ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

西国三十三所道中案内地図

2010-07-20 11:27:07 | 読書日記


畏友・森沢義信氏が新著「西国三十三所道中案内地図」をナカニシヤ出版から上梓され
ました。上下巻、B5判 152頁ですが全頁上質紙カラー印刷のずしりと重い豪華本です。
思いがけず、この貴重な本をご恵贈頂きました。

この本は江戸時代から現代まで残る「西国三十三ヵ所巡礼道」を、江戸時代の巡礼の諸文献
をもとに森澤さんご自身が2,200kmに及ぶ全行程を踏破され、国土地理院の地図上に表示され
たルートマップです。この写真では分りにくいのですが、分岐点や目印、道標などとともに、
適所で写真も挿入されていて、これを持って歩けば迷わずに歩くことができるでしょう。



普通「西国三十三ヵ所巡礼」は、一番札所「那智山青岸渡寺」に始まり、三十三番札所
「谷汲山・華厳寺」で終わるのですが、この本でのスタート地点は伊勢神宮です。
これは江戸時代の巡礼者は東国(東日本)の人が多かったせいで、まず伊勢神宮に参拝
して、そののち熊野街道(今でいう熊野古道)を青岸渡寺へ辿ったことに、基づいてい
ます。

さらに、一番から順に辿る「順道」の他、一部区間では逆に歩く「逆打ち」、さらに途中で
寄り道をする「高野廻り」、「比叡越え」、「愛宕道」、「兵庫廻り」も紹介されています。
いわば江戸時代のトレッキングコースとも言えるこの寄り道コースは、変愚院にはとても
興味深く感じられました。

実は、変愚院夫婦は40歳代の数年間で西国三十三ヵ所と新西国三十三ヵ所をそれぞれ二度づつ
参拝しているのですが、全コースが車使用で、しかも二度目は新と旧?をごっちゃにして
(近いところは同じ日に済ませました)いますので、これはとても巡礼とはいえません。
もうとても全行程を歩き通す気力はありませんが、せめてこの本をザックに入れて「寄り道
コース」だけでも歩いてみたいと思っています。貴重なご本を本当にありがとうございました。

森沢氏については「森澤義信さん・奈良の本」として詳しくご紹介していますので、
こちらをご覧ください。

2 コメント

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西国三十三所道中案内地図 (ひろせ)
2010-07-21 08:42:52
久しぶりに森澤さんのお名前を拝見しました。あれは日本山岳会の山行きでした。変寓院さんと同氏には大変お世話になりました。””あれは何年前?””思えば四国の山と奥駈道でした。
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ひろせさんへ (変愚院)
2010-07-21 08:59:01
本当にあの頃が懐かしいですね。

今、記録を見ますと、四国の山は「四国分水嶺踏査」の一環で
2006年8月の剣山~三嶺縦走の時でしたね。
また「紀伊山地の参詣道シリーズ」でご一緒したのは、
同じ年の11月、宝冠ノ森から蛇崩山、笠捨山と一泊で歩いた時
でした。もっともっとご一緒したかったです。
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