ある爺さんの スナップ写真とボヤキ3

趣味もなく酒も飲めず・・・・・つまらない爺さん生活を、何気ないスナップ写真と、フッと感じたボヤキをアップしています

外人墓地「南京墓地」訪問

2021-10-06 | *小ネタ
昨日5日(火)の午後、横浜の丘陵を散歩していました

「港の見える丘公園」からつながる丘陵の
観光客が、全く、訪れない西側の方です
今日のブログは、訪れたエリアの中から、「南京墓地(中華義荘)」の話しです



横浜で「外人墓地」と言えば、「港の見える丘公園」先にある有名な観光地

時は江戸時代末期、ペリー率いるアメリカ海軍が来訪したさい、
マストより落下した水兵を、海の見える場所に、墓を作り埋葬する事を要求・・・・
当時、真言宗増徳院が元町(横浜市中区)にあり、寺内の墓地に弔ったのが始まりです

鎖国していたとは言え、江戸時代末期には、中国人を始めとする、少なからずの外国人がいました
江戸末期から明治時代に活躍した外国人が、外人墓地に葬られるようなったのです

すっかり有名な観光地になっていますが、横浜には、その他3つの外人墓地があります
こちらは、訪れる人も少なく、ひっそりとしています

そのうちのひとつ、「南京墓地(中華義荘)」(横浜市中区)を訪れました

この墓地は、中国人仮埋葬墓地として、明治6年に作られました
当時、中国では、遺骨を本国に送り埋葬する習慣で、「南京墓地」は、仮埋葬の地だったそうです
何度かの戦争や関東大震災などで、叶(かな)わぬことも増え、この地に永眠する人が増えたのでした
無縁仏を始め、横浜で生きた中国人の墓地となっています

元町にあった「増徳院」は、現在、横浜市南区の丘陵上にあります
増徳院バス停近くから入り、
大きく拡がる「根岸共同墓地(旧・相沢墓地)」(横浜市中区)への路を歩きました

近くには4つのお寺と、路沿いには、多数の石材店とお茶屋さんがありました
「根岸共同墓地」とありますが、磯子区ではありません

古いお墓がたくさんあり、江戸時代、横浜が埋め立てられる前には、
丘陵の斜面は、内湾の海を臨んでいたと思われます
「共同墓地」の名称がついた広い墓地ですが、
横浜市の管理地ではなく、お寺と石材店・お茶屋さんの管理地のようです

「南京墓地(中華義荘)」は、その先、港側にありました

中華街の各入口にあるような、小さな牌楼(門)をくぐり、階段を登りました



登り切った正面に「地蔵王廟」がありました
中国南方建築様式で、庭を囲むように、レンガの壁で囲んだ建物です



付近には、誰もいません
管理する人のすがたもなく、中国式お墓の説明する看板もありません
中に入ろうと思えば、はいれたのでしょうけど、何せ、ここは神聖なる「廟(びょう)」
中を見せていただきたい気持ちは、とても大きかったんですが、かなりの遠慮をいたしました



その後ろに建つ建物は、安骨堂(納骨堂)
墓標・墓石をもたない人が納骨されているようです



この納骨堂も、入ろうと思えば入れました
・・・・が、丁寧に頭を垂れ、入口までとした私でした



お墓の形は、華僑の人、それぞれのようです
初期の頃のものは、墓標のような簡単な形で、無縁仏になってしまったものが、集められていました
山の傾斜を利用しています・・・・
昔は、海を見下ろす形なのでしょうが、今やその面影は全くありません

お墓の形も、いろいろありました
中には、建物の形をしたものも・・・・・
比較的新しい墓標は、現代の日本のものと似た形のものが、たくさんありました
でも、墓標に刻まれた名前は、確かに中国名・・・・・ここが華僑の方々の墓地と、判るのです


墓地のフェンス向こうは谷戸で、その先の丘陵に根岸競馬場の「旧・一等馬見所」の3つの塔が見える
明治の頃、上流階級の紳士・淑女たちが、着飾って競馬を楽しんだ所である


最も高い場所には、関東大震災時になくなった人たちの、お墓がまとめられていました
この時は、不幸にして、日本人によって殺された人も、少なからずの数、いると聞いています
静かに、長い時間、頭を垂れ、手を合わせた私です

今では「南京」という名称は、あまり使いません

小さな頃には、まだ残っていましたが、
両親からは「南京」は使わないよう教えられ、「中華」とか「中国」と言い換えていたのでした

県立高校に通った私ですが、場所柄か、中国や韓国の人も在籍していました
その友達は、自分の国での名前を使い、それが普通になっていました
が・・・・外に出れば、まだまだ日本の通称名の人がいたり、
集団ケンカが起こる事も、少なくなかった時代でした
高校生の頃まで、私は、決して、中華街を歩いた事がありませんでした



あれから、およそ55年・・・・・・時は変わったもんです

今や、横浜の中華街は、世界中から見ても大きな中華街で、治安がいい街なんですから・・・・