1級の検定試験で書いても×にはならないと思います。
日本漢字能力検定採点基準(平成13年度第1回より)の「(1)字種・字体」に、以下のようにあります。

①2~8級の解答は、内閣訓令・告示「常用漢字表」による。ただし、旧字体での解答は正答と認めない。
②1級および準1級の解答は、「漢字必携一級」(財団法人日本漢字能力検定協会発行)に示す「標準字体」「許容字体」「旧字体一覧表」による。

つまり、準1級の検定試験では、答案に1級配当漢字を書いても正解になるようです。
現に昔(平成15~16年)準1級を勉強していてこの説明を読んだとき、自分にはまだまだ知らないことが多いのだなと歯痒く感じたり、こんなに似たような字体の解答が一つの語に何通りもあるのかと前途多難に感じたものでした。
早稲田教育出版さんも恐らくは、1級配当漢字を見慣れない受検者のために、解答には「鉾」を入れなかったのだと思われます。



>話は変わりますが、原発の被害のほうは大丈夫でしょうか?


職場の生物の先生に
「ここらへん(しろねこたちの生活圏)の放射能って大丈夫なんですかね」
と聞いたところ、
「10年後に(癌になれば)判るから」
というブラックジョークが返ってきました(その生物の先生は万事この調子の人です)。
敵は目に見えない物質なので、本当によく判らないですが、例えば現在妊婦さんだったり赤ちゃんを生んだばかりの友人たちが心穏やかに暮らせる環境かどうかは怪しいのかもしれません。
でも、風評被害に纏わるニュース(農水産業関連、いじめ、婚約破棄など)を見るにつけても、本当に理不尽な思いで胸が一杯になります。うちの保護者の方でも風評被害に遭って職をなくした方がいらっしゃるようです。
敢えて誤解を恐れず言うならば、何だか、放射能を嫌悪して身を守るためにマスクをしたり、何か汚染を恐れて買い控えたりすること自体、段々虚しく馬鹿げた事のように感じられているというのが、しろねこの正直な気持ちです。
勿論これはそのように放射能防御に敏感な他人に対する批判ではなく、自分の行動に対しての感想に留まるものです。
身を守る行為が無意味だと言っているのではなく、今回犠牲になったり暮らしを奪われた人たちのことを考えると、もうそういう細かい努力がどうでもよくなってきてしまう感が拭えないのです。
早く誰もが、理不尽に怖い思いや、嫌な思いをしなくていいようになってほしいと祈るばかりです。

長々失礼いたしました。読んでくださって本当に有難うございます。ではまた。
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追伸 (しろねこ)
2011-04-24 22:21:22
先のコメントの「覆車」の説明のところ、

×「復」→○「覆」

なのに、覆と復が逆になってしまっていました。訂正の訂正になってしまい、重ね重ね申し訳ありません。
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追記(訂正) (しろねこ)
2013-11-23 16:44:23
●訓読み

×【碗】な
○【碗】に
(単純な打ち間違い)

・最後の文章

×「それぞれの辞典の構成にはこだわりがあり」
→「こだわりがあり」はよい意味では本来使わないのですが、最近増えている誤用をしろねこもしてしまっていました。
日本語検定を勉強してから知ったことです。
「大切にしている編集の仕方があり」
などとすればよいのでしょうかね~。
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