2024年は3月20日が春分の日です。
春分とは二十四節気の1つで、しばらくの間は3月20日か3月21日です。
※清明(4月5日頃)までの期間のことを指す時もあります。
この日は昼夜の長さがほぼ同じになりますが、日の出、日の入りの決め方と、
大気による屈折の影響により、実際には、夜よりも昼の方が長くなります。
また、春分の日には、太陽は真東から昇って真西に沈みます。
天文学では、太陽が春分点と呼ばれる場所を通過する瞬間を春分と定義しています。
春分点とは、地球の赤道(面)を空まで伸ばしていった「天の赤道」と、空の中を
一年かけて太陽が動いていく通り道である「黄道」が重なっている2点のうち、
太陽が南半球側から北半球側に移る点(昇交点)のことです。
さらに、春分点は天文学ではとっても重要で、星の位置の基準の1つになっています。
空にも地球で言う緯度・経度のようなものがあり、緯度に当たるものを赤緯、経度に
あたるものを赤経といいます。これが星の住所になっているわけです。
緯度と赤緯は赤道(天の赤道)を基準としています。一方、経度はロンドンにある
旧グリニッジ天文台を通る子午線(測地系によってちょっと違います)、赤経は
春分点を通る子午線を基準にしています。
ところが、この春分点は約26,000年の周期で動いています(歳差運動)。
このため、同じ住所でもそこにある星が違うというようなことが起きてしまいます。
つまり、時代によって「北極星」と呼ばれる星が変わってしまうのです。
例えば、これから1万年くらい経つと、こと座のベガ(織姫)が北極星となります。
もちろん、天文学では住所が変わっても困らない方法がちゃんと確立しています。
ちょっと特別な一日をぜひ自分なりに楽しんでください。